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SkyrimとFallout4・76の二次創作メインブログです。 たまにMODの紹介も。
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04.27.04:56

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  • 04/27/04:56

01.17.02:05

One day,Dovahkiin

過去日記「ある日のどばきん」の続きです(笑)
 
 
 
 スカイリムの中心部に位置する都市、ホワイトラン。
 その城下町に位置する平野地区。一般市民が住める地域として、その中心には広場があり、毎日多くの人が行き交う憩いの場。
 毎日多くの人が行きかう場所というだけあって、そこかしこに立ち止まって屋台の商品を見る者、旅人風の者、露天商のような井出達の者、飛び交う威勢のいい声。常に喧騒が絶えない場所となっている。
 ひとたび路地裏に入れば、女性がたむろして井戸端会議を繰り広げていたり、みすぼらしい身なりをした者が辺り構わず道行く者にセプティム金貨をせびったりと、色んな光景が見れる。それがまた、ホワイトランの人口の多さを象徴付けてもいた。スカイリムの中でも比較的降雪量が少なく、かつ交易の盛んな都市だ。多くの人が集まるのも無理はない。
 最近そんなホワイトランで、一つのウワサが流れるようになった。
 それは浮いた話が全く一つ出たことない堅物男に、最近ある女性が一緒に居る、これはもしや脈ありかナシか? ──そのような他愛ない噂話……

「久しぶり、フルダ。最近顔見せなくて悪かったな」
 ホワイトランの中心部に位置する酒場兼宿屋、バナード・メア。
 扉を開ければいつもと変わらぬ様子に俺はほっとため息をついた。煌々と焚かれた暖炉、吟遊詩人が吟唱する姿、それに合わせて手合わせをする酔漢達──何も変わってない。
 フルダは名前を呼ばれてこちらを向きしな、突然ぱっ、と表情を変え、
「ジュリアンじゃない、久しぶりね」
 なんか気味悪い位にニコニコ笑いながら話しかけてきたので、思わず俺は常日頃の癖でおや、と訝しんでしまう。
「……あ、ああ……」
 心なしか彼女の視線は俺ではなく、俺の後方──所在無く辺りに視線を彷徨わせているセラーナ──に向けられているのが分かった。そういや何度かセラーナを連れてバナード・メアを訪れたことはあれど、セラーナを紹介したことはなかったし、フルダも彼女に対して特に興味を持った様子もなかったので気にしては居なかったのだが──なんだこの態度の変貌は?
「セラーナが、どうかしたのか?」
 こちらから水を向けてやると、フルダは俺に顔を向け、ますますニコニコした顔つき──正確に言えばにやにやの方が合ってるかもしれない──になり、とんでもないことを口に出した。
「セラーナちゃんっていうの? あなたの伴侶の名前?」
 え? 
 ……今、なんっつった? 伴……侶? 誰の? ──まさか、俺?
 豆鉄砲を食らうとこういう顔になるのだろう、突然出た言葉に俺は一瞬理解できず、口を開けて喋ろうにもぱくぱくさせるだけで言葉が出てこない。
「ジュリアン、どうしたんですの?」
 俺の様子がおかしいことに気づいたのか、セラーナが近づいてきた。なんか厄介な誤解を招きそうだったので今俺に話しかけるな、と言う前にフルダの方が声を上げた。
「セラーナさん、というのね? ジュリアンの何処が気に入ったの? 出身はどちら? いつ結婚したの?」
「だああああっ! 結婚してない! 結婚なんてしてないぞ俺は!!」
 やっと声が出せた。しかし出したタイミングがとんでもなくまずかった。
 バナード・メア中にフルダの「いつ結婚したの」という声が響き渡った後だったから、俺の声なぞ照れ隠ししているんだろう、程度にしか聞こえなかったようで、いっせいにカウンターにやってくる常連客達。まあ俺も常連客なんだけど。
「ジュリアン、結婚したのか?」
「なんてこった、結婚祝いしてやるから酒おごってくれよ」
「照れるなって、誰しも結婚するんだから」
「素晴らしい! タロスに栄光あれ!!」
 よく分からないものも含めた野次があちこちから飛び交う。だから結婚してないっての! 俺は何度か声を張り上げてそう説明するが……上手くいくはずが無いのは明白だった。
 常連客はひとしきり俺とセラーナを勝手に祝福(?)したのち、暖炉と併設に置かれてある長椅子に戻り、
「ドラゴンボーン、ばんざーい!」
 などと意味不明なことで乾杯を上げていた。酔ってる奴に説明なぞ馬の耳に念仏と同様だ。最早訂正する気すら起きない。
 しかし誤解は解かなくては。俺は事の発端を引き起こしたフルダに詰め寄った。
「フルダ、俺は結婚なんてしてない。セラーナは旅の連れだ、彼女とは……」
 何もない、とはどうしても言えず、そのまま言葉は続けられず途切れてしまう。ああ、くそっ、俺もまだまだ人間出来ていねぇ。
「あら、そうだったの? 最近よく噂になってたのよ、あんたとセラーナさんが一緒に歩いてる姿をもう何回も見てる人が多くって。だからきっとあんたの伴侶だって」
 誰がそんなデマ吹き込みやがった。ただじゃおかねぇぞ……。
「まあ、確かに……セラーナとは長いこと旅の連れとして一緒に行動しているが、お互い独身だよ。結婚はしてない」
 俺の言葉だけじゃ信用できないのか、フルダはちらり、とセラーナの方を見ると、彼女も同意だ、と言いたげにこくりと頷いてみせる。それを見て納得したのか、フルダははぁ、とため息を一つつき、
「ああ、残念ね……やっとジュリアンにも浮いた話が一つ出てきたのかと、平野地区中その話で持ちきりだったのに」
 人が居ない間に勝手に話を捏造しないでもらいたい。……しかしそこは酒場の女将と言うべきか、彼女の観察眼は俺の内心を見逃してはいなかったらしく、
「でも、ジュリアンはセラーナちゃんが好きなんでしょ?」
 どきっとした。セラーナに聞こえてやしないか思わず彼女の方を見やるも、セラーナは相変わらず気だるそうな態度で、フルダから手渡されたミードのジョッキを両手で持ってちびちび立ち飲みしているだけだった。聞こえなかったようだ……やれやれ。
「………違う
 ぼそっと小声で言ったのでフルダは聞こえないようだった。同じ言葉を繰り返し言うが、彼女はにやにや笑いながらこちらの内心を見透かすように、
「あんたはずっと一匹狼で行動してきたじゃない。それが誰かと行動を共にするなんて、しかも女性でしょ? 普通気づくわよ。よほど彼女はジュリアンの心に何かを落としていったようね。結婚するなら式に出るから呼んで頂戴ね」
 まだ言うか……。伊達に何十年と酒場を経営してきた訳じゃなさそうだ。こういう浮いた話も何度と無く聞いてきたのだろう、年の功、と言ったら怒られそうだが、フルダの言っている事はあながち間違いではなかった。確かにセラーナは俺の心に何かを落としていったさ。出会うきっかけがたまたま俺だった、としても……。
 しかしこんな事言われてばかりで、俺はセラーナにどう顔向けしたらいいんだ? 勘違いされるわ、伴侶と言われるわでとんだとばっちりだ、とでも思われていたら……。
 カウンター前で一人悶々と考えている中、こちらに近づいてくる足音が一つ、俺の背後で立ち止まると、甘ったるしい声色を使った声が耳に飛び込んできた。しかしそれは俺に対してではなく、俺の傍らに居るセラーナに。
「お嬢さん、こんな男に貴女のような人はもったいない。どうです? 私はミカエル。バナード・メアお抱えの吟遊詩人です。……貴女の為に歌を一曲歌ってもよろしいでしょうか?」
 俺には一生かかっても言えないような、歯の浮いた台詞が軽快に聞こえてきたので思わず振り向いてみると──当の
ミカエルがセラーナに対して一輪の花を目前に突き出し、口説いているポーズを取っていた。
 当人を目前にしてこんな男、だって? お前にこんな男呼ばわりされる筋合いはねぇよ。内心毒づく。苛ついた感情がつい顔に出てしまう。
 しかし口説かれている当のセラーナはミカエルの言葉なぞ目もくれず、ミードの入ったジョッキを口に運びつつ、俺をじっと見つめると、
「……どうかしたんですの? 顔が赤いですわよ」
 などと言うもんだから、フルダがははっ、と声を上げて笑った。
 思わぬ所に伏兵現る──まさにその通りだ。予想すらしてなかった反撃を食らいこちらがうろたえてしまう。貌から火が出る位、赤くなるのが自分でも分かった。
 俺はどうすりゃいいんだ! 立つ瀬がないとはこの事か!
 地団太を踏みたい気持ちを一心にこらえ、精一杯の平常心を保ち、俺はセラーナに「なんでもない」とだけ言い残して俺はバナード・メアを飛び出した。
 扉を閉め、セラーナが追ってこれないよう後ろ手でぎゅっとドアノブを掴んだまま、俺は扉にもたれかかった。喧騒から離れ一人夜風に当たっていると、火照った頬にひんやりとした空気が気持ちいい。
 今はまだ分からない。いずれ時がきたら言おう。そのときはまだ──先でいい。
 
  今夜もバナード・メアは平和である。

 翌日、衛兵に
「結婚式はいつするんだ?!」
 と言われて、つい叫んだら怯えさせてしまったのは……また別の話だ。


 なんだこの話(笑)
 しかもまあ夜中に勢いで書いてしまいました。
 昔の日記から引用を得て書いてます。なので昔の日記「ある日の~」を読むとまた違った感じが出てていいかもしれません。

 平日の真夜中に変な話を投下してすいませんw しかも雑。。。。手直しあったら明日以降ちまちま直します。勢いで書くと絶対誤字脱字が多いだろうから><w
 ではまた次のスカイリム日記で!
(1/17 14:00過ぎ 若干加筆・訂正を加えてあります)

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