忍者ブログ

SkyrimとFallout4・76の二次創作メインブログです。 たまにMODの紹介も。
04 2025/05 1 2 34 5 6 7 8 9 1011 12 13 14 15 16 1718 19 20 21 22 23 2425 26 27 28 29 30 31 06

05.10.03:29

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

  • 05/10/03:29

08.17.01:32

pray

 ども。
 原稿が終わって束の間の休息というよりSkyrim三昧(とまではいかないが……)な今日この頃です。
 今回は久々にプレイ日記を兼ねた小説を書いてみました。
 次回書こうかなーとかぼんやり考えてる小説二次創作のたたき台みたいなもんですが(?)
 ちょうど今の時期がアレだったので、アレを取り入れた感じで書いてみましたが・・まあ相変わらずのもんなのでざざっと流し読みしていただけたら幸いです。


──戦争か。
 己の欲望の実現、もしくはほんの些細な諍いから始まるもの。
 つまり、相手が居なければ起こりうるはずのないもの──
 ちっぽけなプライドや欲、利益を得るため、人は衝突をし、どちらかが勝ち、どちらかが負ける。
 そんなものを数多く見てきた──いや、見なければ生きられなかった。
 俺の居場所は戦場のみ、雇われた相手を守り、相手を勝利に導くだけの駒──それが、傭兵。
 それが俺の職業。言い方を変えれば人殺しと然程変わらない。
 好きでその職についたんじゃないかって? ふざけたことを言うんじゃない。人間、生きるためには食い扶持が必要だ。
 その食い扶持が俺には傭兵として渡り歩く手段だった、それだけだよ。
 根無し草、冒険者、風渡り──如何様にも言い方はある。
 でもどれも行き着く場所は皆同じなのだ──人殺し。と。

「地味な町ですのね、これでスカイリムにある地方都市の一つですの? ホワイトランやウインドヘルムとは大違いですわね」
 ファルクリースに到着するやいなや、俺の背後からついてきていたセラーナは不服そうにふん、と鼻を鳴らして一人ごちた。
 彼女の独白──勿論独白ではない、俺に向かって言ったんだろう──を耳ざとく聞きつけたのか、門の脇に突っ立っていた衛兵がこちらに顔を向けた。フルフェイスで覆われている故に表情は判別できないが、その内側ではこちらを睨むような視線を投げつけていてもおかしくない。
「領土の半分以上が森で覆われてるからな、きっとここまで開拓するのに時間がかかったんだよ」
 とっさのフォローでそう言いのけると、衛兵は領土を貶されている訳ではないと判断したのか何も言ってこようとはしなかった。慌ててその場を離れる。
「……ったく、危なかったぜ。……セラーナ、地味だと思ってもそういうことを口に出すべきじゃねぇぜ、
 今はそれでさえ戦争中だ、衛兵もぴりぴりしてやがる。変に燃料投下して火傷を負うべきじゃない。黙ってる方が得策だ、いいな?」
 門を離れ、宿屋「デッドマンズ・ドリンク」前まで着いてから、俺は小声でセラーナにそう伝えた。セラーナはなおも不服なのか、眉間にやや皺を寄せ、
「本当のことを口に出したまでですわ。心に思ったことを言ってはいけないなんて法律がスカイリムにはあるんですの?」
 そうじゃない、と伝える。しかし衛兵がよからぬ事と判断するような事を口にするべきではない、いつ誰が俺達にコナをかけてくるか──それが何を脅かすか、分かっているからこそ用心しろと言っているのだ。
「吸血鬼のお姫様には分からないかもしれないが、今のスカイリムは内戦でごった返しているんだ……帝国かストームクロークか、二分に別れ領土争いに発展している。
 衛兵の機嫌を損ねれば何らかの嫌がらせをされないとも限らない。余計ないざこざに巻き込まれないようにするのが得策なんだ。セラーナだって嫌だろう? ──女なんて特に」
 最後の一言だけは感情を抑えることが出来ず、吐き捨てるように言ってしまった。しかしその言い方が功を奏したのか、彼女は肩をすくめ、小さくうなずいてみせた。
 分かってくれたらいい。俺はセラーナの母さん──ヴァレリカに、君を守ると約束した。その約束を反故にするような事だけは招きたくない。絶対に。
「その事は分かりましたわ。けど……ここの……ファルクリースに何か用があるんですの?」
 少しどもりながらセラーナは言った。しまった、その事を言うのをすっかり忘れていた。
「すぐ終わるよ──この裏手に行ったところに用がある」
 そう言って俺は歩き出した。

 町の中心部をぶった切るようにして伸びる街道からわき道に逸れ、なだらかな坂を下るとすぐその場所は見えてきた。
 小さな小屋の向かいにある、少し開けた野原に地面から突き出すように幾重にも整然と並べられてある──白く薄い石版の数々。
 見れば誰にだって分かる。ここは墓場──死んだ者達が眠る場所なのだと。
「また……増えてるな……」
 随分こない間に死者が出たのか、墓石がいくつか増えていた。初めてファルクリースに来た時でさえ多いと思っていたのに……更に増えているとは。
「誰か身内でもこの場所に眠っているんですの?」
 セラーナが遠慮がちに小声で俺に話しかけてきた。その言い方がおかしくて俺は思わず吹き出し、笑いだしてしまう。しんみりしていると思ったのか? まさか。
 笑われるとは予想もつかなかったのか、俺に対してセラーナは気が狂ったのかとでも思うように嫌悪感を滲ませた視線を投げかけてくるので、
「ははっ……悪い悪い、そうじゃない。前に話したよな? 俺は天涯孤独だと。だからここに身内なんか眠ってやしないよ」
「それは知ってますわ。では何故ここに来たんですの? 理由もなく墓場に来る用事が貴方にはあると?」
 両手を広げて諌めるようなポーズを取っても、セラーナは納得がいかないようで食って掛かる勢いで言葉を返してくる。俺はすっと笑うのを止めて、視線を彼女から墓場に移した。
「──身内は居ないが、ここは過去の大戦で亡くなった者、今も続いてる内戦で命を落とした者、病や事故で命を散らした者達の墓場だ。
 知ってのとおり、俺は両親が居ない。父親は戦場で死に、母親はどこの誰かも分からない。俺も親父と同じ傭兵の道を辿って今こうしている訳だ、俺もまた──親父同様、死んでも墓はないだろう。
 いつ死んだのかとか分からないから命日も知らない。けど養父が教えてくれたのは今の時期だった。だから俺は今の時期を親父の命日と勝手に思い込んで……でも墓はないだろ? だからこうして、誰でもいい、亡くなった誰かを偲んで手を合わせても親父にそれが通じるかもしれない、って勝手に決めて勝手にこうして来てるって訳さ。下らないだろう?」
 自虐めいた言い方になってしまったが、セラーナは俺の真意を汲み取ったようだった。無理もない……彼女も数ヶ月前、父親を──俺が、殺したのだから。
 そうせざるを得なかった、しかしそれで良かったのか──未だ疑問に思う時がある。セラーナは頭では分かってても心でそれを理解するのには時間が短かったのではないかと。
 結果的に俺は彼女の父親、ハルコンを殺した──やはり俺は人殺しなのだ、と頭を抱えた夜も少なくない。気丈に振舞うセラーナを見て何度心が締め付けられたか。
 傭兵という職業を、いや、ドーンガードとしての役割を、これほど呪った事はなかった。何故俺なんだ、何故俺が殺さなければならなかった。
 結果的には世界は救われた。しかし、彼女の心一つ俺は救い出せては居なかった。
 ヴァレリカを迎えにソウル・ケルンに出向き、顛末を話した時、彼女は言ってくれた、「ありがとう」と。それが何に対してのありがとうなのか──俺は未だにわかっていない。
 だから、と俺は思う。
 俺は自分の父親を殺され、守ると誓ったセラーナの肉親を殺した。自分がされた事全部、セラーナにも味あわせてしまったのだ──それが大義だったとしても。
 探している父親の仇と同じなんだ、俺は──
「……なら、私もここで貴方同様、祈りを捧げていきますわ」
 突然セラーナから出た言葉に、えっと言い返す間もなく、セラーナは墓場の一角で膝を折り、祈りを捧げ始めたではないか。
 今度はこちらが予想外の行動に目を丸くする番だった。「どうして……」と言葉が口から漏れてしまう。
「私も貴方と同じだと思いましたから。もう父親と言いたくもありませんけど……それでもハルコンは父親であることは間違いありませんわ。
 けど、彼がやった行為は許されない。死んで当然だと私は思っている。
 ──ですが」
 ふいに口をつぐむと、唖然とした状態で突っ立ったままの俺に顔を向けてから、
「ずっと私の父を殺したことを悔やんでいるのではなくて? ──だったらその考えは捨てた方が賢明ですわ。私は後悔しておりませんもの。
 殺されて然るべきだったし、貴方が倒してくれた事は間違ってませんもの。自業自得なのです」
 思っていることをずばずばと指摘され、ばつが悪いったらない。苦笑いを浮かべてしまうが、内心はありがたかった。 
「……ありがとよ」
 照れくさくてまともに顔を向けて言うことが出来ず、ぼそぼそと呟く程度でしか言えなかった。伝わったかは分からないが、セラーナは何かを付け足すように「ああ、それと」と言ってから、
「不謹慎かもしれないし、そんな時を今から考えたくはないですけど──貴方の墓なら、私が作って差し上げますわ。ヴォルキハル城の中庭に設置して、毎日祈りを捧げますから」
 ……何だって? 
 再度目を丸くする俺をセラーナは見て──口元を歪ませ、くすっと笑みを浮かべた。その表情ですぐ、冗談を言ったのだと察する。
 憮然とした表情を浮かべて俺は言った。
「セラーナ、俺からしたら笑えない冗談だぜ?」
「ごめんなさい。さっきのとこれでおあいこですわ」
 つられてこちらも笑うしかなかった。全くとんだ女を守ると誓ったもんだ。
 

 しばしの笑いの後、セラーナは何も言わず、手を合わせて誰ともしらない墓前に祈りを捧げていた。
 俺も彼女の隣に立ち、立ち膝をついた状態で俺は手を合わせる。この墓の下に埋まっている者と、俺の父親と、そして──ハルコンに。

“彼女は必ず俺が守っていく。父さん、そして──ハルコン、ソブンガルデから見ていてくれよ”


吸血鬼って死んだらどこにいくんでしょうね。ソブンガルデはないでしょうが、オブリビオンにでも行くのかな?w
ぐだぐだな話ですいません;;ではまた次の話で。

拍手[0回]

PR

08.12.22:04

夏コミお疲れ様でした&お買い上げありがとうございました!!






 はい。夏コミから帰ってきました。
 参加した方々、新刊を買ってくれた方々、ありがとうございました!!
 上のSSは新刊の表紙、下はお品書き(自分のメインジャンルであるシャイニングフォースの新刊も混ざってますが。。。w)です。
 スカイリムのサークルがある場所と別の場所(ジャンルコードも違うため)にサークルがあるにも関わらず本を買いに来てくださる方が居て、感謝感激雨土砂降りでしたm(__)m

 で。
 自分もよーーーーーやくスカイリムサークルに行って新刊ゲットしてきました!!w
 いやー去年のC83では西と東で分かれてたせいもあって買いにいけず、本当に悔しい思いをしたので今回は始まってすぐに買いに行きました(笑)
 行ってみたら長蛇の列がすごいことすごいこと。
 スカイリム好きな人こんなにいるんだなあと、本当に嬉しい気持ちになりました^^
 とても楽しく読ませてもらってます。サークル名とかは割愛しますが、ありがとうございました。

 

 本当は自分もスカイリムの方にサークルを移したいといえば移したいですが、
 自分のメインジャンルはどうしてもシャイニングフォースIII(キャメロット・1997年・シミュレーションRPG)から離れることはないと決めてるんで、スカイリムでサークルを取ることは今後もないと思います(コミケのみにいたっては、ですが)。
 自分の相方や同じジャンルのサークルの友人にも同じこと聞かれましたけどw
 
 
 いやー本当はそっちでも取りたいですよw なかなかスカイリムの話を対面で話すってことないし。
 相当中の人は葛藤しましたけど、メインジャンルを抜けることは自分のアイデンティティーに反すると分かってるんで、サークルはSFIIIで、スカイリムはサブで、ということで今後もやっていくと思います。
 だからどうしてもゲーム(RPG)とゲーム(その他)で別れてしまうのが寂しいですがこれはもうしょうがないです。
 ただ、コミケ以外ではスカイリムジャンルでサークルとってもいいかもしれないなと思ってるんで、
 11月に開催するゲームレジェンドに参加しようかなと思ってます。スカイリムサークルさんがいくつかいると友人が教えてくれたんでw
 そうやって、メインジャンルで活動してても俺がSkyrimの本を描いていると誰かが助けてくれるんですよね。
 そういう事が出来る間柄があるのも、ずっとシャイニングフォースで活動してきたから。

 なんだかこのブログはスカイリムなのかシャイニングフォースなのか分かりませんねw

 俺の中ではSFIIIの延長線上にスカイリムがある形で存在してるんで、次の冬コミも受かればSkyrimの新刊を持っていくつもりです。
 よろしくお願いします。

 なんだか長々と自分のつまらねー事を書いてしまいましたw
 とりあえず原稿からは無事脱稿したので、夏も俺の中では終わったんで(笑)
 スカイリムプレイが再開です。とりあえず件の大作MODを入れてみようかなあ。
 ブログではまた二次創作がちょこちょこ書けていけたらと思ってる所存です。
 今後ともどぞよろしくです。

 それではまた。

拍手[0回]

08.07.23:34

Dawnguardの一コマを小説仕立てにしてみた。(自己流多分入り

えー……今回はDawnguardのクエ「預言者」の最後の一幕がどうしてもどうしてもアレンジしたくて書いてみたものです。
何故か? それはジュリアン(うちのどばきんさん)に両親なんて居ないからさ!!(上のSS参照) というむちゃくちゃな理由をタテに書いてみたものです・・
なんでつまらない人にはものごっつーつまらんので申し訳ない・・

(ちなみにコレは去年10月ごろにmixiに載せたものの再掲です。何故いまさら? と思うでしょうが最近自分のTwitter上でDawnguardの事で色々フォロワーさんと話しててふと、この話はブログに載せてないなと判明したため再掲したものです)


“あなたはどうなのです? ご両親はどんな方でしたの?”
 目の前に立って話す彼女の表情はまっすぐこちらを見据えるだけで、他意があって問いかけた事じゃないのは容易に想像がつく。
 しかしその事を彼女に話していいものかどうか、俺は逡巡していた。
 妙な空気が俺と彼女の間に流れる。
 目の前に立つ女は血色があまりよくなく、傍目からすれば少し病弱か体力が弱い女性と見られてもおかしくはない。
 しかし普通の人間とは違う証として、彼女の目は血のように真っ赤で、瞳孔すら赤かった。
 勿論彼女は“ヒト”ではないのだ──陽光を忌み嫌い、闇を愛でその中を自在に移動できる力を持った種族。
 人はそれを多分の侮蔑を込めた言葉でこう言った。「吸血鬼」と。

 聖蚕の僧侶であるデキソン・エヴィカスが星霜の書──エルダー・スクロール──を読み終え、一休みをするという事になり、砦のホールに集まった俺とセラーナ、聖蚕の僧侶、そして砦のマスターであるイスランの四人は一時解散することにした。
 星霜の書を読むという作業はそうとう精神力を要するらしい。読み終わった後の聖蚕の僧侶は来た時と比べると急に何年も歳をとったかのように頬は痩せこけ、げっそりとしていた。よろよろと覚束ない足取りで寝室として使っている部屋に向かって歩いていく。
 ドーンガードの砦に着いた時は既に夜半を過ぎていた。俺も一眠りするかな、イスランは眠るという事は愚か者のやる行為だとか言っていたが、人間寝なければ死んでしまう。
 踵を返して寝室に向かおうとした時だった。
「待ってください。少し……話がありますの」
 後方から声が聞こえたので首だけを動かして見やると、セラーナが突っ立ったままこちらを見ていた。どうやら先程からその場を動かなかったらしい。
「……後じゃダメなんだろうな?」
 表情を察するに何か思いつめたような感じだったので、結局俺は体ごとセラーナに向けた。彼女はこくりと頷く。
「聖蚕の僧侶が残り二つ有ると言っていたエルダー・スクロール、片方でしたら何処にあるのか見当がつきますわよ」
 その言葉に俺は思わず目をつりあげた。セラーナは表情を変えないまま話し始める。
「父はもう、私の事を娘とは思ってないようですわ。だから私は──父には加担いたしませんの。私を道具扱いする父が嫌で、私は──私を、助けてくれた貴方を頼って、敵地と言っても過言ではないこんなところまでやってきたのですから」
 最も、彼女を砦に置き去りにしていたら、砦に居るドーンガードの誰かが彼女を蹂躙しないとも限らない。
 四面楚歌なんてことよりも酷い、回りに味方が居ない敵地にたった一人で乗り込んできたのだ。殺されるかもしれない、そんな考えもあっただろう。でも俺を頼ってきた。だから俺は彼女に言った──「俺と来ないか」と。
 そう言った俺を、イスランは不服そうに顔をしかめていた。恐らく俺が居なくなるや否やで彼女を殺そうとしていたのかもしれないが、情況がどうであれ、肩に背負った星霜の書を俺に──敵側に、譲り渡してくれたのだ。その行為だけは認めてやってもいいんじゃないか?
 セラーナを連れ、俺と二人で聖蚕の僧侶を見つけだし、吸血鬼の手に落ちようとしていた聖蚕の僧侶を無事救出、そして砦へ無事送り届けた──だけに関わらずセラーナはあろうことか、すんなりと星霜の書を僧侶に渡したのだ。
 躊躇いもせずすんなりと俺たちに勝利への手がかりを渡してくれるのか──その理由が今分かった。父親が自分を道具としか見ていないこと、母がそんな父親を嫌い、姿を消してしまった事。
「私と母は親子というより、親友のような間柄でしたわ──何でも話す親しい関係でしたわ。母が最後に安全な場所に行くと言い残して姿を消すまでは」
 その当時を思い出したのだろう、セラーナの眉が下がり、伏目がちな視線を地面に落とした。
「母が星霜の書を持っているかもしれませんわ。その手がかりを探しに行かなくてはいけませんの。手伝って下さるわよね?」
 Noと言う余裕は無さそうだ。俺が頷いて見せると彼女の表情が少しほころんだ。
「セラーナの家族について教えてくれないか? 随分と──個性的な家族だよな」
 言葉に迷って変な言い方をしてしまったが、彼女はそれについては何も言わず、
「おかしな家族──そういったほうがいいかもしれませんわね。仲がよかったのが、次の日になると険悪な関係になってしまったのですから。父も母も脅迫観念がそうとう強かったし、それが家族という絆を冷やした原因かもしれませんわね」
 つまらなさそうに言いのけた。
「父親も母親もあまり良くは思ってなさそうだな。セラーナは」
 薄ら笑いを浮かべて答えると、彼女はふん、と鼻を鳴らして俺にとんでもない事を言った。
「そういうあなたはどうなのです? ご両親はどんな方でしたの?」

 ──どう答えたものか。
 俺が黙ってしまった事にセラーナは怪訝そうに首をかしげる。
 しかし、言った所で何が変わるわけでもない。彼女にとってはどうでもいいこと──そうやって片付けられるだろう。
 俺はつとめて明るい表情を浮かべ、肩をすくめた。
「親は──居ないんだ」
 え、と言うように口を開くセラーナ。しかしその唇から声は発せられなかった。
「母親は分からない。父親は──殺された。俺を育ててくれた養父は数年前に戦死した。父親の名前はジェームズ。養父はアランだ」
 どう答えていいものか分からず、セラーナの表情が困ったようなそれに変わっている。俺を慮る必要なんてないぜ、セラーナ。
「父親も養父も傭兵だった。父親は何者か分からない化け物に殺されたんだ。養父は戦死する数年前に教えてくれたよ。そして俺も親父や養父と同じく傭兵になった。命の危険は何度もあったけど、今のところ、こうして生き延びているよ」
 常にベルトに差してある短剣を思わず俺は手でさすっていた。古ぼけた鋼鉄のダガーだったが、それは亡き父親が俺に最初にくれたプレゼント──というより護身用としてのものだったのだろう。
 心が折れそうになった時、常に俺はこのダガーを握り締め耐えてきた。いつか父親の仇敵を探し出してみせる。その一つだけを携え──スカイリムに来た。まさか来て早々帝国兵に捕まるとは思ってもみなかったが。
 セラーナは何と言葉をかけていいか分からない様子だったが、
「その……ごめんなさい。辛い思い出を呼び覚ましてしまって」
 頭こそ下げないものの、申し訳ない様子で彼女はそう謝ってきた。謝る必要なんてないんだぜ、セラーナ。
「大丈夫だよ。気にされると折角思い切って伝えた意味がなくなっちまう」
 思い切って伝えた意味って? セラーナが鸚鵡返しに問いかけた。
「なに。簡単な事さ。──セラーナ、あんたにはまだ両親が居る。けど話を聞く限り両親及び親子の仲は良くない。それは分かる。
 けど、生きてるうちだけだぜ。そんな贅沢な事言えるのはよ。仲が悪かろうが、険悪だろうが、それでもあんたにとって、ハルコンや母親は大事な両親なんだ。それだけは忘れるなよ。たとえ──俺がハルコンを倒す事になろうとも」
 最後につけた言葉は勿論、いずれ起きるであろう戦いの結果──勝っても負けてもいずれどちらかは死ぬのだ。親を無下にする彼女に、どうかその時になって父親のありがたみを感じて涙することがないように。
 セラーナに俺の真意が伝わったかは──分からない。しかし彼女は黙って俺の言葉を受け止めた様子で、こくりと頷いて見せた。
 俺も頷いてみせると、扉に向かって歩き出した。セラーナは慌てて俺を引き止める。
「待ってくださいジュリアン。あなた今から休もうとしてたんじゃなくて?」
 そうだったか? まぁいいや。俺は足を扉に向けたまま、後ろからついてくるセラーナに向かって言った。
「時間が惜しくなったのさ。リフテン辺りに着く頃には夜が明けてるだろう。その時間を見計らって休めばいいだけさ、行くぞセラーナ」
 何故闇の中移動しなければならないのか分かっているくせに、と内心ごちる。察したのか、セラーナは黙ってついてきた。
 扉を開け、砦を出る。夜半過ぎて冷えた風が体に沁みる。夜明けまであと数時間。
 歩き出す──その先にどんな結末が待ち受けていようと、俺は俺が決めた道を進む。それだけだ。

拍手[0回]

07.25.01:04

夏コミ新刊出せます!!(既に確定

取り急ぎ。
夏コミ新刊が出せる目処がほぼ100%、たちました。
なんとかSkyrimの薄い本を出せそうです。
今回は別ジャンルの新刊もあるので相当難産でしたが、無事に本文脱稿し(ついさっきw)これで二冊出せる目処が立った、と。
とはいえタイトルがまだ未定(^^;
なんとか考えておかねば・・う~~~む。

最近マトモにスカイリムってませんw
一週間に一度プレイできればいいほうかな?w
とりあえず近況を~みたいな感じでSSを加工も何もせず載せておきますw
どばきんさん(=ジュリアンさん)とセラーナたんに新しい防具MODを入れてニヨニヨしながら歩き回ってた時の一枚w
セラーナたんの露出度がUPしすぎてこれは目の毒になりそうですw



あとは創作の方ですが、
夏コミ原稿脱稿したらちょろっと小説も書いてみたいなぁ、とか思ってたりしてますね。
思えば去年二作書いたきりでその後創作小説を書いてないw
なのでちょっとミステリ(推理小説)もどきな話を書いてみたいと思ってたり。

まあコミケが終わらなきゃ何も始まりませんがw

コミケまであと20日弱。
ものすごい短い時間ですが、最後まで気を抜かず新刊作成頑張ります!!

ではまた^^

拍手[0回]

07.08.00:14

原稿? スカイリムほったらかしてやってるさ精一杯!!(涙


 どもー。ご無沙汰中のご無沙汰してまっする。
 今日は七夕でしたね、もうこれを書いてるときは七夕終わってますが(汗
 七夕とか関係なく必死こいて原稿描いてるのでもう土曜日曜は引きこもり確定です(涙

 コミケが近いせいか知らんですが、最近ブログでは二次創作関連で飛んでくる方が多く、こりゃまじめに原稿やらんといかんなと引き締めてかかってますが・・まぁ相変わらずの遅筆+トーンワークでこの一枚完成させるのも5時間かかったかな?
 前に載せたムアイクさんのはとりあえず終わってますが、サンプルとしてこういうの描いてますよ、というにはやっぱり一枚で終わるネタのがいいかと思って、先ほど完成したばっかりの漫画一枚のっけておきます。
 このネタはスカイリムを始めてすぐに思いついたネタで、一年以上温めてようやく描くことができたネタです^^;
 まぁ相変わらず画力がヘボいせいでドラゴンがドラゴンぽくないし、オチはつまらないかもだし色々申し訳ないのですが…
 感想とか聞かせてもらえたら涙流して喜びます(笑)
 ちなみに言っておきますが、これはまだ夏コミに出す前の原稿です。
 売り物にはなるもの以前に、無断転載厳禁です。
 No reproduction or republication without written permission.

 え? 誰もお前のヘボ絵なぞ転載する奴なんかいない?
 まぁそれもそうですね^^;
 
 スカイリムの原稿は大変ですが描いてるのは楽しいです。
 あと1ヶ月ちょいとなったコミックマーケット84で必ず出しますので、
 是非遊びにきてやってくださいね^^

 ではまた次の日記で^^

拍手[0回]