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SkyrimとFallout4・76の二次創作メインブログです。 たまにMODの紹介も。
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09.15.13:03

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  • 09/15/13:03

06.10.12:22

What the fuck?!

※スカイリム二次創作小説チャプター03です。
その手のものが苦手な方はブラウザバックでお戻りください。
・これは第三章です。最初から読みたい方は前作「オープニング・ムーブ(第一手)」からお読みくださいませ。


「大人しく投降するなら攻撃はしない。しかし刃向うようなら容赦しないぞ。たとえホワイトランの従士だとしても今回の行為は目に余る。命が惜しいなら両手を上げろ」
 俺の目前に突っ立っている衛兵がこちらに刃を向けたまま言った。分厚い鋼鉄で出来た兜をかぶった衛兵は一様にして同じ姿をしているため、兜の中では衛兵がどのような表情をしているかまでは汲み取ることが出来ない。恐怖で強張った顔をしているのか、はたまた人を小馬鹿にしたような嘲笑を浮かべているのか。
「……ちょっと待てって言ってるだろう? 俺は今までウインターホールドで大学関連の仕事を引き受けてやってたんだ、その間ホワイトランには戻ってないし、何なら大学に問い合わせたっていい。俺が居たと証明してくれるだろう」
 やっと言い返せた。
 周りの視線に気圧されてるばかりでは本当に俺が罪人に仕立て上げられちまう。冤罪はお断りだ。
 しかし俺の言い分なんて聞く耳持たず、といった様子で衛兵はこう言った。
「はん、大学の奴らなんて信用おけるものか。お前がたとえ大学にいたとしても、大学の連中から話を聞く奴なぞ居る訳ないだろうが」
 しまった、と思わず舌打ちをする。
 何故ならノルドは魔法が嫌いだから──魔法そのものを毛嫌いしてる傾向がノルドには強いのだ。だからノルド出で大学に在籍している者は数少なく、居たとしても大体は家族から反対されても大学にやってきた、という者達ばかりだ。
 第4紀の122年に起きた大崩壊でウインターホールドの町の殆どが壊滅した。突如ウインターホールド一体の大地が崩れ落ち、海の底に沈んでしまったのだ。
 町は殆どが無くなったのにも関わらず、大学はほぼ無傷だった……それはたまたま偶然だったのかもしれない。しかしそれがウインターホールド市民や、スカイリムのノルドには気に食わなかった。
 大崩壊は大学の連中が引き起こしたと根拠も無くに決めつけ、ノルドの魔法嫌いが一層加速した──だから大学とウインターホールドには未だに軋轢があり、お互いが干渉し合うことは無い。
 そしてそんな事実はスカイリムに住むノルドにとっても同様であった。ウインターホールドに住んでないハーフィンガル、リーチ、ハイヤルマーチ、イーストマーチ、リフト、ファルクリース、そしてホワイトラン地方に住むノルドに大学の話をすれば皆一様に顔をしかめ、大学の連中は信用なら無い、と同じ返事をするに決まっている。
 しかし当の大学はそのような態度にも眉を顰めたりせず、寛大といえば寛大な態度を取っているのだが──それだけ互いを認めようとしない溝が深いのだろう。
 だから衛兵が言ったことは至極当然の態度であって、そしてそれが俺を更に不利な立場にする要因の一つになってしまっていた。
 思わず言い返す言葉を失う。どう言おうと聞く耳を持ってもらえそうにない。
 ならば──
「……“数人の男を引き連れて”、とさっき言ったよな?」
 反論をしてこない俺の言い方に納得したのかと勘違いしたのか、俺の目前に突っ立っている衛兵はふん、と鼻を鳴らした。彼しか喋らない辺り、衛兵長なのだろうか。
「ああそうさ。後々その連中の素性と居場所も吐いてもらうからな」
「その男達は何人だった? 身なりはどういう格好だった?」
 間髪入れずに問いかける。衛兵は一瞬面食らったようだったがすぐに気を取り直し、
「……お前入れて三人だった、だから連れていた男は二人だ。……格好だと? あまりいい格好じゃあなかったな。擦り切れた鎧や傷がついた衣服などを身に着けてた。あれじゃ山賊や盗賊と間違えられてもおかしくない姿だった」
 山賊……確かに。山賊は皆擦り切れたり刀傷のついた鎧などを身につけている。その理由は勿論、殺した相手から奪ったものだからだ。
 ならば山賊が俺に扮して襲ってきたのだろうか? しかしどうやって? 俺の顔に似た奴でも居るのだろうか? 
 仮にその考えを100歩譲ったとしよう、俺に似た奴がこの世界に居たとして──そいつが山賊だという確率は? そうとう低くなると言わざるを得ない。
 しかし衛兵のこの態度。見間違い程度だったらこうまで言及し捕らえようとする筈はない。……だとしたら……
「もう一つ聞いていいか?」
 諦めたのかとますます勘違いしたのか、衛兵は促すように首肯した。
「本当に俺だったのか? その二人以外に居た奴ってのは?」
 俺の質問に何を今更、といったように呆れた態度をとった衛兵だったが、そうだと言わんばかりに何度も首を縦に振って見せた。
「間違いない。市民も目撃している。お前に間違いない」
「髪型も髪の色も瞳の色も顔つきも肌の色も身長も体躯も声も、全て俺だったというのか?」
 根掘り葉掘り聞いてくる俺の態度にかちんときたのか、次の瞬間握っている剣を鼻先に突きつけ、
「いい加減にしろ。お前に相違ないと言ってるだろう。市民の殆どがお前の姿を見ているのだ、我々と市民が証人になってやる。分かったら両手を上げろ!」
 激昂した様子でまくしたててくる衛兵だったが、俺を脅すには若干覇気が足りない。しかし俺を囲む衛兵も同じように両手を上げろと言い放ってきた。
 両手を上げて投降した様子を出せば一斉に飛び掛って押さえつけられてしまうだろう。そうなったら一気に冷たい牢獄にぶち込まれちまう。
 自分で犯した罪でもないのに牢獄で獄中生活なんて御免だ。だとしたら今俺が取るべき行動は──一つしかない。
「……分かった。手を上げるから剣を少し引いてくれ」
 顔辺りまで両手を上げるポーズを取る。その態度に囲んでいた衛兵は少しだけ剣を引いた。──今だ!
 両手を上げつつ俺は片手に力を込め、心の中で“力ある言葉”を唱えた。詠唱に反応して手がぼんやり光り出す。
 力を解き放つまで俺は片手を握り締め、衛兵に悟られないようにし──
「このくらいでいいか?」
 両腕をいっぱい伸ばしたところで、握り締めていた手を開き……呪文を解き放った。
 手から発せられた光が地面に落ちた直後──かっとまばゆい閃光が辺り一面を白く塗りつぶす。不意打ち同然だった衛兵はその光に抵抗する術も無く視界を奪われ、痛みに呻く声が周囲から響いた。
 相当光るように呪文を唱えておいたせいで、衛兵の後ろでこちらを見ていた市民にもその影響は出ていた。その場に居た全員が目を手や腕で覆い、俺の姿を見つけようとする行為さえままならないといった様子だ。
 今しかない。俺はその場から走った。とりあえず一旦どこかで身を潜めなければ。ホワイトランを出てもよかったのだが、いかんせん情報が少なすぎた。このままホワイトランを出たら俺は二度とここに立ち寄ることは出来なくなる──そんな気がしたのだ。
 そのまま一直線に走り出店が立ち並ぶ広場まで出る。ここまでくるとさすがに俺が放った閃光の影響は無いものの、町を歩く人の姿が無いことからここらで商売したり買い物をする市民の殆どは俺を遠巻きから見ていた者達だったのだろう。
 建物内に逃げ込めば逃げ場が無くなる。衛兵が俺を追ってくる可能性も高い。広場を外れ、一階建ての建物がひしめく庶民の家が立ち並ぶ一角でとりあえず身を屈め、辺りに気を配りながら身を隠した。
 何でこんな目に俺が遭わなくちゃならないんだ? 本当だったら今頃ブリーズ・ホームでハチミツ酒を飲みつつ晩酌をしていたのに──
 などと思っていると慌てた様子の衛兵が数人広場のほうに走っていく姿が見えた。俺がホワイトランを出たとは思ってないらしい。まあ正門の大扉を開けた音とか聞こえなかったからかもだが。
「居たか?」「いや、しかし町から出てないはずだ、探せ!」
 明らかに俺を探している様子で声を掛け合っている。虱潰しに探されたら間違いなく見つかってしまうだろう──しかし既に陽は沈み、辺りは徐々にだが闇に包まれている。隠密だけは得意なため、夜になればこちらの勝ちだ。見つかる筈は無い──と思った矢先。
「きゃああっ!」
 背後から甲高い声、悲鳴──まさか、と振り向くと片手を口に当てて驚いた様子の──
「……イソルダ」
 ノルドにしては珍しく髪を短くショートカットに切り整え、あちこち継ぎ接ぎがあたったワンピースを着たホワイトラン市民の一人、イソルダが俺の姿を見て驚愕の表情を浮かべたまま突っ立っていた。細身の体に似合わない大きな手籠を持っているあたり、買い物帰りか途中なのか。
 思わず悲鳴を上げた口を隠そうとしたみたいだが、指の間からはわなわなと唇が震えているのが見て取れる。また悲鳴を上げるかもしれない。そうなったら俺の居場所がばれてしまう。
 しばらくお互いの間に妙な緊張感が漂った──後。
 耐えられなくなったのか、イソルダが口を開き、
「きゃ……!」
「待て待て! 叫ぶんじゃない!!」
 悲鳴を上げようとしたものの、身を屈め隠密行動をしていた状態を解いた俺が飛び上がってその口を手で塞いだため、悲鳴は辺りに響かずに済んだ。最初の悲鳴は衛兵や他の市民には聞き届かなかったようで誰もこちらに向かってくる気配がない。
 手で口を押さえつけ、肩を力を入れすぎないようにやんわりと掴んで近くにあった家の壁に身を潜める。壁に身を寄せておけば闇と同化して見つかりにくい。……しかしイソルダは体を振り切って逃げようとする。
「俺の話を聞いてくれ、イソルダ。俺は衛兵や市民が言ったような事なんかしちゃいない。だから悲鳴を上げるのはやめてくれないか。誤解なんだ」
 小声で諭すように話しかけたものの彼女は聞く耳を持つどころか、先程と変わらず必死で俺の掴んでいる肩を振り切って逃げようとする姿勢を崩さなかった。思わず肩を掴む手に力が入ってしまう。
 痛い、と手で押さえたままのイソルダの口から声が漏れる。その声に掴んでいた手の力を緩めようとした時だった。
 形振り構わずといった様子で押さえていた俺の手の指を、イソルダが思いっきり噛んできたのだ。
「てっ……!」
 激痛が走り集中が切れた途端、彼女は俺の束縛から脱出していた。不安と恐怖を綯い交ぜにした瞳でこちらを見据え、
「よくも……よくもそんな事が言えるわね。沢山物を奪ったり沢山人を傷つけたり! 私や他の人だって見たわ、あんたが襲ってきたって! 皆を!!」
「だからそれは俺じゃない……」
 とりあえず落ち着いてくれと、内心はらはらしながら言うものの彼女には全く伝わってない。俺から逃れようとじりじりと後ずさりしながら、
「それは俺じゃない、ですって?! 今だって私を襲おうとしたんでしょ!! 暗がりに私を引きずり込んでこないだしたみたく、無理やり……」
 言った彼女の言葉に、俺は今日二度目のしまった、に気がついた。──確か衛兵が俺の罪状を言った時………。
 そして今の状況。闇、隠密、建物の裏、口を押さえて肩を掴み、拘束してくると思われてもおかしくない行動。
 誤解されても仕方がない事を俺はしでかしてしまったのか? 頭の中でぐるぐると考えがめぐる。その隙を突いてイソルダは声を高らかに叫んでいた。
「衛兵! こっちよ!!」
 三度目のしまった、だ。──今度は声を聞きつけたらしく、背後から人が数人走ってくる音が聞こえてくる。
 ここはひとまず逃げなければ。聴力を総動員し足音が近づいてこない方角を定め、俺は走り出した。その間数秒。
 背後でイソルダが何か叫ぶ声が聞こえたが、今こそ俺は彼女の話を聞いている暇はなかった。捕まればドラゴンズリーチのダンジョンに放り込まれるのは確実。やってもない事で牢屋にぶちこまれるのは御免だ。
 ホワイトランを出るしかない。仕方がないが今ここに居るのは危険だ。とりあえず別の領土に入って追っ手を撒いてから、対策を練るしかないようだった。
 正門には恐らく衛兵がうじゃうじゃ待ち構えているだろう。──なら城壁を飛び越えるしかない。
 城壁の高さが若干低い場所を選び、よじ登って外側に降り立つ。既に辺りは闇に塗りつぶされ、双子の月が新月のためか辺りを照らしていないのも助かって、誰にも気づかれないまま俺はホワイトランから脱出するのに成功した。
 辺りに衛兵が徘徊している姿も見受けられるが、それらは全て松明を持っているため分かりやすく、その光の届く範囲から外れれば安心だ。
 灯りを避けてホワイトランの馬屋まで辿り着く。先程繋いだ時と変わらず馬はそこで身を休めていた。俺が近づいてきたのに反応してどうしたのか、と目をこちらに向けてくる。
「すまない。今日は休んでられる暇がないんだ……逃げなきゃならない。お前の足が頼みの綱だ」
 馬は何も言わず──勿論喋れる筈はないのだが──分かったといった様子で鼻を鳴らした。
 
 闇に包まれた静かな夜を、切り裂くように一頭の馬が逃げるように街道の彼方へと去っていく。
 再びこの地に足を着くことが出来るのか──そして自分の名と姿を騙った者は誰なのか。
 数々の疑問を残したまま。


ちみっと長かったかなーw
感想その他いつでも大歓迎です(読んでくれてる人がいるかどうか謎だが・・

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06.08.22:19

遠き旅路



 ご無沙汰してます。
 ついさっきまで小説執筆をしに近くのコーヒーショップでノートPCを開いてぱちぱち文章打ってましたw
 小説は大体プロットをメモに書きとめてそれをベースに打ってるので、時と場合と運と体調によりますが、乗る時はめちゃくちゃ乗りますw
 逆に乗らない場合はちっとも乗らない。
 絵もまた然りです。

 今日の写真はドラゴンブリッジの近くにある山の山頂から撮ってみましたw
 いいPCをかったにも関わらず、視野を広くしてない(広くするとCTDしたりするので・・)のでグラはアレですが。

 中の人はまだメインを進めてません。
 未だアルドゥインの壁で途中放棄したまま。カーススパイアーに行く前で止まってます。
 今月末にX箱でDLCが、その一ヵ月後にPCとPS3版が出るというのにもかかわらずw
 メインクエ終了前提とかだったらどうしよう・・・w
 
 

 メインは放置というのがスカイリムやTESでの常識ですが、
 俺はメインもサブもまだまだやってないのが多いですw
 クエストライン終わったのは同胞団と盗賊ギルドと魔術師大学くらい。
 まだ内戦はどっちにもついてないし、闇の一党もやってない。
 未発見エリアもまだある(ファルクリースにはまだ到着すらしてない)
 ロケーションもまだまだ未到達が多い。
 にもかかわらず、総プレイ時間はそろそろ500時間。
 何をやってたらそんなに時間かかるんだ状態ですw

 大半はMODでクエやったりダンジョンこもったりしてるんですけどね・・
 MODのクエは喜んでやるけど、通常あるクエは手を出さないとかアレですがw

 多分このゲームが終わってしまわないようにしているんでしょうねぇ。
 自分でもそうなんだろうなと思います。
 敢えて未発見のままにしたり、クエ放置したり。
 ひとえに終わらせたくないからでしょうねぇ(笑)

 オープンワールドゲームはいくつかやってきましたけど、
 スカイリムほどハマったのは初です。
 まあRDRも面白かったけど、スカイリムのせいで未だにエンディング迎えてないし、
 セイクリッド2も面白かったけど、キャラが濃すぎてついていけなくなったし(爆死

 まあハマらなきゃ小説なんて書きませんね^^;
 まだまだスカイリムで続けられそうです。

 とりあえずDLC・・俺はヴァンパイアハンター側につくんだろうなぁ・・
 ヴァンパイアになってみたいけどw

 というイミフな日記でした。

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06.03.11:05

ちょっと待て!!

※スカイリム二次創作小説チャプター02です。
その手のものが苦手な方はブラウザバックでお戻りください。
・これは第二章です。最初から読みたい方は前作「オープニング・ムーブ(第一手)」からお読みくださいませ。



 スカイリムのおよそ中心部にある都市、ホワイトラン。
 交易の中心都市であり、行商人はここを拠点としてスカイリムの各都市──ソリチュード、ウインドヘルム、ウィンターホールド、モーサル、マルカルス、リフテン、ファルクリース──へ向かう。
 タムリエルの中心部からやって来る者達は大体ここに辿り着いてから各都市に向かうため、ホワイトランは他の都市と比べると行商人は勿論、旅人や傭兵の出入りも多く活気づいている。
 ──しかし、お気づきだろうか。ホワイトランの街中を歩いている者がノルドやインペリアル、時折珍しくレッドガードやエルフなどの人間に近い姿の者しか居ないことに?
 ホワイトランの住人はノルドが大多数を占めている。そしてノルドは他種族──主にカジート、アルゴニアンなど獣人種族──を極端に嫌う。本来ならエルフとてその中の一つに入るのだろうが白金協定によって帝国がアルドメリ自治領に下ったため、エルフに対して大きな口は叩けなくなった。
 その為ホワイトラン城下町でカジートやアルゴニアンの姿は一切見ない。旅人がいたとしても城門に突っ立っている衛兵にで咎められ、引き返させられるのがオチだ。行商人の格好をしたカジートや旅人姿のアルゴニアンが城門前の衛兵に食って掛かっていた姿を見かけるのは日常茶飯事だったが、どんなに食い下がっても彼らは中に入れてもらうことは出来なかった。
 しかしそんなことがあってもカジート達は諦めなかった。彼らは門の中に入れてもらう事を諦め、城門から少し外れた街道沿いにテントを張って商売をするようになった。……だがホワイトランに住むノルドは全く相手にしなかった。カジートやアルゴニアンは毒──麻薬と似たような幻覚作用と興奮状態に陥らせてくれるムーン・シュガーやスクゥーマの事だ──を売る連中だの、盗人だのという先入観をかたくなに信じきっていたせいだ。
 全く相手にされない彼らだったが、ある男だけは違った。ノルドなのにもかかわらず彼らと他愛ない世間話をし、商品を買ったり色々と手助けしてくれるその姿は、カジートの行商人にとっても意外だったのだろう、彼らは次第にその男に心を開いていくようになった。一部の者は彼と行動を共にしてもいいといいと言わせた程。
 その男はホワイトランの従士なせいもあって、彼らの間ではちょっとした有名人だった。変わった奴だと言い訝しむ者も居たが、大半の行商人カジート達は彼に友好的だった。
 ただ彼らは知らない。その男が何故カジートやアルゴニアンに対して友好的な立場で居られるのか。
 そう、彼は人種という垣根を越えて、ヒトとして生きる者の味方という立場にいるからだ……竜の血を持ちながらも、ヒトを守る者──ドヴァーキンとして。

 馬を止め、小高い丘の向こうに見慣れたドラゴンズリーチの尖塔部分が姿を現した。夕暮れが近いため若干赤く染まっている。何とか夜になる前に着きそうだ。
「一ヶ月ぶりのホワイトランだな。随分ご無沙汰してたもんだぜ」
 片手は手綱を握ったまま、もう片方の手でひさしを作るようにして遠くを眺めるポーズを取る。しばらくぶりに見るドラゴンズリーチの姿だった。先端部分しか見えてないが城下町も至って変化はないだろう。
 別件で俺はホワイトランから程遠いウィンターホールドまで出向き、そこにある魔術師大学で依頼を受けていた。気がつけばあっという間に一ヶ月が経っていた。ホワイトランの従士という立場上、あまり長くホワイトランを離れるのは立場的に見てもよくない。
 依頼はまだまだ途絶える事はなさそうだったため、一区切りをつけて俺はホワイトランに帰ることにした。
 一ヶ月以上最北端に近い場所に居たためか、ホワイトラン地方までやってくるとその温度差にほっとする。毎日雪が降り続けるウィンターホールド地方と比べ、ここホワイトラン地方の気温も降雪量もウィンターホールドのそれと比べたら雲泥の差だ。それでもモロウィンドと比べたらかなり低いのだが。
 さて、今日は久しぶりに自分の家に帰れそうだ。リディアが居るだろうから何かちょっと豪華な晩御飯でも作ってもらえたら有難いのだが。……というかリディアに飯を作ってもらったことなんてあっただろうか? 剣の腕はまぁまぁと言ったところだが、料理の腕となると検証した覚えが無い……食べれるものを作れるのだろうか彼女は?
 などとどうでもいい事を考えつつ、俺は鐙に掛けた足でとん、と馬の横腹を蹴った。それに反応して馬がゆっくり並足で歩き始める。夕暮れは釣瓶落とし。ぐずぐずしてたらあっという間に闇に塗りつぶされてしまう。
 更に馬の横腹を蹴り、やや早く走らせる。街道を一気に駆けていくと、やがてホワイトラン城下町まで見える距離まで近づいてきた。橋を渡り、更に街道を走らせていくとホワイトランの馬屋が見えてくる。そこに馬を預ける厩舎があるのだ。
 馬屋の看板が見えてきたところで走らせていた馬を並足までに速度を落とす。そのままゆっくりと歩かせて厩舎に入り、馬から降りて繋ぐ。
「お疲れさん、ゆっくり休んでろよ」
 馬のたてがみをゆっくり撫でて疲れをねぎらってから、俺は厩舎を出た。
 まさかそれから数時間もたたないうちに再びここに戻ってくるなど、誰が予想できただろう?

 城壁の間にある舗装された道をぐるりと回り込むようにして歩いていくとやがて正門が見えてくる。ホワイトランは城壁で囲まれた城塞都市なため、この壁を越えて城下町に潜入するといった行為は無理に等しい。城壁周辺には物見櫓が立てられ、衛兵が常駐しているし近くには監視塔がいくつも設けられている。見回りをする衛兵の姿も多い。城壁を越えて不法侵入する方がばかげている。
 城門が見えてきた。いつもとなんら変わらない……と思った矢先、おや、と俺の心の中で何かが違和感を訴えた。
 いつも居るであろう衛兵の姿がない。
 巨大な木製の門の前には必ずといっていいほど衛兵が両脇に突っ立っているのにも関わらず、突っ立ってる場所には誰の姿もなかった。これじゃ誰でも入って大丈夫ですよといってるようなもんではないか。
 妙だな……心の中がざわつく。
 しかし何が妙なのか分からない。もしかしたらただ単に見張りの交替の時間帯でたまたま姿が見えないだけかもしれない。そう自分で納得させようとしても何故か心にひっかかる。今までこんな事がなかったから?
 俺が居ない間に何かあったのだろうか……山賊の襲撃があったのか? それともドラゴンが襲ってきたりでも? 嫌な考えばかりが頭をよぎる。
 しかし……辺りは特に襲撃にあったような様子はない。血溜まりが地面にある訳でもないし、城壁が崩れ落ちている様子もない。前に見たホワイトランとなんら変わりは無い。景色だけは……ただ在るべき所に在るべき人がいないだけで。
 気にしないほうがいい……そう思い込む事にしよう。俺はホワイトランの正門である木製の大扉に手をかけ、開けようとした。が……
 胸騒ぎがする。この先──この先は城下町じゃないか──に何かよくないものが潜んでる。長年傭兵として、冒険者として培ってきた勘が、この扉の先に自分に害を与えるものがあると察知している。
 扉の取っ手に手をかけたものの、引くことを躊躇ってしまう。だが俺は──その先に何があるのか確かめたく、次の瞬間には扉を開けていた。
 大丈夫だ。大丈夫だ。何も問題はない。この町が襲われたりする筈なんてない。
 その考えは間違っていなかった。唯一つ間違っている点──襲われた相手が山賊ではなかった──を除いて。

 扉を開け、ホワイトラン城下町に入った直後。
 周辺の空気が一瞬にして変わったのを俺は見逃さなかった。
「…………?」
 門の前に待機しているであろう衛兵の姿はやはりなく。
 辺りを歩く市民の姿はちらほら見かける……が、その彼らの視線が全て、扉を開けて入ってきた俺に注がれていた。
 しかしその視線はいつも俺を見かけた時に向けてくれる友好的なそれとは違い、敵に向ける視線……驚愕、敵対心、猜疑心をむき出しにしているのだ。
 あまりの変貌に思わず俺は腰にさしてある剣の位置を確かめてしまう。……何なんだ? この異様な雰囲気は? 
 その時、遠巻きで俺を見ていた市民の間を掻き分けて衛兵が数人、こちらに向かって走ってきた。俺の目前に止まるやいなや、こちらに向けて指をびしっ、と指し、
「ジュリアン、だな?」
 威圧的な言い方で俺の名前を呼び捨てる。何だその態度は? 俺は一応ホワイトランの従士だぞ?
「……そうだけど。一体どうしたんだ? 衛兵の姿はないし町の人まで俺を変な目で見──」
 言い終わる前に衛兵はさっと俺を囲み、淀みなく腰にさした剣を抜いてこちらに切っ先を向けた。
「お前はホワイトランとその市民を恐怖に陥れた。罪を償ってもらおう」
 ──は? 
 頭の中で今衛兵が言った言葉を反芻させてみる。けれど……全くもって意味が分からない。
 罪? 償う? 俺は今までウインターホールドに居たんだぞ?
「ちょっと待てよ。何のことだかさっぱり──」
 反論しようと手を上げた時、衛兵の一人がこちらが攻撃してくると勘違いしたのか手にした剣で突いてきた。切っ先は俺の左手を掠め、直後に傷口から鮮血が溢れ出す。
「刃向ったら次は命をもらうぞ!」
 刃向うも何もこちらは剣すら抜いてないじゃないか。
「俺が一体何をやったと言ってるんだ? 罪状を言え!」
 手を一方的に切られるわ、一方的に罪を償え言われるわ、俺の言い分くらい聞け!
 すると衛兵は何を馬鹿な事を、というような嘲る態度を見せてきた。ますますもって腹が立つ。睨みつけてやると、囲んでいる衛兵の一人がとんでもない事を口にした。
「はぁ? お前自分がしでかした事を忘れた、などといわないだろうな? お前は数人の男を引き連れて器物損壊、窃盗、横領、強奪、強姦。市民に対してありとあらゆる残虐行為を行った。逮捕しない訳ないだろうが? 従士という身分にしてもその罪は重く、首長バルグルーフもお前を罪人として捕らえよと命じておられる。大人しく我々に捕まり罪を償うことだ。刑期を終えるまでな」
 ……何だって?

 闇が帳となって世界を覆いつくす前。
 俺を囲む衛兵。遠巻きでこちらを見つめる市民。
 辺りから発せられる異様な敵対心に気圧され、俺は何も言えずにその場に立ち尽くしていた──。

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06.01.22:45

コミケ当落とハチミツ酒をのんでみたの図


 ども。
 ハチミツ酒を通販で買って早速飲んでみましたw
 甘いブランデーのような感じで、とても甘い。だけどおいしい。
 飲み過ぎないように気をつけなければですね><;


 さて、先日ブログに書いたコミケ当落ですが、
 残念ながら夏は落ちました。去年も落ちたし今年も落ちたし、最近落ちまくりです・・・w
 そろそろ同人なんてやめろというお達しでもあるのだろうかw
 なのでスカイリムの小説は勿論、
 夏コミ受かったら描きたかったスカイリムの漫画も描けたらいいなぁ。
 描いたら多分TINAMIあたりに乗せておくつもりです。
 その時はまたここで報告すると思います。

 落ちたのは残念ですが、もう慣れっこです。コミケ参加して12年を過ぎてるし、それでも毎年落ちるくらいのヘタレな奴だしw
 まあ、色々自分の中でも変わりつつあるのですが、
 スカイリムだけはどうしても描(書)いてみたい。
 そんな話が沢山ある。
X箱での新しいDLCのプロモも見たけど、まだまだスカイリムは終わりそうに無い。自分の中でも。
 恐らく冬は新刊がスカイリムになるでしょう(マテ
 シャイフォも描きたいけど、12年待ってスカイリムに出会って衝撃を受けて原稿が描きたいと思うようになって。
 恐らくそれは勝てそうにない。
 だから描いてみます。ただまぁ、俺に外人ちっくな彫りの深い顔を描けというのはキビシーですが(汗

 とりあえずは書きかけの小説を上げます。
 それからです。
 こんな細々活動するしか場のないしがない奴ですが、どうぞよろしくです。

 しかしやっぱり受かりたかったなー(汗

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05.29.21:26

ハチミツ酒が飲んでみたいw

2012-05-20_00001.jpg









ご無沙汰してます。もうじき6月。
6月1日、自分にとって夏の動向が決まる合否発表があります。そう、夏コミ……コミックマーケット82の合否発表ですな。
一応同人作家の端くれとしてほそぼーそ活動してる自分にとって合否は修羅場か自由を得られるけど残念な気持ちに浸るかのどちらかですw
受かっても落ちても多分ここで発表はすると思いますw
小説は何とか書いていきたい所存。

スカイリムのパッケを買って5ヶ月過ぎました。
5ヶ月間、ほぼ99%スカイリムしかプレイしてませんw 時々PS3を弄ったりはしてますが。
思えば去年9月、TGSで某アメリカ製ゲームを見て感動して衝動買いしたPS3。
今現在はトルネ用としか使ってないのが申し訳ないくらい^^;
スカイリムはPS3でも出来ますけど、コンシューマゲームでやるつもりなんて全く視野に入れてなかったので、
PS3は多分今後もずっと遊べそうにない・・
まだやりかけのRDRをクリアしたいけど、スカイリムが楽しくて当分無理だな。

小説のほう若干遅くて申し訳ない;;
来週くらいになっちゃうかもしれませんがご容赦ください><
コミケ受かってもなんとか描いていきますので頑張りまするるる。

自分一応絵描きメインでしたが、
小説は今の同人ジャンル(シャイニングフォース)に入ってから書くようになりますた。
十年以上付き合っている友人が小説書きの専門学校に入ってたんで、その人に色々教えてもらったり添削してもらったりして、
現在のかたちが出来てる感じです。今現在は添削はしてもらってないんですけど(スカイリム知らない品・・

そんな頃から小説書くのには音楽(その場に合ったイメージの曲)が無いとだめで、
音楽には相当うるさいです。スカイリムのサントラも勿論米国から取り寄せて買いました。
そうじゃないとスカイリムの小説なんてかけそうになかったから……w
あとはMIDI音源とかですね。
今の人はMP3系統が出張ったせいもあって、多分MIDIって何? て人もいるでしょうけどw
WAVEとMIDIは窓98初代PCアーサーを使ってたPCでの音源がとても秀逸で、
今の窓7で同じ音源を出そうとしても不可能です。ぜんぜん音が反映されてないという。。w
MIDIはそれにデータ容量も少ないため、ネットから落とすのも楽でしたし。
俺は当時某カードゲーム(知ってる人もいるかな? カードワースというゲームです・・ちなみに今現在もPCを変えつつデータ移動してプレイ中)をやってた頃、いい曲を見つけてはとっておいてCDに焼いたりポータブルプレイヤーに入れたりしてました。
今でもその音源は大事に使ってます。小説書く場合とかに(笑

変な話になっちまいましたw
だから前の小説のあとがきに音楽がどうたら、と書いたわけですw
スカイリムのサントラはゲーム開始直後にこれは買いだな、と思ったからこそ購入した訳だしw
実際買ってよかったです。欲しい人はペイパル経由で買ったほうがオススメですよ^^
ただ一ヶ月~二ヶ月近く待ちますが・・w

今回はスカイリムと全くカンケーない話をしてしまったwすいませんw
ちなみにタイトルのハチミツ酒~の下り、
今日購入してみましたw 通販なんで届くのは来週になるけど、今から楽しみ~~
 

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