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SkyrimとFallout4・76の二次創作メインブログです。 たまにMODの紹介も。
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04.20.04:37

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  • 04/20/04:37

06.12.21:33

今年も夏コミ受かりましたw

タイトルどおり。
そして先週の更新時にいってた金曜日の更新です。こんばんわ。

で、コミケ今年の夏も受かりました。すごいです、6回連続とか新記録更新しまくりですww
スカイリムの本を最初に出してから6回連続で受かってるという訳ですね。いや~すごいですねえ、スカイリムありがとう(笑)

今回も「ゲーム(RPG)」で参戦です。ごめんなさい。
そのせいでスカイリムのジャンルになる「ゲーム(その他)」と西と東で別れてしまう事に(涙
去年は配置的にもどちらも東、ってことが多かったですが、今回は刀剣乱舞や艦これの影響で分かれてしまったんですかねえ。
なので東西で離れてしまいますが、スカイリムの新刊はちゃんと出しますので、是非是非遊びにきてやってくださいませ。

サークルカットはこちら。

サークル「すらっぷすてぃっく本店」
金曜日 西地区 ほ ブロック 23bです。
メインジャンルのシャイニングフォースIIIとSkyrimの新刊、そしてコミケットSPで出せなかった
DragonAge Inquisitionの落書き本も持っていけたら持って行きます。
宜しくお願いします。

というだけの告知記事でした、ごめんちゃい。
原稿の状況とかは暇をみてぽつぽつこちらでも載せていきますのでどうぞよろしく。

ではまた・・次はいつ更新なるか分かりませんが、間を空けないように努めていきますよっ!

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06.07.00:58

夜の果てまで

 ──今も時々、夢を見る。
 僅かな手のひらの痛みと共に。


※今回の話はアダルト入ってるので段階入れておきます。
読みたい方は続きをクリックしてちょーだいな。

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つづきはこちら

05.28.21:40

もっともスカイリムえにっき

仕事だと言った。
何度も、何度も。
けど彼女は聞き入れてくれなかった。それどころか──

現在俺はヘルゲン復興の手助けをしている。
マーカス・ジャヌスという男と出会った事がきっかけだった。そこからヘルゲンを復興させる事になるなんてその時は想像もしていなかった。
けど、現在こうして俺はヘルゲン復興の手伝いをしている事に変わりはない。
町を守る者、復興すべく建物を作る者、ここでは全てが仲間だ。


 そんな中、俺はマーカスの友人でありヘルゲン復興の第一人者から極秘裏の仕事を受けた。
 彼の妻や子供を殺し、のうのうと今でも生きているアルドメリ自治領の使者、エランドゥルの行方を追う事。
 彼の行方、および隠れている場所を知っているのはとある宿屋に住む売春婦だという。
 売春婦、という単語に若干嫌悪感を抱いたのだが、仕事だから仕方あるまい。俺はその売春婦のいる宿屋へ向かった。

 他意が無かったわけでは──ないぞ。結婚している身ではあるがやっぱり気にはなるさ。……セラーナには悪いけどさ。

 宿屋に着いて、俺はその売春婦を探した。名前はダイアナ。
 彼女にエランドゥルの行方を教えてくれとストレートに言ってはみたが、
「顧客の事をぺらぺら話すほど私は軽くない」
 といって聞きやしない。……けど彼女が俺を見る目は誘っているように見えた。少なくともそのときは。
 それに乗るしかなさそうだった。

「気が変わったよ。……セプティム金貨500枚でいいか?」

 イスミールに誓って、そうでもしないと話をしてくれないと思ったからさ!(言い訳)
 彼女──ダイアナはそう言ってもらえたのが嬉しかったようで、俺をベッドへと誘ってくる。
 
 ここで問題が発覚した。傍らに突っ立っているセラーナだ。
 まさか今から──仕事だぞ、仕事──情事をするなんて彼女にバレては元も子もない。
 だから。
「セラーナ。カウンターで好きなものを注文しててくれ。俺はあの女に話をつけてくる」
 今のやりとりからして、彼女があのダイアナと今からやる事なんて想像もしていないだろうと踏んでの事だった。
 セラーナは怪訝そうな表情を浮かべ、
「……どうぞよしなに」
 といってカウンターのほうへと歩いていく。……これで大丈夫だ。手短に終わらせれば30分で済むはず……
 彼女の姿がカウンターのある別室へ入っていくのを見届けてから、俺はダイアナが入っていった室内の扉を開けた。

 ダイアナ嬢は待ちくたびれた様子でベッドの脇に突っ立っている。
 俺は彼女に近づき、殆ど裸同然で着ているというより被っていると言った方がいいであろう、ローブを脱がすべく、肩に手を当てたとき……

「……やっぱり。そういう事だと思っていましたわ」
 背後から紛れもなくセラーナの声が響いてきた。顔が青くなるのが嫌でも分かる。
 肩に手を当て、服を脱がせようとしていたのは嫌でも分かる筈で、そして──背後からパチパチと何かが爆ぜる音……。

 それから先の記憶はない。

 そしてそれから三日間、セラーナは俺に口を利いてくれなかったし、近づく事も許されなかった。
 はっきりしているのは、売春婦とやり損ねた事(これは別にどうって事はない)、そしてどうやってダイアナから情報を得るべきか……

 奥さんとずっと行動するのも問題アリだな、こういう時にだけだけどさ。



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久々の絵日記です。
手短ですがジュリアンさん(うちのどばきんさん)が書いた日記風に書いてみましたよ。
(タイトルがアレか? と思う人は俺と同年代ですねww

上記のとおり、ヘルゲン復興MODで遊んでいます。最初はまさかこんなシーンが出てくるなんて思ってなかったんでかなり度肝を抜かれたというか(笑)
え? ジュリさんはダイアナとヤッたのかって? まぁあれ画面がブラックアウトするだけだから彼女があえいでいるだけで実際はジュリさん彼女のツボ押しでもしてたのかもしれませんよ(笑)
だってジュリさんは喘いでないもん。(男の喘ぎ声なんぞ要らんという意見を抜いても)

そんなヘルゲン復興MOD面白いです。もう大半のクエストラインは終わって復興を見守るだけになってるみたいですが。

 最近中の人の精神的情緒が不安定だったため久しぶりに絵を描きました。
 絵を描くのは楽しいです。うまくはないけど。でも気持ちはたくさん入れてるよ。絵は心だからね!w

 かなり雑な落書き絵でしたがご容赦を。ではまた次のブログ更新日に。

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05.17.21:49

白き真綿に真紅を混ぜて──サルモール大使館殺人事件③-1

※「眠れる狂気──サルモール大使館殺人事件」と
 「吟唱するは雪の精か ──サルモール大使館殺人事件(2)」の続編(チャプター03-1)です。
初めて読まれる方はこちら→からお読みください。
チャプター1のリンク(2013年10月)
チャプター2のリンク(2014年1月)
スカイリムの二次創作(メインクエストアナザーストーリィ)です。その手のが苦手な方はブラウザバックでお戻りを。


ソリチュード地方:午後17時前。天候──吹雪

 ふぇっくし! と、今日何度目かのくしゃみの音。
 これで何度目だ、と門を挟んだ反対側で突っ立っている男はぼやく。自分は一切くしゃみをしないのはノルドの血のおかげだろう。くしゃみをしまくる男は寒さにあまり強くないレッドガードなせいか。
「おい、大丈夫か?」
 一応気遣っている、という形をとるために──そんな形をとる必要があるかは別としてだ──ノルドの男は声をかけた。反対側で突っ立っている男はずず、と洟をすする音を立てつつ、
「……ああ、もうすぐ交代の時間だろう? あと少しの辛抱だと思えば我慢もできる」
 そういうのを痩せ我慢と言うんだろうな、とノルドの男は心の中で一人ごちた。確かにこの持ち場を守る任を解かれるまではあと少しといったところだった、のだが。
「ああ、……だが交代はまだだと思うぞ。最後の客人が大使館に到着するまでがこの持ち場を守る役目だろうが。この吹雪じゃ相当難儀しているだろうしな」
 淡々とした口調で言うノルドとはうってかわって、レッドガードの男はうぇ、と呻くような変な声を絞り出すように言った。
「……マジかよ。もう暗くなってきてるってのに、そいつら到着するより前に俺達の方が凍死するのが早いんじゃないかね?」
 などと弱音を吐く。──確かにこの吹雪の中馬車をこんな山頂近くまで走らせてくるのは大変だろう。道を誤って崖からまっさかさま、なんてことにもなるかもしれない。
 それでさえ載せている人物が重要人物……サルモール大使館に呼ばれる程の人物だ、何故もっと早く到着しないのか、とノルドの男は思案をめぐらせつつ、硬く閉じられた鋼鉄製の門扉の内側に目を向ける。
 屋根がついた豪華な門からやや離れた所に、吹雪いているせいでよくは見えないが三階建ての瀟洒な建物がうっすら視界に入ってくる。その向こう側はこちらからは見る事はできないが、中庭がありそれを挟んでまた離れとして別館が建てられているのだ。ノルドの多いスカイリムでこのような広々とした土地を利用した大使館なぞ、ここ以外でお目にかかった事がない。それだけサルモールの影響はすごいんだぞ、と暗に示している感じでもあり、スカイリムの人々、タロス崇拝者にとっては目の敵同然だった。
 そのせいもあって、建物の周辺には自分達と同じような格好をした傭兵らがそこかしこを見回りながら、不審者は居ないかと目を光らせて──正確に言えば単に辺りをうろついているだけなのだが──いた。時折雪や凍りついた地面に足を取られて転ぶ者も見て取れる。あんな大雑把に歩くからだ、とノルドの男は心の中で毒づいた。
 ふえっくし! とまたしてもレッドガードが放つくしゃみの声。やれやれとノルドの男は肩を竦めた時──
「……お、どうやら着いたようだぞ」
 がらがら……と馬車の車輪が立てる音が微かに聞こえてくる。レッドガードの男は鼻が詰まっているせいで満足に聞こえる事がないだろう、と踏んでの事だった。やがてぼぅ……とランタンの灯りが薄暗くなってきた吹雪の中を照らすようにして現れると、すぐに馬車の輪郭が見えるようになった。
 どう、どうと御者台に座った男の声と共に手綱が引っ張られ、馬車は一旦門扉の前で止まった。ぶるるっ、と走ってきた馬が白い息を吐きながら首を数回振ってみせる。
「マルボーン卿、遅かったですね。今門を開けます、少々お待ちを」
 ノルドの男が声をかけると、マルボーンと呼ばれた男は頷いて見せただけだった。寒い中馬車を走らせてきて疲れているのだろう。ノルドの男はレッドガードの男に促しながら、観音開きの門扉を開けてみせた。かしゃん、と金属音が鳴り響き、門が開け放たれる。
 開くと同時に手綱を馬に打つと、馬車はがらがらと再び音を立てて大使館内に入っていった。ノルドの男は好奇心から、一体どんな奴が最後にやってきたのだろう、とちらりと目を荷台に目を向ける。男と女のようだった。豪華な服を着ているものの、奇妙な事に雪を頭や肩に積もらせている。来賓をあんなぞんざいに扱っていいのだろうか、と疑問が浮かんだが、
「おいテッド、仕事終わりだ。部屋に戻ろうぜ。……おお寒い」
 レッドガードの男がノルドの男──テッドに声をかけ……再びふぇっくし! と大きな声でくしゃみを飛ばす。
 こりゃ本格的に風邪ひいたんじゃなかろうな、とテッドはやれやれと言いながら門を閉じ、持ち場を離れていった。


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 えーっと、まずはいきなりごめんなさい。
 いきなりこの話の続きを始めても訳が分からん人のが多いと思います。本当に申し訳ない。
 なんで今更この話の続きを書くのか、って思う人が多いと思います。俺も続きを書こうとは思ってませんでした(ぇ
 ただ、今まで二次創作を3年以上書いてきているのに、完結させてないのがこの話だけなんですよ。なんで当時完結させなかったのかって、ネタとかアリバイとかそういうのは関係ないんですが、ほんの少しフィードバックが欲しかったからかなーなんて。
 一応今回完結に向けて話を練り直し、あまりミステリ的なもんは入ってるかどうかは分かりませんけど、こういうアナザーストーリィ的「外交特権」を書いてみてもいいかもなーということで。

 で、書き始めが1年半以上前というのもあって、今の時間軸と大幅にズレるため、若干人間関係を勝手ながら変えさせていただきます。(どばきんさん(ジュリアン)とセラーナは結婚後、という設定。)とか。
 まぁそこらへんはあまり感じさせないように書いていくつもりなので^^;

 今回はチャプター3の1という感じで短い上にどばきんもセラーナもぜんぜん出てこなくてすいません。ぼちぼち続きは書いていきますのでお楽しみ(?)に。
 ただあまりミステリ色強くないかと思います。何故ならスカイリムじゃ殺そうが何しようが大使館の中0だしなぁ・・
 
 ではまた更新日に。最近なかなか木曜日に更新できなくてごめんちゃい。

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04.16.23:18

One day Whiterun

「そうかそうか、やっと身を固める決心がついたのか。にしても……やはり一年前、お前に言ったとおりじゃないか、従士ジュリアン。あの時お前は精一杯否定しておったが……まんざらでもなかったな?」
 言いながら──俺の杯にワインを並々たっぷり注いでくる。今日はあまり飲むつもりはなかったのだが……予想外な事になっちまったな、こりゃ。
 俺のグラスに目一杯まで注ぎ終えると、今度はセラーナに向かっていかがかな、と聞いてくる。訊かれた彼女は首を僅かに振って──心なしか、グラスをバルグルーフ首長から遠ざけたのを俺は見逃さなかった。
 ここはドラゴンズリーチ内、謁見の間。いつもはここで首長と謁見し、意見を交わす程度でしか使っていない場所だ。謁見を申し出る者を囲むように長テーブルが置かれ、室内の一番奥、ホワイトランの紋章である白馬を模したそれが描かれたタペストリーが、掲げられてある下に首長の椅子が置かれてあった。周りには首長を守るべく控えている衛兵、執政が見受けられる。
 そんな厳かな場所に俺は居た。俺だけではない。首長バルグルーフ、そしてセラーナ。執政や衛兵も勿論居るが、この時だけはいつもと違っていた。……いや、執政や衛兵はいつもと変わらない。変わっているのは俺達と首長だけだ。
 俺達は謁見の間におかれてある長テーブルの一角に居た。その一角だけ、飲み干したワインの空瓶がいくつか転がっており、テーブルには豪華な料理……が置かれていた跡しか残っていなかった。元々無かった訳ではなく、俺達がたいらげた訳だが。──何故ここで歓談をしているかって? 俺だってそんな事予想だにしていなかった。何処で聞きつけたのか、ホワイトランに着いてすぐに衛兵の一人が俺を呼び止めてきたのだ。
「従士ジュリアンだな? 首長バルグルーフがお前を呼んでいる。すぐにドラゴンズリーチに来い」
 面食らった。いや、今まで何度か呼ばれた事はあるのだが、到着してすぐに呼ばれるなんて気味が悪い──そう思ったのも事実で。
そのため殆ど城下町で挨拶を交わすことなくドラゴンズリーチに赴いたら、待っていたのは先程聞いたことと殆ど同じ事──即ち、結婚した事を祝うための招聘であった。ということだ。

「……ああ、あの時って……あれか、蒔種の月にやった……」
 一年前。──セラーナと久しぶりにホワイトランに戻った際、同じように首長に呼ばれて赴いたら、農家の種蒔きの儀式に出ろ、というものだった。その時セラーナも一緒に連れて行った時の事を言っているのだろう。並々と注がれたワインを揺らさないようそっと口に近づけ、一気に半分ほど口に含む。ジャズベイ・ブドウの独特の酸味が口いっぱいに広がった。
「ああそうだ。あの時ジュリアン、お前は力いっぱい否定してたな、彼女は旅の連れだ、と。力いっぱい否定する態度はおかしいと思ったもんだったが……やはりセラーナ殿に気があったのだな?」
 無い、とは言い切れない。でもあの時はまだ俺自身セラーナへの好意なんて全く気づいてはいなかったが。……周りが冷やかすだけで。
「まぁ、……無かった、とは言い切れないですね」
 首長の手前、口調は酔っても丁寧語は忘れない。
「そうだろう? 私は思ったものだ、いずれ二人は結婚するだろう、って──それが本当になってしまった。だから私はジュリアン、お前を招聘したのだ。わがホワイトランの従士としてこんなに喜ぶべき事はない、とな」
 酒を一気に呷って、がははと威勢よく笑う。珍しい──というより見た事ない姿だった。こうも陽気に笑う人だったのか、と。
 と、すぐに真顔に戻ったバルグルーフが今度はセラーナの方を見据え、とんでもない事を口に出した。
「セラーナ殿は、従士ジュリアンの何処に惹かれたのかな?」
 どきっとする事をさらりと口に出すとは、首長というのは恐ろしい──って何をいきなり聞き出すんだ。
「えっ、私ですの?」
 突如話を振られたセラーナは瞬間、きょとんとした表情を浮かべ──すぐに気を取り直し、言葉の意味を気づくやいなや思案するような、照れ臭いような、顔を俯かせてしまった。
「………何処、に惹かれたか……」
 鸚鵡返しに反芻しながら考え込む彼女を他所に、俺は内心どきどきしていた。セラーナが何処に惹かれたか俺も興味があったのだ。……そういう俺はどうなんだって? 
「そう、ですわね……彼の謙虚さ、ってところでしょうか」
 謙虚さ? わが耳を疑った。俺……謙虚なところなんてあったっけ?
 それは首長も同様だったようで、「謙虚さ? たとえばどんな?」と聞き返してきた。
「たとえば、……彼はドヴァーキンと呼ばれるのを嫌いますわ、ドラゴンボーンと呼ばれるのも。自分が特別扱いされるのが嫌いなようですのよ。そういう所が謙虚だと思ったのですわ。違いまして?」
 セラーナの問いは俺達には聞こえなかった。何故なら彼女の返答を聞き終わる前に、俺と首長は腹を抱えて笑ってしまっていたからだ。
「は、はははははっ! ……そうかそうか、そういう謙虚さか……! 確かに我がホワイトランの従士殿はそういうきらいがあるように見えるな! しかしそれが彼女の心を靡かせたのだから、喜ぶべきか、なあ、従士殿!」
 笑いながらばんばん俺の肩を叩く。先日フルダにも叩かれたぞ、そこ……
「そ、そうですね……はは、嬉しいやら情けないやら……」
 首長はよほど笑いのつぼにハマったのか、笑いが止まらない様子だった。セラーナは何故笑っているのか分からないらしくきょとんとしている。……全く、俺にはもったいない位よく出来てるよ、セラーナ。
「首長、そろそろ就寝の時間です、夜遅いですし今日はここらへんでお開きにしていただかないと」
 と、いつの間にか執政のプロベンタス・アヴェニッチが首長の傍らに近づいて小声で報告してきた。いつの間に移動してきたのか。……俺も少し酔っているのかもしれないな。
 時計を見れば22時過ぎ。ずいぶん長居してしまったようだった。首長に呼ばれたのは夕方過ぎだから、5時間近く居た事になる。
 笑ったことで酔いが回ったのか、眠そうに目をこするバルグルーフに挨拶をして、俺達は辞する事にした。バルグルーフは歩くにも飲みすぎたのか力が入らないらしく、執政と衛兵に肩を持ち上げられて引きずられるように自室へと引っ込んでいった。先程まで談笑が響いていた謁見の間が、急に静かになる。やたら広い室内に俺とセラーナだけが取り残されてしまった。
「……ブリーズホームで一泊するか。帰ろうぜセラーナ」

 外に出ると、ひんやりした空気に思わず身を縮む。空はすっきり晴れており、マッサーとセクンダの双子の月が漆黒の空に浮かんでいた。
「綺麗だな──」
 ソルスセイムはモロウウィンドが近く、レッドマウンテンから出てくる噴煙で殆ど星空は見えない日のが多いため、すっきり晴れた夜空なんて本当に久しぶりだった。それと同時にずいぶんあの島に長居していたんだな、と気づかされる。
「ええ、綺麗ですわね」
 セラーナも隣で呟く。寒さを感じさせないように、俺はそっと彼女の肩を抱いた。……こういう事が出来るのも彼女と結婚したからだ、そう思うと嬉しくなった。
「……ところでジュリアン」
 セラーナが唐突に聞いてくる。
「ん? 何だ?」
 見上げてた視線を空から彼女へと移す。ドラゴンズリーチ周辺を灯す松明の明かりで薄暗くても彼女の顔は判別できた。輝くような赤い瞳も。
「私、先程首長に聞かれた事、何かおかしい事言いまして? ジュリアンまで笑ってたのには意外でしたわ」
 ああ……、となるとセラーナは正直に答えたというのか? 
「……本気で俺の謙虚な所に惹かれた?」
「それは……」少し言い淀んで、「……全部、って言ったらなんか恥ずかしいじゃありませんの。まるで何も考えてないみたいで。だから……」
 何だ、全部って言ってくれてもよかったのに。と心の中で呟く。
「おかしくは無いさ。ただ……首長には意外だったんだろうな。
 世界を救った英雄が、そもそも謙虚である筈ないと思うのは常だ。それを真っ向から俺は謙虚だ、そういうのに惹かれたと言ったから、君に対しても俺に対しても、首長は相好を崩したのさ。……本来ならば俺のような人とは違う存在を疎ましく思うのは上の者としては当然なんだろうけど、俺は別に首長だ上級王だ、という椅子を欲しがってないし、セラーナはそんな謙虚な俺に惹かれたなんて言われりゃ首長はほっとしただろう。だからあんなに笑ったのさ、……おそらくな」
 そう言うと彼女は肩を竦めた。「ジュリアンが無欲なのは私が一番よく知ってましてよ。あなたはドヴァーキンであって、ドラゴンボーンでもあるのにそれを言われると逃げたくなる性分だというのも。特別扱いされるのを嫌がるというのも。
 でも私はそれが新鮮でしたわ──私の父とは正反対ですもの。王であるが故に狂気に陥った父と、英雄であるのに無欲で傭兵として生きるジュリアンはぜんぜん違いますわ。……そう思えるだけで、私は安心しますの」
 そう言って、彼女は抱いている俺の腕に寄りかかってきた。……無欲ね、確かに俺は無欲だ。セラーナ以外はな。
「……俺は全部だから」
 ぽつりと言う。セラーナは何が? とはさすがに聞いてはこず──ぽつりと「なら、私も今度からそう言いますわ」とだけ言った。
 嬉しかった。


「取り込み中すまないが、その……扉の前で新婚ぶりを見せ付けるのはやめてくれないか。結婚してない者達も多く居るのでな」
 と、辺りをうろつく──見回りをしている、だが──ホワイトランの衛兵に茶々を入れられたのは、また別の話だ。



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ご無沙汰してた「ある日のどばきん」シリーズのホワイトラン版です。
これまである日のどばきんは何回か書いてきましたが、今回は結婚後の話なんで、若干Relationshipが変わってます。思い付きをだらだら書いてみました。
ある日のどばきんシリーズはいつも思い付きから筆が進む感じで書いてます。

えー前回の結婚話は本当に大変失礼しました。お目汚しにも程がアル・・のにもかかわらずまた甘い話書いてるジャマイカ! と怒ってる方がいたらごめんなさい。書いちゃいましたーw
だってセラーナかわいく書きたいんだもん!w
まぁでも結婚おめでとうという言葉も戴いたりしたので感無量ですw

今回の話の冒頭の「種蒔き云々」は一年前ほどにかいた二次創作カテゴリ内「寝覚めは最悪? それとも最高?」という記事に書かれてあるので興味のあるかたは是非。

久しぶりに定期更新日になんとかブログかけた。よかった><;
感想その他はいつもどおりお待ちしております。返事は200%確実に。

それでは次の更新日にまた^^そろそろゲームの方の日記もあげていきたいな、と。


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