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スカイリムの攻略とかあまり役に立たない日々のプレイ日記をだらだらかいていくつもりです。

雪と氷とドラゴンと。

   

吟唱するは雪の精か ──サルモール大使館殺人事件(2)

※「眠れる狂気──サルモール大使館殺人事件」の続編(チャプター02)です。
初めて読まれる方は→からお読みください。リンク(10月くらいの記事です)
スカイリムの二次創作(メインクエストアナザーストーリィ)です。その手のが苦手な方はブラウザバックでお戻りを。


「随分と遅い到着じゃないか。いくらなんでもぎりぎり過ぎる……開催日前日にやってくるとはな。一体今まで何してたんだ? デルフィンには一ヶ月以上前に封書を送らせていた筈だが? 今日来なかったら計画は全ておじゃんになってた所だぞ?」
 協力者がソリチュードの酒場「ウィンンキング・スキーヴァー」に居る──そいつに会い、指示を仰げ──
  第三者に読まれても内容を汲み取れないよう、端的に書かれたデルフィンからの手紙に書かれてあった人物は確かに酒場で俺を待っていた。──開口一番、言ってきた言葉は先程の通り。
「しかもなんだ? お連れ付とは聞いてないんだがな」
 セラーナの方を一瞥し、舌打ちを一つ。気分を害しやしまいかとこちらがひやひやしてしまう。
 マルボーン、と言ったか。見た目はエルフだが彼は自分の事をボズマー、そしてサルモール大使館の密偵だと言ってのけた。エルフにもいくつか種類があり、ボズマーはエルフの中でも弓術に秀でた者たちという程度しか俺も知らない。長い耳は他のそれ同様だが。
 何故サルモール大使館の密偵が俺達に協力してくれるんだ、と聞くと彼はしばし黙り込み、「アルドメリ自治領のやり方が気に食わないだけだ」としか教えてはくれなかった。
 マルボーンの、自分に対しての悪態に彼女が反論したらと思ってはいたが、セラーナは黙って俺の斜め後ろに立っていた。言われてばかりじゃ話が進まない。俺は今日何度目かのすまないを彼に言ってから、
「いい加減話してくれないか? 作戦の内容は何なのか、サルモール大使館がどこにあるのかも」
 話を促すと、しょうがない、といった様子で彼はやや茶色い髪に若干銀色が混じった髪をしごきつつ、ぽつぽつ話し始めてくれた。
「……そうだな、時間もないし。とりあえず概要をざっと話すとしよう。
 あんたが何者か分かっての事だ。いいな? ──デルフィンから話は聞いての通りだ。あんた達にはサルモール大使館に向かってもらう。俺と一緒にな。──そこで目的の情報を得て脱出するまでが作戦だ。俺はあんたを大使の部屋まで連れていく。そこで何をするのかはお前たち次第だ。勿論見つかったらお互いタダでは済まないだろう。
 パーティは明日だ。厩舎の前に馬車を用意した。それで向かう。──ああ、あと、装備品は俺に全て預けてくれ。大使館前でボディチェックされる際、武器を携帯されてたら入ることすら叶わないからな」
「全部預けるのか? 武器以外の物も?」
 鸚鵡返しに問い返すと、当然だろうとでも言いたげにマルボーンは肩をすくめてみせた。
「当たり前だ。いいか? あんた達はこれから一時、冒険者風情ではなくて地方貴族の一人になってもらう。冒険者がのこのこ大使館に向かったって追い払われるだけだという位、わかっているだろう? ──身なりだけ整えてもあんたから出てくる隙のないオーラは隠しようがないが、こちらがしっかりお膳立てしてあるから後はあんた達がしっかりバレないようにするだけだ。分かったか?」
 釘を刺すような言い方で凄んでみせたようだが、彼の交渉スキルが未熟なせいか全く恐怖を感じさせない。今は彼に従うしかなさそうだ。俺は黙って首肯して見せた。
「おっと、そこの連れもだ、預けるのは明日、馬車に乗る前でいい。──何か質問はあるか?」
 お前もだよと言わんばかりにマルボーンはセラーナに向けて顎でしゃくると、彼女はふん、と鼻を鳴らしてそっぽを向く仕草をした。……待てよ。
「セラーナを連れて行ってもいいんだな?」
 彼女の方へやや顔を向けながらマルボーンに聞くと、彼はかまわない、と言った様子でひらひらと手を振って見せた。
「ああ、構わん。むしろ女連れのほうがいいかもしれん。夫婦役ならよもや探りを入れる輩だとは思われんだろうし、カムフラージュの役割を兼ねる事にもなるしな。それでよければ、だが」
 そう言いながら俺とセラーナ、交互を見る。俺はともかく、セラーナは……と窺うように彼女を見ると、「構いませんわ」とだけ返事を返した。
「じゃあ決まったな。今夜はここに泊まれ。明日朝、厩舎に来い。──じゃあ俺はこれで失礼する。一人分余分な荷物が増えちまったからな」
 何の事かは分からないが、セラーナの事を言っているのは明白だった。マルボーンは椅子から腰を上げると足早に酒場を出て行った。彼の態度がカリカリしていたため、俺達は座ることすら許されず終始突っ立ったまま話を聞いて終わった形になってしまった。遅れたのはこちらのせいだから仕方がないとはいえ、なんだかばつが悪い。
 ウィンキング・スキーヴァー一階はホールのように開けた場所に丸テーブルが点在し、囲むように椅子が置かれている。二階は宿となっており、そこらへんは他の一般的な宿と大差はない。セラーナを一旦、その場に残して俺はカウンターへ向かい、主人に一泊分の宿賃を支払い、ついでにミードの瓶とグラスを二つ拝借してテーブルへ戻った。
「けどセラーナ、良かったのか? 俺と……夫婦役で潜入する、なんて?」
 椅子に座り、グラスに琥珀色の液体を注いでセラーナへと渡す。自然と窺うような聞こえ方になってしまったかもしれないが、彼女は黙ってミードを一口含み、ほっと息を吐いてから、
「別に。──私にはジュリアン、貴方の方がそれでいいのかと思いましたけど」
 相変わらずつまらなさそうに言ってのけた。もしかして来る前にホワイトランで話したことを思い出しているのかもしれない。
「そんな事はないさ。セラーナは吸血鬼のお姫様だから、俺より物腰は優雅だから周りから変に思われる事もないだろうし……」
「……吸血鬼のお姫様、って言い方やめて頂けませんかしら?」
 しまった、気分を害させてしまったらしい。
 セラーナは俺と行動を共にするようになってから、世間を知るようになったせいか、人と接する機会が増えたからかはわからないが徐々に態度が軟化していった。出会った頃はいかにも自分は位が上の者だと言わんばかりの上から目線だったのに対し、現在はそういう事を口にすると嫌悪感をあらわすようになっていた。
 それが何故かは分からない。けど──それは俺が影響しているのだろう、とヴァレリカは以前、俺に言ったことがある。あれはソウル・ケルンで彼女を見つけた時だったか。セラーナの態度が以前のそれでない事に母親はいち早く察し、俺に対して何かしたのかと言って来た。
「何かって──随分含みを持たせたような言い方するな。何もしてないぜ。彼女を目覚めさせたのが俺だった、それだけだ」
 ……みたいな言い方をした覚えがある。それで何を納得したのかは分からないが彼女は俺にセラーナを頼むと言ったんだった。
「悪い悪い。……俺は嫌なんて思ってないぜ。むしろ、嬉しい位だったりしてな」
 ぽつりと本音を漏らす。しかしそれを聞いてなかったのか、セラーナは黙ってグラスを傾けるだけだった。

 翌日、朝。
 待ち合わせの厩舎前に行くと、既にマルボーンは馬車の御者台に座って俺達を待っていた。そしてその隣の突っ立っている、もう一人──
「ジュリアン!」
 甲高い声に思わず身をすくめる。声の主はすぐ見当がつく。
 擦り切れた皮製の鎧を着込み、髪は金髪、やや肌は豊麗線が目立つもののそれを気にしてか髪は後ろで一つに束ねており、腰には剣をさしている。いつもの姿である──
「よ、よぅ……デルフィン」
 片手を上げて挨拶のポーズを取ったが、そんな事で天下のブレイズが誤魔化されるわけがなかった。
「なにが、よぅ、よ! あなた一体何してたの? 痺れを切らして手紙を送ったらその手紙も読まれたのが一昨日って言うじゃない! 私が周到に用意を重ねていたのにあんたときたら──」
「ま、待った待った! 俺だって色々……調べてたんだぜ。色々と」
 苦し紛れの言い訳をする。あまりの様相に傍らで突っ立っているセラーナはぽかんとした表情を浮かべていた。俺がここまで返答に窮する姿を見たことなくて驚いているのかもしれない──
「……まあ、間に合っただけ良かったと思うしかないわね。時間も少ないし。はい、これ」
 そう言ってぶっきらぼうに手に持った袋をこちらに突き出すデルフィン。何だこれ?
「マルボーンから聞いてなかったの? ──ジュリアンにはこれから貴族の一員となってもらうって?」
 何を聞いてたの、と言われそうだったのであわてて頭を縦に振る。
「分かったらさっさと着替えなさい。──ああ、それと、そこの……えーっと……?」
 セラーナに向かって指を差すデルフィン。名前を教えるとデルフィンはこっち、と厩舎一角の建物に連れて行かれた。そこで着替えさせられるのだろう。男は黙って外で着替えろ、って事か。まだ夜が明けて日差しも少ないってのにご丁寧なことで。
 袋の中に入っていたのは上等の上着と、同じ色のスラックス、これまた立派な革靴が一足入っていた。鎧を脱いで上着を纏い、スラックスも同様に着替える。まだ夜が明けて間もない為、人気がないのが幸いだ。こんな所衛兵に見つかったら何言われるか。
「よしっ……出来た。これでいいんだよな? マルボーン?」
 着替えが終わったのを伝えるように、御者台に座っているマルボーンに声を掛ける。彼はすぐに振り向き、しかし俺の姿を見て顔をしかめた。何処かおかしな着方したか?
「ああ、違う。服装はいいんだが……ちっとは髪型を整えろ。いかにも寝起きってのが窺えるぞ。こっち来い」
 髪型ねぇ……貴族はそこまで気を払わなけりゃ気がすまないのかね。やれやれとマルボーンの座っている御者台まで歩いていくと、不躾に髪に櫛を当てられ、そのままぐい、と引っ張るもんだから毛根が一気に悲鳴を上げた。
「っててて! 何しやがる!!」
「何しやがるじゃねえ! ぼさぼさの髪で行ってみろ、服と頭がちぐはぐでお前笑われるぞ! 俺だって好き好んで野郎の頭なぞ櫛梳かしたくなんかないんだからな! ったく」
 何を言っても反論されそうなので俺は憮然とした態度のままされるがままになっていた。 がしがしと頭皮まで削られて痛いったらない。しかしそれも数分後──マルボーンの手がようやく止まった。
「……まあ、こんなんでいいだろ。どうせパーティの途中に抜け出すんだ。ある程度整ってる程度でいい。ほら、鏡見てみろ」
 悪態つきながらマルボーンはこちらに手鏡を手渡す。見てみると──ものの見事に髪が整っていた。髪なんぞさほど気にもしたことがなかったから彼の仕立てには思わず舌を巻いた。さすが大使館で働いている、って所か。
「お待たせ。こっちも出来たわよ」
 デルフィンの声に振り返ると、セラーナが瀟洒な衣服に身を整えてデルフィンの後ろに立っていた。髪型は元々整ってる為然程弄った形跡はない。マルボーンが昨日一人分の荷物が、と言ったのはやはりセラーナの衣服だったようだ。
「ぐずぐずしてる暇はないわ。さあ馬車に乗って。しっかり情報をかき集めてくること。いいわね?」
 デルフィンの追い立てる声を尻目に、御者台にいるマルボーンに俺とセラーナは手持ちの武器と装備品を全て預けた。彼は御者台脇に置かれたチェストに全て放り込むと、
「出発するぞ、あんた達二人は荷台に乗れ」
 ぶっきらぼうに言い放ち、俺達が荷台に座るのを確認してから、彼は隣に座っている御者に馬車を出すように促す。御者が手綱を引っ張ると、よろよろと馬車が動き始めた。
「やれやれ。こんな身なりにさせられるとは世も末だよなぁ、セラーナ?」
 どうせ似合ってない、って言いたいんだろうとわざと促したのにも関わらず、
「馬子にも衣装という言葉もありましてよ」
 ……それって褒めてるのか? けなしてるのか?
 心なしかセラーナはこの展開を楽しんでいる様子だった。知らない場所に行くのは楽しいのかもしれないが、俺達はこれから大使館をうろついて必要な情報を集めなくちゃいけないんだぜ、本来の目的を忘れちゃいけない。
 
 不安と期待を併せ持ちながら馬車は大使館へとひた走る。
 その先に起こるであろう、殺人事件なぞよもや想像すらできずに──。

-------------
数ヶ月ぶりにやっと続きが出せました。サルモール大使館殺人事件第二チャプターです。
けどまだ導入部分の続きで、ここら辺は殆どメインクエストをなぞらえただけなので別に読まなくてもいいような書かなくてもいいような……と思いましたが^^;

多分次辺りで何かしらアクションが起こるはずです。気長にお待ちくださいませ。
まだ全然概要にも入ってないしなぁorz

サブタイが意味不明でこれまたすいませんorz
それとデルフィンがややヒステリックな設定でこれまたすいません(多分これはパーサーナックスを殺せというクエストが多分に影響しているに違いない)……。

ところでマルボーンってこんなに大雑把な言い方してたっけ……間違ってたらごめんよぉぉぉぉ(嘆
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プロフィール

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ジュリアン
性別:
男性
職業:
傭兵
自己紹介:
スカイリムはホワイトラン在住のドヴァキン。
現在のところ引越しする予定はなし。
中の人はヘタレですが一応同人誌作家。マイナーゲームの絵を描いてたり。
文章も多いですが一応絵の方専門。
スカイリムの絵とか描いたりフォトショでSSをレタッチしたりするのが好き。
スカイリムに影響されて2012年から英語の勉強を始め現在進行形で勉強中。
ラジオ英語を聴いているのだが、英会話教室に通いたいのに時間と金が無くて嘆いているとかいないとか。

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