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スカイリムの攻略とかあまり役に立たない日々のプレイ日記をだらだらかいていくつもりです。

雪と氷とドラゴンと。

   

Trick or...

『そうよ、争い事を辞めたいのなら、お菓子を配ればいいんだわ。大人って鈍いのねえ、そうすれば戦争なんてすぐになくなるのに』
                    ──不思議の国のアリス アリスの独白より



 こつっ、と、足に何かが触れた音がして、セラーナは足を止めた。
 見ると足元に石が転がっている。──ただの石ならセラーナとて別段気にもしなかったのだが、思わずそれを目に留めた所で声をかけられたのだった。
「……ああ、ごめんなさい。削ったのがあなたの足に当たってしまったみたいね」
 声がした方向に今度は顔を向けると、華奢な体つきをした女性が、その華奢な体に似合わないモノを持って彼女を見ていた。
 セラーナが足を止めたことに気づき、前を歩いていた俺はふと歩くのを止めて背後を振り向く。セラーナは何と答えたらいいのか考えあぐねている様子で突っ立っていたので、助け舟を出した。
「どうかしたのか、セラーナ?」
 俺の声に反応して、セラーナがこちらを向くと同時に彼女に声をかけてきた女性もまた俺の方を見たので、何とはなしに俺はそちらを視線で追ってしまう。
 見る限り普通の一般人のようだった。華奢な体つきにやや身なりのいいこざっぱりとした衣装を着ている辺り、この橋の上に建てられたディバイドではそこそこ身分のいい人間なのかもしれない。……が、その女の手に握られているものは少々9違和感を感じさせる。
 その女性はダガーを握り締め、足元にはごつごつした石がいくつか転がっていた。少々大きめのそれはやや平べったく切り取られ、そこに何か傷をつけたようにいくつか線が表面に傷となって残っている。右手に持つダガーでこれに何かを彫っていた様子だったが、やはり不慣れなせいか手には痣がいくつか出来てしまっているようだ。
「ああ、お連れ様? ごめんなさい、私が削った破片が当たってしまったみたいでこっちを見たものだから」
 女性は気さくに話しかけてきたが、目には隈が出来ているのが見て取れる。日差しの下にいるせいではあるまい。
「……いえ、構いませんでしてよ。痛くもありませんわ」
 セラーナがそう言うと、女性はそれならよかった、と言って再びダガーで石を削ろうとしたため、
「失礼、何をやってるのか聞いてもいいか?」
 俺が声を掛けると、女性は再びこちらを見て、遠慮がちに控えめな笑みを作ってみせた。こちらを警戒しているのだろう。
「……何をやってるのか、ですか……」
 彼女は手にしたいくつかの石のがらくた──俺からすればそう見えるのだからそう言っても差し支えあるまい──を見て、何も言わずにすたすたと歩いていってしまう。何処に行くのかと思えば、大きな家の隣にしつらえてあった、屋外用の長テーブルにがらくたを置いてきただけのようだ。やはり重かったのだろう。
 俺とセラーナはそのテーブルに近づくと、彼女は憔悴仕切った様子で腰をかけた。そのまま黙ってしまうので何か話そうかと考えた矢先、
「この家は、あなたの家なんですの?」
 珍しい事にセラーナの方から口を開いたので、おや、と俺は思う。テーブルを挟んで向かいに座った女性は、ええ、と言う風に首肯して見せた。
「女一人にこんな大きな家おかしいって思うでしょ? ……つい一年前には夫も居たわ、息子もね。──二人共、戦争で死んだのよ」
 えっ、と思わず声を漏らしてしまう。
「夫は衛兵だったわ。息子も。最初は夫が徴兵されたの。後を追うようにして息子も呼ばれて命を失った。……残ったのは私と、この無駄に大きな家だけ」
「……もしかして」今目前にある石は。
 俺の言葉に察したのか、彼女は力なく笑って「そう。ディバイドには墓地がないでしょ? 亡骸も遺品も残ってないけど、やっぱり墓は作っておきたくて、けど今こんな状況だから外に出るのも危険だというし。……こうするより他なかった、ってわけ」
 居たたまれない状況に、俺は居心地の悪さを禁じ得なかった。スカイリムも、このハイロックも何処もかしこも戦争だらけだ。無駄な争そいに身を投じさせられ、望みもしない死を迎えるなんて、やりきれない。
「先程足に当たったのは、その石を墓石代わりに削っていたんですのね」
「ええ、そう。……ぜんぜんうまくいかなくて、でも誰かに手伝ってもらいたいなんて思いはないから、ダガーで削ってたんだけど」
 テーブルに置かれてあるダガーは剣先が既に削り取られ、丸くややひしゃげていた。相当苦労して削っているのだなと見て取れる。見ると、先程立って話していたときは気づかなかったが、彼女の両手のあちこちに切り傷がいくつも作られてあるではないか。
「もしよかったら、」
 思わず俺は声を出してしまっていた。ん? とその女性がこちらを見る。
 手伝おうか、と言っても恐らく断られるだろう。手の傷から察するに、彼女は自分ひとりで成し遂げたいハズだ。それなら、俺が出来る事は。
「……墓石が出来たら、スカイリムのファルクリースに持っていこうか。この地には墓地が無いし、ディバイドはスカイリムからもほど近い。いつかこの地の戦乱が解けて、平和になったらあんたも自由に行き来する事が出来るようになるさ」
 我ながら変な申し出したもんだと思ったが、彼女は目を丸くして驚いていた。俺の提案が予想外もいいところだったのは間違いないようだった。……見ると、隣に座っているセラーナも何か言いたげにこちらを見ているので、やはり俺の言った事はおかしかったのか、と一瞬疑問に思った。
 しかし女性はありがとう、と言い、完成したら是非またここに来てくれ、と言ってくれたので、これはおかしい事じゃなかったんだなと内心胸をなでおろした。
「……じゃあ、その時また呼んでくれ。俺は『ディバイドと征服』亭を亭宿にしてるから、そこに行けば計らってくれるさ」
 そう言って、俺達はひとまず別れた。

「ジュリアンがあんな事を言ったのには驚きましたわ。墓石をファルクリースの墓地に持っていくなんて、重い石を長旅で持っていくのは大変ですわね」
「セラーナの言うのも最もだけどさ……あのまま、はいさようならでお別れするのは辛いだろ。
 スカイリムが内戦で大変だった時だって知ってるから、俺は戦争に関係ない人を戦争で亡くした人の気持ちは分かるつもりだから」
 養父を亡くした時、ホワイトランがストームクロークに襲撃された際亡くなった罪も無い一般市民。彼らの血を見てきた。見て、やりきれない思いに駆られた事なんてしょっちゅうあって。
 なんて無力なのだろう──から、無力なりに何か出来ないかを、探すようにした時、自分の中で力が目覚めた。ドヴァーキンとしての力。強大なドラゴンの魂を屠り、“食う”その力の意味を、それは人を、定命の者達を守る力なのだと。
「ジュリアンはそういう所があるから、私を飽きさせませんわね。……何度か様子を見に行って、完成するのを待つのも面白いですわ。お菓子を持って行った方がよろしくてよ」
 お菓子? なんだそりゃ。「何でお菓子を持っていく必要があるんだ? セラーナ?」
 彼女はやにわにこちらを見て、ふっと笑みを浮かべて見せた。
「人はお菓子を食べる時は、辛い事があっても、こうやって笑顔を振り向くものじゃありませんでして?」




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ハロウィンが近いのでこんな話を作ったわけではなく、ふっと思いついたネタを書いてみただけです。
因みに相変わらずまだMODの話が続いてます。すいません。
そして作中で出てきてる女性の名前、ゲーム中でもこういう人がいるんですけどこれまた名前は覚えておりません><
なので9割がた創作になります。ご容赦くださいませ。

さて、明日・・・いや日付変わったから今日か。
冬コミの当落発表になります。いやーーーー受かりたいですねええ!!
受かったら新刊のネタはもう決まってるので早速取り掛かるのですが、ノベルティなども頑張って作りますので是非是非遊びにきてやってくだされば。
まぁ受からないと話しにならないんですけど><;

 なので明日はまたブログの更新が出来るかもしれません。しなかったら落ちたんだなと思ってもいいかもしれません(汗焦

 それでは皆様、楽しいハロウィーンをお過ごし下さい。
 また明日か次回の更新日で!
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プロフィール

HN:
ジュリアン
性別:
男性
職業:
傭兵
自己紹介:
スカイリムはホワイトラン在住のドヴァキン。
現在のところ引越しする予定はなし。
中の人はヘタレですが一応同人誌作家。マイナーゲームの絵を描いてたり。
文章も多いですが一応絵の方専門。
スカイリムの絵とか描いたりフォトショでSSをレタッチしたりするのが好き。
スカイリムに影響されて2012年から英語の勉強を始め現在進行形で勉強中。
ラジオ英語を聴いているのだが、英会話教室に通いたいのに時間と金が無くて嘆いているとかいないとか。

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