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スカイリムの攻略とかあまり役に立たない日々のプレイ日記をだらだらかいていくつもりです。

雪と氷とドラゴンと。

   

Livre de noir

 ………ぱしゃ、ぱしゃと水が跳ねる音がする。……水? 水の音?
 いつの間にか気を失っていたようだ。けど気を失う前──俺は何処に居たんだっけか。……遺跡、そうだ、ミラークの聖堂の奥に居たんだ。そこで黒い装丁の本を手にして、それから──
 記憶がない。
 本を手にしたのは覚えている。開いたのも……そして再び気づいたら耳に入ってくる音は水の音。
 目を開ければ全てが分かるだろう。開けてみれば。……そう思っているのに目を開ける事が何故か躊躇われた。しかしここで倒れたままでいる訳にも──倒れてる? 何故? 本は何処にいったんだ?
 そう思ったらもう目を開けない訳にはいかなかった。えいっとばかりに瞼を開く。

 目の前に広がる光景は、勿論先程まで居た聖堂でもなければ、海や川の近くでもなかった。
 薄い、濁ったような緑色で覆われた空、太陽はなく、緑色の雲で空全体が包まれている。太陽は見えないのに、不思議とあたりは暗くなく、ぼんやりと明るかった。
 空から視線をずらして、俺が倒れている近くに目を移す。俺が倒れているのは硬い金属で出来た床の上だ。そこには奇妙なことに、無造作に落ちた紙切れが何枚も落ちていて、床が見えるのは一部分といったところだった。
 紙切れを拾って見てみると、全く読めない文字が書かれていて中身はさっぱり判読がつかないが、どうやらそれは書籍の紙が破り取られたかのようで、四方ある辺の一辺だけ、破かれた痕跡が見受けられた。
 更に身を起こして辺りを見回すと、通路の両側から先は床そのものが無く、濁ったコールタールのような海が水平線まで伸びている。水平線の先を見ると、よく見えないが海から垂直に伸びた黒い何かが蠢いていた。
 遠くを見ると、よくわからない塔のようなものが建てられてあるが、それらは奇妙なことでこぼこしていたり、傾いていたり、アーチ状になっていた。通路も一直線ではなく、いくつか分岐されているようだが、上半身だけ起き上がった状態のままではよく見ることが出来ない。
 とりあえずこの世界が何なのかを知るためにも立ち上がろうとした時、微か前方に何者かの姿がちら、と見えた気がした。異質の世界で人の姿を見るなんて事あるはずがない。警戒すべく両手に背負った剣を思わず引き抜き、
「誰だ!」
 と叫ぶ。しかし──声が響くだけで何の反応もない。しかし一体ここは何処なんだ?
 空も地面も、何もかもが異質な世界。恐らくここはオブリビオンなのだろう。だとしたらここは誰が支配する世界なのか、が問題だが……まてよ、本を読んだだけでオブリビオンの中に入れるだとしたら、それはもしや──
“察しがいいな、勇者よ”
 突然頭に飛び込んできた“声”──に思わずびくっと身を震わせ、素早く辺りに目を配るも、誰の姿も見えない。察しがいい、だって? つまりそれって、俺の推測があながち間違って無かったってことか?
「……お前、ハルメアス・モラ、だな?」
 油断なく辺りに目を配らせながら言うと、“声”はすぐさま返答を返した。
“いかにも。我の支配する世界、アポクリファへようこそ、ドヴァーキン”
 アポクリファ──聞いた事がある。ハルメアス・モラの所有するオブリビオンの世界で、そこにはありとあらゆる知識が詰まった世界だとか謳われていたな。
 ハルメアス・モラと対峙したのは一度だけあった。このデイドラの王子が所有するアーティファクト「オグマ・インフィニウム」をめぐる一連の事件で依頼人の変わりに俺が選ばれ、その本を手にした。けどその本は読めばすぐに消えてしまった……ハルメアス・モラの手に戻ってしまったのだ。
 それが最後だと思っていたにも関わらず、まさかオブリビオンにまで入り込んでしまうとは。──いや、違う。
「……あの黒い本は、あんたの本か?」
“そうだ。手にし開く事の許されたお前だけがこの世界へと続く扉を開く事が出来る。ここには過去、未来、そしてそなたの運命、辿ってきた道──全てが網羅し、書き記されておる。存分に知識欲を満たすといい”
 心なしか誇らしげに言うデイドラの王子。機嫌がいいかは分からないが、いつまでも俺との会話をするとも限らない。彼等の真意は誰にも汲み取れないのだから──
「教えてくれないか。何故俺だけに扉を開けるようにしたんだ? 何故俺をここに呼んだ?」
 問いかけに対して“声”は数秒、逡巡するかのような沈黙の後、
“わからないのか? 勇者よ、先程お前は何者かの姿を見なかったのか?”
 含みを持たせたその言い方に、得体の知れない恐怖を突きつけられたかのようにぞくり、となにかが這い上がる感覚が沸き起こった。知っている。俺はそいつを知っているのだ。俺の目前で魂を奪い、消えていったあいつを。
「──ミラーク……」
 独白とも取れる言葉に、ハルメアス・モラは肯定も否定もせず、
“ここにはありとあらゆる知識があるのだ。勿論──彼の者と互角に渡り合えるであろう『力の言葉』もな。勇者よ、お前はそれを見つける事が出来るか?”
 そう言い残して……頭に響いていた声が突如ふっ、と消えるのを感じた。
「待ってくれ、力の言葉って何だ? シャウトなのか?」
 慌てて声を掛けるものの、その問いに対して答えはいつまでも返ってはこなかった。肝心なときにさっさと姿をくらますとか、いかにもデイドラの王子がやりそうな事だ。
 しかしいくつか情報は揃った。つまり──ハルメアス・モラが俺をアポクリファに招いたのは、ミラークに対抗する力の言葉──恐らくそれはシャウトだろうが──を俺が得るため。ミラークが俺の事を散々“中途半端なドラゴンボーン”と言っていたのはここらへんに理由があるのあろうか。だとしたら、この世界……無限の知識が詰まったアポクリファで、ミラークへの対抗手段を得られれば、俺も中途半端とか言われなくなる、ってことか?
「……けど結局、ハルメアス・モラが俺を助ける意味が分からずじまいなんだよな……裏がなけりゃいいんだけどさ」
 手助けをしておいて手のひらを返す、なんて行為はデイドラの王子達なら朝飯前もいいところだろう。ほいほいと軽い気持ちで彼等の手を取ればしっぺ返しが膨大なものになってしまった、なんてのを俺は何度もこの目で見てきた。迂闊に信用していい相手ではないのだ。
 ──けど、今の俺には他の選択肢など持ち合わせていないのも事実。
「進むしかないか……」
 剣を手に取り、前に進み始める。歩いてみて気づいたが、床の下は地面かとおもいきや、地面そのものすらなく、水の上に通路が浮いた上体で敷かれてあった。もっとも、水と言うには申し訳ないくらいで、底が見えずてらてらと妖しく光る水面は見ていて気持ちのいいものではない。
「オブリビオンってのは何処もこんな崩れた感じだもんなぁ……」
 両手剣を片手で持ちながら、通路の際を歩きつつ水面を見ようとした矢先のことだった。
 突如水中から現れた黒い触手が俺に襲い掛かってきたのだ。はっと気づいた時には、思わず身を守るようにして剣を構えたその刀身に触手がぶつかっていた。剣を離さまいとしっかり握っていた手にぶつかった振動がじん、と伝わる。
「つっ……!」
 衝撃に耐えられず、たまらず手から剣を離してしまった。かしゃん、と金属音を立てて剣が落ち、その場に膝をついてしまう。この状態でもう一度触手が襲ってきたらひとたまりもないな、と半ば覚悟を決めていたが──二度目はこなかった。
「……え?」
 何だったんだ今のは……そう思った時点ではたと気づいた。水面に近い通路の際を歩いていたせいで出てきたのだとしたら? あの触手の長さからして、通路の真ん中まで届く長さではない。
「つまり、水際は歩かないほうが良いってコトだな……そういや、ハルメアス・モラの見た目は蟹の鋏を持ちながら蛸のような触手があったような……」
 嬉しくねぇな、と内心舌打ちしながら落とした剣を手に取り立ち上がる。思った以上に癖のある場所だ、“力の言葉”を得るまでの道中はそう簡単ではないらしい。ミラークの居る場所まで追いつけるかどうかも怪しいだろう。
 しかし、こんな事で折れる訳にはいかない。もう逃げないと約束したんだ、セラーナと。負ける訳にはいかねぇんだ!
「待ってろ、ミラーク。次会う時は中途半端なドラゴンボーンなんて言わせてやらねぇからな!」
 地面を蹴って走り出す。歩いてる事さえ今はまどろっこしかった。


-----------------------

 難産でした。想像以上に難産でした。
 いやー本当はシャウトを取るところまでって思ってたんですけど、今回はここで切る感じになるかなあ。もう少し早く上げるつもりでしたが、イベント用の絵を描いてるせいでぜんぜん書けずじまいでした。お詫び申し上げます<(_ _)>

 ……なのでまた最近スカイリムをマトモにプレイしてませんorz

 ちょっと前回と今回の間が開いちゃったので、白けちゃったかと思います。今回は時間が無くてコレだけになっちゃうと思うので、土曜か日曜あたりにお詫びブログでも書けたらなあ、と思います。恐らくその頃にはアミュレットも完成しているだろうし。
 アミュレットって何ぞや? と思うでしょうがそれは次回までのお楽しみで^^;

 しかしアポクリファの世界を文章で書き起こすのは若干きつかったなぁ・・・もう少し長く書ければ詳細書いたんだろうけどorz

 では土曜か日曜にまた^^
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プロフィール

HN:
ジュリアン
性別:
男性
職業:
傭兵
自己紹介:
スカイリムはホワイトラン在住のドヴァキン。
現在のところ引越しする予定はなし。
中の人はヘタレですが一応同人誌作家。マイナーゲームの絵を描いてたり。
文章も多いですが一応絵の方専門。
スカイリムの絵とか描いたりフォトショでSSをレタッチしたりするのが好き。
スカイリムに影響されて2012年から英語の勉強を始め現在進行形で勉強中。
ラジオ英語を聴いているのだが、英会話教室に通いたいのに時間と金が無くて嘆いているとかいないとか。

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