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SkyrimとFallout4・76の二次創作メインブログです。 たまにMODの紹介も。
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04.30.09:59

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  • 04/30/09:59

08.29.21:48

Dear...

※Fallout4パパマク小説です。
これは前回完結したシリーズの後日談です。最初から読みたい場合はこの前の前の前の前の前の記事「Where is My Wished」からお読みください。
※年齢制限の要素があります。苦手な方、書いた人(速水)に私怨がある方、腐要素が嫌いな方はブラウザバック推奨です。そのため一旦ブラウザ閲覧を区切っております※


拍手[2回]




「最高だったかな」
 
 そう言ってこちらに笑みを浮かべる、一人の男。
 それまで漂っていた雰囲気が変わる。……ああ、その一言を俺は待ってたんだ。
 ……俺はネイトにゆっくりと身を委ねた。

 話は二週間ほど前に遡る──
 俺とネイトは新しい居住地となるべく場所を見つけた。
 ……はいいが、そこはかつてレイダーが根城にしていたのか、連中が居住地のあちこちを荒らしまくったようで、廃墟となった建物は点々と残っているものの、室内は引っ掻き回された痕がこれでもかとばかりに残されていた。滅茶苦茶に壊された家具や調度品は勿論のこと、何をやったか想像もしたくないほどに、夥しい血痕が床にこびりついたままのキッチンやリビング。
 彼らは一通りそこら辺を荒らした後、この場所を去ったのか自滅したのか何なのか──俺たちがここにやって来た時には人気もなく、静まり返っていた。
 が──レイダーが散々掻きまわしたせいもあって、人の気配を失った場所の次に巣食うモノとしてやってきたのは、かつてヒトと共存しながらヒトに忌み嫌われつつ生存していた者達だった──即ち、“虫”である。
 その虫──大半がブラッドバグやブロートフライだ──が自分たちの根城とばかりに羽音を立てて飛び回り、屋内には血の匂いを嗅ぎつけてきたのか、ラッドローチが耳障りな鳴き声を上げながら歩く姿を見た途端、ネイトは顔をしかめながら手にしたライフルを構え、黙って相手に鉛玉をぶち込んだ。慈悲もなければこちらに是非を問う事もさせず、徹底して害虫を駆除する姿はかっこよかったが、彼の表情に一抹の恐怖がにじみ出ているのに俺は気づいてしまった。……苦手なのかな? と。
 そそくさと駆除をし終え、占拠されていた居住地を取り返して最初にやった作業は、ネイトによって見たくもない体液をぶちまけながら絶命している虫の死骸を燃やすことだった。あちこちに点在している死骸を拾っては一か所に集め、あらかた集めてから火をつけて死骸を燃やす。饐えたようななんともいえない匂いが煙となって一帯に漂い始める。
「この匂いにつられてまた虫が沸かないといいな」
 話しかけてみたものの、ネイトは黙ったまま死骸を拾っては火の中へ投じる作業に没頭していた。……やっぱり虫が苦手らしい。見かけによらず態度に出るのが分かりやすいな。内心そう思いながら指の先で摘まむようにして羽虫の死骸をつまんでは火中に放り投げつつ、片付けが終わると次に取り掛かったのは主を失って二世紀程は経っているであろう、遺棄された建物の修繕作業。それからサンクチュアリから持ってきた、手押しの井戸水汲み上げポンプの設置や、居住者を集めるビーコンを取り付ける作業などをしてその日は終わった。

 そんなこんなで、新しい居住地に着いてからほぼ数日、俺はネイトと居住地新設の作業に携わっていた。ほぼ毎日くたくたになるまで慣れない仕事をしていたため、変な雰囲気になるなんて想像する間もなく、日が出れば働き、陰れば粗末なベッドに横になる日々が一週間ほど続いた。
 折角思いが通じたのに、なんて思う暇すら取れない。……けど、俺はこの状況を予想に反して楽しんでいた。この数日の間で、今まで普通に旅をしていた時以上に知らなかったネイトの本当の姿が垣間見える事が度々あったのも影響しているだろう。
 ネイトが虫が苦手だってのは先に述べた通りだし、サンクチュアリで滞在する時や、プレストンなど他の人間と話す時にこりともさせなかった表情が、一転して変化したのだ。やたら俺に話しかけてくるし、そして、よく笑う。
 最初はその変化についていけず、おっかなびっくりしてはネイトがくすくすと笑うのが珍妙にすら見えたものだが、それが本来の彼の姿なんじゃないかと思えるようになってきた。今まで見ていた彼は、所謂体裁を保つ態度のそれであって、本来のネイトはもっとすごく人間くさくて、俺と何ら変わらない一人の男だという事に。
 プレストンとかがやたらネイトを英雄視していたのもあって、彼は実際のところ超人みたいな奴なんだとばかり思っていた。何度も旅に同行していたのにも関わらず。……でもそれは決して俺や周りを騙していたとかではないだろう。何事にも動じず、冷静に対処していたのは自分を頼ってくる居住者やプレストンのような弱者に示しがつかなくなるのを危惧しての事かもしれない。
 居住者を集めるビーコンを聞きつけて人がちらほらとやってくるまでの間、ネイトはそんな素の姿を俺に見せてくれた。……正直に言うさ。嬉しかったよ。他の誰も知らない、巷では救世主だの英雄だの言われている奴は虫が苦手だなんて、よく今まで生きてこれたな、と思うと同時に誰でも弱点はあるんだなって知れた事が。

 しかしそんな楽しい日々は長く続かず、居住地が集落としてコミュニティを形成していくにつれ、所詮傭兵稼業でしか生きてこなかった俺はほとんどやる事がなくなってしまい、せいぜい警備にあてがわれた住人に銃の扱い方や指導などをして時間を潰す有様。半面、ネイトは殆ど俺と一緒にはおらず、いつもどこかで誰かに呼ばれてたり、相談を受けたりと大忙しだ。
 ──ほんの少し、ここに俺とネイトしか居なかった頃が楽しかったなと思うようになってくる。いつの間にか彼の態度はサンクチュアリで見ているのと同じ雰囲気を漂わせており、二人きりでいた時に見せた素のそれではなくなっていた。
 彼が解放されるのはいつになるのやら、と思いながらぼうっと、それとはなしにネイトを見ている。暇を持て余すようになると余計な考え事がぽんぽんと浮かんできた。
 今まで考える暇すらなかった事。……即ち、思いが通じ合ったのに何もしていない、という事に。
「何もしてなくたっていいじゃないか。少なくとも、悶々と一人で独白を紙に書いていたあの頃とは違うんだから」
 と、言い聞かせるように内心呟いてみるが、頭は理解しても心が納得しなかった。実際あの夜に一つになってから、特にこれといった進展はないのだ。……とはいえ、進展があった所で俺が何かできるのか、とそこも不安に思えてくる。
 初めての……あの夜は思い返すだけで頭がおかしくなりそうだった。今まで努めて、思い出さないようにしていた事も、こうも暇になるとそんな考えが浮かんでしまうのを止めることは不可能に近い。
 俺は大丈夫だっただろうか、うまく対処できただろうか、ネイトは気持ちよかっただろうか……などと間抜けとも真面目とも取れてしまう、初めての出来事を後から思い返しては隠れてしまいたくなるくらい恥ずかしい気持ちでいっぱいになった。真昼間から何を考えているんだ、俺は。そんなに欲求不満なのかとくそ真面目に自分に問いかけてしまう。
 そんな、一人で頭を抱えて悶々としていると、歩いていた居住者の一人が自分の姿を見てか、大丈夫か具合が悪いのかと声をかけてきた。何でこんな時に……と舌打ちしつつ、表情を気取られまいと顔を俯かせ、
「……気にしなくていい」
 と言うのが精一杯で、声をかけてきた相手は俺の返答に怪訝そうにこちらを見つつ、黙って立ち去ってくれた。
 女性のようだった。顔を見られてはいないだろうか。顔に手を触れなくても、赤面しているのが嫌でもわかる。恥ずかしさと変な妄想をしていたせいで、体までも暑く感じてきた。
 水でも飲んで落ち着こう、立ち上がってそう決めてから手押しポンプの方に向かうしな、ふと視線を感じて顔を向けると、遠巻きからじっとネイトがこちらを見ていた。ずっと俺を見ていたかのような感じだった。……さっきまで誰かと話をしていたのに、いつから俺を見ていたのだろう? 
 じっと俺を見るその視線は、心の中をかき乱されるようなもので、すぐ近くで見つめられているかのようにどきどきした。が……直前まで考えていたことを思い出し、慌てて俺は顔を見られないようにしながら逃げるようにして走り出す。
 ……ついこないだまでは楽しかったのに、意識し始めると委縮してしまうのは何故だろう?

 それから数時間経ったのち。──夜を少し過ぎた頃。
 味もしない、夕餉と言うには粗末なものを食べ、シャワーもなければ風呂なんてものもないため、冷たい井戸水にぼろ布を浸して身体全体を丁寧に拭き取ってから、寝ようかと思った矢先、
「マクレディ、いいか?」
 一言断ってから、俺のベッドがある個室──といっても屋根も壁も穴だらけの個室とは言い難い建物の一室だ──にネイトが入ってきた。あれから接触を避けていたせいでどうもこう……どう接したらいいものか。
「な、何か用か?」つまらない質問をするものだと我ながら呆れる。用があるから入ってきたんじゃないのか。
 うん、とネイトは一言言ってから、「……資材が足りなくなってきているから、補給しに行かなくちゃならなくてな。とりあえずダイヤモンドシティの方面に向かうつもりだ。あそこら辺はまだ手付かずの廃屋や店舗があるだろうし」
 いつもの事だったので、二つ返事で了承する。明日から数日間はまた、ネイトと連邦を彷徨う事になる訳だ。居住地での生活は安穏としているが、たまにやって来るレイダーやスーパー・ミュータントの襲撃があるから、ある程度の緊張感はあるものの、それでも常に危険と隣り合わせの連邦を歩き回るよりは遥かに楽だった。
 けど俺は傭兵で、そんな安穏たる日々に身を投じるつもりはない。仕事があれば出向いて、銃を構え、敵を屠る。それが俺の役目だ。
「そういう事なら了解だ。じゃ、明日に備えて早く寝ないとな」
 そう言っておけば話を終わらせてくれると思っていた。が──俺の願い空しく、ネイトは一歩、俺に近づいて、
「……なぁ、マクレディ。他に何か言いたい事があるんじゃないか?」
 言いながら、口元は微かに笑みを浮かべていた。もう一歩、こちらに近づきしな、自然と手を伸ばして俺の腰にそれを回す。こちらが抵抗する間もなくぐい、と引き寄せられ、彼の身体と自分のそれが密着する形になった。
「お、おい……俺は言いたい事なんて、何も──」
「昼間、なんであんなに顔を真っ赤にしていたのか、聞かせてくれないかな?」
 悪戯っぽく、からかうような口調で俺の耳元に囁く。鼓動はすでに張り裂けんばかりに鳴り響いている。
 やっぱり、ネイトは見ていた……でも、何を思っていたかなんて言うのは憚られた。恥ずかしいし、そんな事をすらすらと口から出せるような性格じゃないのが災いしていた。
 こちらが何も言えず黙っていると、ネイトはそうか、とぼそりと呟いたのち、腰に回していた手を俺の顎へあてがい、僅かに持ち上げるとすぐに自分の唇にネイトのそれを重ねてきた。
 荒々しいキスだった。いや、荒々しいというより、ものすごく飢えているかのようにも感じる。抵抗できずに舌を入れられて、自分のそれと咥内で絡み合わせてくる。くちゅ、くちゅといやらしい水音が口の中で立ち、それが耳に伝わってくる度に身体の一部が熱を帯びるように熱くなってくる。
 ……暫くして、ネイトがようやく口を離した。はぁ、はぁ、と息を弾ませている。紅潮した頬が僅かに滲んだ汗でてらてらと光り、それが妙に色っぽく感じた。
「こうしたかったんだろ?」
「……ち、違う」
 思わずそう反論した。身構える余裕なくいきなりキスをさせられたせいで、頭がまだぼうっとしている。口元を手で拭うと、互いに交わした唾液がべったりとくっついてきて、先ほどまでの激しい行為を思い出してしまい、次第に顔が火照ってくるのを感じた。目を閉じていたせいで分からなかったが、傍から見たらどんな激しい行為をしていたのだろう。
「そうなのか? それは残念だな。……俺はしたかったよ。ここ二週間あまり、マクレディとずっとこんな時間が取れなかったし」
 素直に、何も隠そうともせず、ネイトはあっさりとそう言った。じっとこちらを見て、にやりと笑みを浮かべ、
「……やっと居住者の寝床も全員分確保できた事だし、皆ベッドで寝静まってる。今なら誰にも邪魔されないしな」
 目はじっとこちらを見据えていた。その瞳の中に燃える情欲のようなものが垣間見えた気がする。それって、つまり……
「おい……ネイト、俺と“寝る”とでも言いたいのか?」
 直接的な言い方を避け、間接的に言ってみたが、ネイトはそんな俺の気遣いを他所に平然と頷いて見せた。
「当たり前だろう? ……というかてっきり、マクレディがしたくてあんな顔をしているんだとばかり、俺は思っていたけどな?」
 あれはどう見ても俺を誘っている顔だった──ネイトは後にそう言ったが、実際のところはその逆だったのは言わずもがな。
 しかしネイトの考えとは裏腹に、俺は思わず彼の腕から離れ、距離を取った。ぽかんとネイトが呆けた表情を浮かべている。
「馬鹿じゃないのか……俺がそんな事、あんたに言う訳ないだろ」
 突然激昂する俺を他所に、ネイトはどうしたんだ、と声をかけてくる。怒鳴り声を上げると周りで寝ている居住者が目を覚ましてしまいかねない。ネイトもそれが分かっているからこそ、俺を抱き寄せて、囁くように声を出していた。今になってそれにようやく気が付いた。
「落ち着け、マクレディ。嫌なら嫌だって言ってくれていいんだし、俺は無理やり襲うなんて事はしないから──」
 違う。ちゃんと言わなければ。話が間違った方向に向かってしまう。これでは彼を傷つけてしまう。俺は頭を横に振って見せた。こうなってしまった以上、正直に明かすしかないようだった。
「……率直に言ってほしい。……ネイトは、その……最初の夜の時、どうだった?」
 顔から火が出そうな事を口にしていた。当の本人はというと、えっ、と短く声を発したのち、少し考える仕草を見せつつ、
「最初の夜って……グッドネイバーでの、か?」
 黙って首を縦に振る。恥ずかしくてまともに彼の顔を見ることさえ辛くなってきた。
 ネイトは笑いながら、照れくさそうに──こう言った。
「どうだったって……一言いえば、最高だったかな」

 一瞬何を言ってるんだ、という反論が頭をよぎったが、口からは出なかった。
 代わりに、
「……本気で言ってるのか?」
「率直に答えろ、って言ってきたのはおまえの方だろ。……マクレディは嫌だったのか?」
 昼間に悶々と考えていた事が途端に馬鹿らしくなってきて、俺はベッドサイドによろよろと腰かけた。ネイトも立っているのが辛くなったようで、俺の隣に座ってくる。ベッドの幅は広くないので、ネイトの身体が自然と近くなった。
「……気持ちよくなかったのなら、謝る。俺も初めてだったからさ、自分と同じ男を……抱いたのは」
「……そうじゃないんだ」
 照れ隠ししたり、逃げるのはもうやめよう。
「俺だって同じだ。……最高だったと思っているよ。
 でも、俺も初めてだったから、ネイトが満足してなかったらって、そんな馬鹿げた事を考えるようになっちまって、一人で悶々としてたんだ。そんな姿を見て、あんたは勘違いしただけに過ぎないんだ。……恥ずかしいよな、こんな妄想一人でしてたんだから」
 横に座る彼の方に顔を向けると、穏やかな笑顔をこちらに向けていた。……この人から離れたくない。そう強く願う。数多の人々が彼を求める中、彼が求めたのは俺だけだった。それが嬉しくて。だからこそ、離れたくない。……離したくない。
「……お互い、初めてだったんだよな。なら、話し合ってこれから少しずつ改善していけばいいさ。時間はたっぷりあるし、これからもずっと、末永く付き合っていくものなら尚更、な」
 しばし、互いに見つめあっていた。やがてゆっくりと距離をつめ、再び唇を重ね合う。
 荒々しかった最初のそれより穏やかだったが、俺はネイトに押されるようにしてベッドに横たえられた。それでも彼の唇は離れず、俺の身体に覆いかぶさってくる。最早野暮な言葉をかける必要はなかった。
 片手で身を支えつつ、慣れた手つきでもう片方の手を使い、彼は俺のダスターコートのボタン、ベルトのホックをゆっくりと外してから、身体の中心で熱を帯びた部分にそっと手を当てた。
「……っ」
 思わず口から息が漏れる。ネイトはふふ、と笑いながら唇を離し、一部不自然に盛り上がっている場所をゆっくりと優しく揉んでくる。快感が脊髄を通して脳幹まで行き渡り、か細い喘ぎ声が口から出てくるのを止められない。
「……あまり声を出すと周りに丸聞こえだぞ」
 からかうような声。分かってて言ってるのは百も承知だった。
「なら、その手をどけてくれないか……そうすれば声を出さなくて済む」
「手をどければいいんだな? いいぞ……でも、手は我慢できても、俺自身は我慢できそうにないけどな?」
 言いながら手をどけて見せたが、ネイトは身体を密着させるようにして俺の上にのしかかってきた。そのまま彼は手で揉んできた場所をぐりぐりと押しつけるようにして、自分と俺のものが布越しに擦れあうように腰を上下に動かした。あぁ、と声が更に漏れ出る。
「大きな声出ても……んっ……いい……のか……?」
「構わない。……もう我慢の限界だ。焦らせ過ぎなんだよ、マクレディ」
 焦らすつもりはなかったのだが、おいの体の一部はすでに目に見えて怒張するように屹立し、衣服を持ち上げてその身を開放したくてうずうずしているかにも見える。ネイトは一旦、身を起こしてから立ち上がって、自らのジャンプスーツのジッパーを降ろし、上半身を一気にあらわにして張り詰めた下腹部にずり下すようにして衣服を脱いだ。重力に反し直角に突き立つそれが、雄々しくてぴんと張り詰めており、見ているだけで恍惚としてくる。
 次にネイトはベッドに横たわったままの、俺のスラックスに手をかけ、やや強引に脱がせてきた。……最初の時もそうだったけど、やっぱり恥ずかしい。全裸になった彼は俺に再び覆いかぶさってくると強引にダスターコートやアンダーシャツを脱がせ、互いに一糸まとわぬ姿になった。
 それから互いに熱い身体を貪るように重ねあった。周りの事なんて頭の中から吹っ飛んでいた。目の前にいるネイトが全てだった。
 ゆっくりとネイトが自分の中に入ってくる。痛みと同時に快感が全身を貫いて、あぁ、と何度も声を上げた。俺の上ではネイトがのしかかって汗を流しながら、苦しいような、気持ちいいような、複雑な表情を浮かべて腰を振っている。はっ、はっ、と息を弾ませながら、
「……気持ちいいか?」
 確認するように聞いてきた。正直なところ、結合部分から感じる痛みと快楽は半々だったが、それでもネイトと一つになれている事が嬉しかった。
「ああ、ああ、……気持ちいいよ、ネイト……」
 その言葉に安心したのか、俺もだよ、と彼は短くそう言い、何度も腰を打ち付けてくる。自分と彼を繋ぐそれが、何度も出入りを繰り返し自分の体内と擦れる度に快感がさざ波のように押し寄せ、とめどなく口から喘ぎ声が漏れ出る。互いの体液と汗が何度も交わり合いながら、僅かな声と息づかいだけが、静かな夜を少しだけかき乱していた。
 絶頂を迎える瞬間、ネイトが口を抑えるようにして重ねてきた。低いうなり声を上げながら、俺は奥深くから溢れ出てくるものを止めることなど出来ず、勢いよく射精した。身体を痙攣させ、何度も何度もオーガズムを感じていた。
 ……やがて絶頂が過ぎると、ネイトが俺の出した白濁の液体を意を介さず口に含んでいた。くたくたに果てた体を慌てて起こし、
「な、何してるんだよ、そんなの口に入れるなよ……汚いだろ」
 たしなめても、ネイトは指ですくった、白く粘ついた液体とも液状とも呼べるものを舌を使って何度も舐めた。……ぞくぞくする。何でこんなにもいやらしく、けど魅力的に見えてしまうのだろう。どうしようもないくらい、俺がネイトに惚れているのは間違いなさそうだった。
「汚くはなんかないさ。おまえの身体から出たものだろ? ……気持ちよくなってくれたのが分かるから、嬉しいな」
 馬鹿野郎、と言いたくなるのを必死でこらえながら、けどやっぱり恥ずかしくなって、俺はネイトの頭を軽く叩いた。もうずっと顔が熱いせいで、照れているのか赤面してるのかすらわからない。わからないのが逆に心地よかった。
 ──もちろん、次にネイトが絶頂を迎えた際、出たモノを俺が口に含んだのは言うまでもない。
 
 翌日。
 予定通り、ネイトと俺は一旦、居住地を離れた。気を付けて、と呼び掛けてくる居住者達は全員いつもと変わらない様子。……とりあえず、昨日俺とネイトがやっていた事は誰にも気づかれてないらしい。ひとまずほっとした。
「俺は気づかれても別に気にしないけどな」
 平然ととんでもないことを口にしてくるネイト。どうしてそこまで堂々としていられるのか。図太いというべきか、はたまた単細胞なだけなのか。
「あっそう。……気づかれてたら俺もうあの居住地には行けないな、ネイト一人で戻ってくれよ。一旦別れて──」
 言い終わる前に、ネイトは俺の身体をぐい、と自らの方に向け、有無を言わさずキスをしてきた。そこから先は言わせまい、って事か。……だからと言って、唐突に唇を重ねてくるのはやめてもらいたい。跳ね上がるように鼓動が高鳴り始め、心臓に悪い。
「ずっと一緒に居ろ」
 彼はは言葉に出してきた。俺を離したくない、一緒に居たい、と。
 はじめてネイトが、俺を好きだと言った時のように、俺もちゃんと言葉に出せる時は出していかなきゃな。……俺も同じだから。
「離れないよ。元よりそのつもりだ」
 まっすぐ相手を見据えて言うと、ネイトは目をぱちくりとさせ、みるみる頬を赤らめた。……ああ、そうか。ネイトは素直に俺が言うと顔を赤面させて、喜ぶんだな。
 今回の旅で気づいた点はいくつもあった。そして恐らく、これからもお互いに互いの知らなかった部分を少しずつ見せていくのだろう。そんな中で言い争いもするだろうし、喧嘩だってするかもしれない。
 でも確実に言いきれる事が一つだけある。それは俺も、そして彼も、変わらず一緒にいるだろう、ということ。
 彼は俺の返答に照れながらも笑顔を見せ、肩にぽんと手を乗せてからとんでもない事を口にした。
「ありがとう。……愛してるよ、ロバート」
 ぞわわっ、と虫が走るような衝撃を受け、反射的に彼の顔を手で軽く小突いてしまう。痛い痛い、と言いながらネイトは逃げるように走っていく。
 ああ、畜生。名前と、その言葉をセットで言うのは卑怯だ。……どうしようもないこの荒れた世界が、違って見えてくるじゃないか。
 待てよ、と声を上げて俺は走り出す。高い日差しがさんさんと、俺とネイトの行く先を祝福するかのように、冬を知らない大地となった連邦を今日も変わらず照らしていた。




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 こりゃ酷い。ひどすぎる。
 文章を書いていると中の人は度々暴走するのだが、今回はひどすぎた。
 中の人は滅多にこういう事を書かないし描かないのだが、とうとう禁を破ってしまったらしい。


 実際のところ、6月あたりに書いていた中編の後日談は考えていたのだが、まさかここまで暴走するとは予想だにしていなかった。大体BL要素を押し出すなんて考えてもいなかったため、である。
 けど少しは頭の中でそういうのも書けたらいいな的な事は思っていた。思っていたがここまでするとは言ってなかったし思ってなかったぞ・・
 同人誌として作る漫画はちゃんとネームを作っているから、基本的にキャラクターが変に動くことはしないのだが、文章はざっくりと進行を考えるだけなので、そういう所で暴走しやすいというのが中の人の悪い癖だったりする。これは創作をしていないと理解し難い事だ。

 とりあえず、これで本当に中編SSの話は終了です。間違っても多分この先の話は作らないと思いますww 完結しちゃってるしね。

 恥ずかしいのでこういうのは同人誌には出しません。絵で描けないし俺はそこまで画力が高いわけでもないし、中の人のサークルはギャグメインなので、今回は例外中の例外です。多分二度とやらんと思うので、ご了承を。ラブコメなパパマクは描いていくと思いますが。

今回書くにあたってのBGM

Dear...(タイトルと一緒すね)
Kazamit Multimedia Factory(風見鳥氏)
http://www.kazamit.com/

見渡せば深く
FREEDOM HOUSE 2nd(氷石 彩亜氏)
http://fhouse.s17.xrea.com/

どちらもMIDI音源なので窓10のサウンドフォントではあまりいい音質が出ないかもです。聞いてみたい方は専用の再生ソフト(XMPlayなど)を使って聴いてみてね。

それでは長くなりましたがこの辺で。
ああそうそう、スイヌカが開催決定したのでとりあえず9月のお試しと(こちらは新刊ないです;;)12月の本開催に向けて原稿がんばりまぁす。
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