忍者ブログ

SkyrimとFallout4・76の二次創作メインブログです。 たまにMODの紹介も。
03 2024/04 1 2 3 4 5 67 8 9 10 11 12 1314 15 16 17 18 19 2021 22 23 24 25 26 2728 29 30 05

04.25.10:37

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

  • 04/25/10:37

08.17.01:32

pray

 ども。
 原稿が終わって束の間の休息というよりSkyrim三昧(とまではいかないが……)な今日この頃です。
 今回は久々にプレイ日記を兼ねた小説を書いてみました。
 次回書こうかなーとかぼんやり考えてる小説二次創作のたたき台みたいなもんですが(?)
 ちょうど今の時期がアレだったので、アレを取り入れた感じで書いてみましたが・・まあ相変わらずのもんなのでざざっと流し読みしていただけたら幸いです。


──戦争か。
 己の欲望の実現、もしくはほんの些細な諍いから始まるもの。
 つまり、相手が居なければ起こりうるはずのないもの──
 ちっぽけなプライドや欲、利益を得るため、人は衝突をし、どちらかが勝ち、どちらかが負ける。
 そんなものを数多く見てきた──いや、見なければ生きられなかった。
 俺の居場所は戦場のみ、雇われた相手を守り、相手を勝利に導くだけの駒──それが、傭兵。
 それが俺の職業。言い方を変えれば人殺しと然程変わらない。
 好きでその職についたんじゃないかって? ふざけたことを言うんじゃない。人間、生きるためには食い扶持が必要だ。
 その食い扶持が俺には傭兵として渡り歩く手段だった、それだけだよ。
 根無し草、冒険者、風渡り──如何様にも言い方はある。
 でもどれも行き着く場所は皆同じなのだ──人殺し。と。

「地味な町ですのね、これでスカイリムにある地方都市の一つですの? ホワイトランやウインドヘルムとは大違いですわね」
 ファルクリースに到着するやいなや、俺の背後からついてきていたセラーナは不服そうにふん、と鼻を鳴らして一人ごちた。
 彼女の独白──勿論独白ではない、俺に向かって言ったんだろう──を耳ざとく聞きつけたのか、門の脇に突っ立っていた衛兵がこちらに顔を向けた。フルフェイスで覆われている故に表情は判別できないが、その内側ではこちらを睨むような視線を投げつけていてもおかしくない。
「領土の半分以上が森で覆われてるからな、きっとここまで開拓するのに時間がかかったんだよ」
 とっさのフォローでそう言いのけると、衛兵は領土を貶されている訳ではないと判断したのか何も言ってこようとはしなかった。慌ててその場を離れる。
「……ったく、危なかったぜ。……セラーナ、地味だと思ってもそういうことを口に出すべきじゃねぇぜ、
 今はそれでさえ戦争中だ、衛兵もぴりぴりしてやがる。変に燃料投下して火傷を負うべきじゃない。黙ってる方が得策だ、いいな?」
 門を離れ、宿屋「デッドマンズ・ドリンク」前まで着いてから、俺は小声でセラーナにそう伝えた。セラーナはなおも不服なのか、眉間にやや皺を寄せ、
「本当のことを口に出したまでですわ。心に思ったことを言ってはいけないなんて法律がスカイリムにはあるんですの?」
 そうじゃない、と伝える。しかし衛兵がよからぬ事と判断するような事を口にするべきではない、いつ誰が俺達にコナをかけてくるか──それが何を脅かすか、分かっているからこそ用心しろと言っているのだ。
「吸血鬼のお姫様には分からないかもしれないが、今のスカイリムは内戦でごった返しているんだ……帝国かストームクロークか、二分に別れ領土争いに発展している。
 衛兵の機嫌を損ねれば何らかの嫌がらせをされないとも限らない。余計ないざこざに巻き込まれないようにするのが得策なんだ。セラーナだって嫌だろう? ──女なんて特に」
 最後の一言だけは感情を抑えることが出来ず、吐き捨てるように言ってしまった。しかしその言い方が功を奏したのか、彼女は肩をすくめ、小さくうなずいてみせた。
 分かってくれたらいい。俺はセラーナの母さん──ヴァレリカに、君を守ると約束した。その約束を反故にするような事だけは招きたくない。絶対に。
「その事は分かりましたわ。けど……ここの……ファルクリースに何か用があるんですの?」
 少しどもりながらセラーナは言った。しまった、その事を言うのをすっかり忘れていた。
「すぐ終わるよ──この裏手に行ったところに用がある」
 そう言って俺は歩き出した。

 町の中心部をぶった切るようにして伸びる街道からわき道に逸れ、なだらかな坂を下るとすぐその場所は見えてきた。
 小さな小屋の向かいにある、少し開けた野原に地面から突き出すように幾重にも整然と並べられてある──白く薄い石版の数々。
 見れば誰にだって分かる。ここは墓場──死んだ者達が眠る場所なのだと。
「また……増えてるな……」
 随分こない間に死者が出たのか、墓石がいくつか増えていた。初めてファルクリースに来た時でさえ多いと思っていたのに……更に増えているとは。
「誰か身内でもこの場所に眠っているんですの?」
 セラーナが遠慮がちに小声で俺に話しかけてきた。その言い方がおかしくて俺は思わず吹き出し、笑いだしてしまう。しんみりしていると思ったのか? まさか。
 笑われるとは予想もつかなかったのか、俺に対してセラーナは気が狂ったのかとでも思うように嫌悪感を滲ませた視線を投げかけてくるので、
「ははっ……悪い悪い、そうじゃない。前に話したよな? 俺は天涯孤独だと。だからここに身内なんか眠ってやしないよ」
「それは知ってますわ。では何故ここに来たんですの? 理由もなく墓場に来る用事が貴方にはあると?」
 両手を広げて諌めるようなポーズを取っても、セラーナは納得がいかないようで食って掛かる勢いで言葉を返してくる。俺はすっと笑うのを止めて、視線を彼女から墓場に移した。
「──身内は居ないが、ここは過去の大戦で亡くなった者、今も続いてる内戦で命を落とした者、病や事故で命を散らした者達の墓場だ。
 知ってのとおり、俺は両親が居ない。父親は戦場で死に、母親はどこの誰かも分からない。俺も親父と同じ傭兵の道を辿って今こうしている訳だ、俺もまた──親父同様、死んでも墓はないだろう。
 いつ死んだのかとか分からないから命日も知らない。けど養父が教えてくれたのは今の時期だった。だから俺は今の時期を親父の命日と勝手に思い込んで……でも墓はないだろ? だからこうして、誰でもいい、亡くなった誰かを偲んで手を合わせても親父にそれが通じるかもしれない、って勝手に決めて勝手にこうして来てるって訳さ。下らないだろう?」
 自虐めいた言い方になってしまったが、セラーナは俺の真意を汲み取ったようだった。無理もない……彼女も数ヶ月前、父親を──俺が、殺したのだから。
 そうせざるを得なかった、しかしそれで良かったのか──未だ疑問に思う時がある。セラーナは頭では分かってても心でそれを理解するのには時間が短かったのではないかと。
 結果的に俺は彼女の父親、ハルコンを殺した──やはり俺は人殺しなのだ、と頭を抱えた夜も少なくない。気丈に振舞うセラーナを見て何度心が締め付けられたか。
 傭兵という職業を、いや、ドーンガードとしての役割を、これほど呪った事はなかった。何故俺なんだ、何故俺が殺さなければならなかった。
 結果的には世界は救われた。しかし、彼女の心一つ俺は救い出せては居なかった。
 ヴァレリカを迎えにソウル・ケルンに出向き、顛末を話した時、彼女は言ってくれた、「ありがとう」と。それが何に対してのありがとうなのか──俺は未だにわかっていない。
 だから、と俺は思う。
 俺は自分の父親を殺され、守ると誓ったセラーナの肉親を殺した。自分がされた事全部、セラーナにも味あわせてしまったのだ──それが大義だったとしても。
 探している父親の仇と同じなんだ、俺は──
「……なら、私もここで貴方同様、祈りを捧げていきますわ」
 突然セラーナから出た言葉に、えっと言い返す間もなく、セラーナは墓場の一角で膝を折り、祈りを捧げ始めたではないか。
 今度はこちらが予想外の行動に目を丸くする番だった。「どうして……」と言葉が口から漏れてしまう。
「私も貴方と同じだと思いましたから。もう父親と言いたくもありませんけど……それでもハルコンは父親であることは間違いありませんわ。
 けど、彼がやった行為は許されない。死んで当然だと私は思っている。
 ──ですが」
 ふいに口をつぐむと、唖然とした状態で突っ立ったままの俺に顔を向けてから、
「ずっと私の父を殺したことを悔やんでいるのではなくて? ──だったらその考えは捨てた方が賢明ですわ。私は後悔しておりませんもの。
 殺されて然るべきだったし、貴方が倒してくれた事は間違ってませんもの。自業自得なのです」
 思っていることをずばずばと指摘され、ばつが悪いったらない。苦笑いを浮かべてしまうが、内心はありがたかった。 
「……ありがとよ」
 照れくさくてまともに顔を向けて言うことが出来ず、ぼそぼそと呟く程度でしか言えなかった。伝わったかは分からないが、セラーナは何かを付け足すように「ああ、それと」と言ってから、
「不謹慎かもしれないし、そんな時を今から考えたくはないですけど──貴方の墓なら、私が作って差し上げますわ。ヴォルキハル城の中庭に設置して、毎日祈りを捧げますから」
 ……何だって? 
 再度目を丸くする俺をセラーナは見て──口元を歪ませ、くすっと笑みを浮かべた。その表情ですぐ、冗談を言ったのだと察する。
 憮然とした表情を浮かべて俺は言った。
「セラーナ、俺からしたら笑えない冗談だぜ?」
「ごめんなさい。さっきのとこれでおあいこですわ」
 つられてこちらも笑うしかなかった。全くとんだ女を守ると誓ったもんだ。
 

 しばしの笑いの後、セラーナは何も言わず、手を合わせて誰ともしらない墓前に祈りを捧げていた。
 俺も彼女の隣に立ち、立ち膝をついた状態で俺は手を合わせる。この墓の下に埋まっている者と、俺の父親と、そして──ハルコンに。

“彼女は必ず俺が守っていく。父さん、そして──ハルコン、ソブンガルデから見ていてくれよ”


吸血鬼って死んだらどこにいくんでしょうね。ソブンガルデはないでしょうが、オブリビオンにでも行くのかな?w
ぐだぐだな話ですいません;;ではまた次の話で。

拍手[0回]

PR
URL
FONT COLOR
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
PASS

TRACK BACK

トラックバックURLはこちら