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SkyrimとFallout4・76の二次創作メインブログです。 たまにMODの紹介も。
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04.20.07:59

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  • 04/20/07:59

05.18.23:40

出会いそれを運命とは呼びたくない

「お前は……お前の道を往け。決して後ろを見るな。後ろを振り返るな。
 決して親父さんの仇を討とうなんてなんて考えるな。お前が無駄死にしちまったら、俺はあの世でジェイムズになんて顔して会えばいいんだ? いいな?」

 ……そして、その言葉を最後にして数日後、俺の養父は亡くなった。
 第四紀、帝国の権威が失墜し始め、タムリエル全土が不安定になりつつあった最中、ヴァレンウッドのボズマーと手を組んだアルトマー──俗にハイエルフと呼ばれる種族──がアルドメリ自治領を形成し、帝国に白金協定を結ぶために起こした大陸中の小競り合いの一つに巻き込まれて──

「……ァン、……リアン」
 誰かの声が微かに耳に入ってくる。目は開けないまま、その声に耳をそばだてていると、今度は間近で発したようですぐ上のほうから聞こえてきた。
「ジュリアン、起きないんですの? いつまで寝ているんですの?」
 目は開けなくても、その声が誰のものかはすぐ察しがついた。しかしこのまま狸寝入りを決め込んでも俺を起こそうとしてくるだろう、仕方なく俺は目を開けた。
 開けてすぐ目に飛び込んできたのは、宿屋兼酒場の「レッチング・ネッチ」の無味乾燥な天井だった……がすぐに、ひょい、と身を屈めるようにしてこちらを見下ろす女性の姿が視界に入ってくる。逆光でやや顔は暗くなっているがそれが誰かはすぐ分かった。
「……セラーナか」
「セラーナか、じゃありませんでしてよ? 何日寝れば気が済むんでして? もうとっくに朝過ぎておりますわよ?」
 言ってから呆れた様子でふん、と鼻をならしてくれる。相変わらずの口調に俺は苦笑を浮かべるしかなかった。
「そうはいってもしょうがねぇだろ、ハルメアス・モラの本の世界を旅して戻ってきた時には瀕死状態だったんだからさ」
 正確に言えば瀕死といっても体力が限界まで消耗してたとか、傷だらけだったとかではない。オブリビオンの異質な世界を歩き回ったのと、ハルメアス・モラの世界は歩くだけで気力を消耗させてくれる罠がいくつもあった。あのどろどろした怪しい水に触れるだけでスタミナが減り、そんな状態で触手が襲ってきては体力と気力を一気に持っていかれる。手持ちの薬が底を尽きかける所でようやく最奥部まで辿り着けたのだ。もっともそこで待ち構えていたのは、そこまで相手してきた奴とは段違いの強力なモンスターだったが。
 そんな状態で本の世界から戻ってすぐ、俺は倒れた。いろんなことがあって精神的にもやられていたのだろう。フリアが戦士だったおかげもあって、俺の図体を持ち上げ、スコール村まで運んでくれた。しかしそこでは満足に休めなかった──何故なら村人ほぼ全員が、ミラークの術中に嵌り、日夜関係なく神殿の復興に狩り出されていたからだ。
 目が覚めた俺はセラーナと共に一旦レイブンロックへ戻って、定宿にしているレッチング・ネッチへ戻ってすぐ再び寝込んで今に至る──というのがこれまでの経緯だった。本の世界から戻って既に三日は経っていた。
「……けど、二日もあなたは寝てましてよ? そろそろ何か食べないと身体が悲鳴を上げる頃じゃありません?」
 二日も寝てたのか、と思うと同時に腹が催促するかのように低い音を鳴らす。身体は正直だ、俺の心とは裏腹に。
「言わないことありませんわね」
 セラーナがくすっと笑うと、俺はばつが悪い顔を浮かべながら身を起こしてベッドから起き上がった。
 ベッドサイドに置かれている小ぶりのテーブルには器の上に既に冷め切ったクリーム煮が置かれてある。その隣には牛肉か何かを焼いたロースト数枚と小分けに切られたパンが、違う器に盛り付けられてあった。彼女が置いてくれたものだろう。
「気が利くな、ありがとう」
 椅子に座ってパンを齧ると、待ってましたとばかりに身体が食欲を訴えかけてくるので、そのまましばし食事にありついた。起きてすぐに飯を食べるってのも行儀が悪いような気もするが。
「恐らくそういうだろうと思ってのことですわ。長い付き合いですもの」
 事も無げにさらりと言って、彼女は水差しからジョッキに水を注いでテーブルにおいてくれる。給仕のような事をさせてしまって申し訳ないな、と心の中で謝った。

「本の世界で何を見たか、何を得たか話してなかったよな?」
 一通り腹ごしらえを済ませ、脱いでいた装備を整えた後、黙って装備を整える俺を見ていたセラーナに顔を向けて話しかける。
 彼女は黙って首肯してみせ、「ええ、本から再び姿を現したかみなかであなたは倒れてしまったから」
 その通り。部屋を出て、宿屋を出るまでに俺はアポクリファに入り込んだ事、そこでハルメアス・モラが俺に話しかけてきた事を話した。
「力の言葉──それはシャウトだったんですのね?」
「ああ、そうだ。そこに行き着くまでに色々見たんだ、そりゃもう、俺の出生から今までの経緯、全てをね──」

 アポクリファの中には書籍が渦を巻いていたり、本が無造作に地面に投げ落ちてあったり、不気味に薄暗かったり、全ての建物は本と紙で形作られてたりと、とても奇妙で、異様だった、
 通る道に無造作に落ちている本を手に取れば、背表紙も題名もない本で、それを開くと頭の中に記憶が飛び込んできた。
 今までの俺の経緯、スカイリムに来る前、俺が親父に連れられて世界中を旅していた時、名前も知らない母親と一緒に居た時──
「最初は気味悪くてさ、うわって思ってすぐ本を手放したよ。けど、一度手から離れると本を勝手に消えちまうんだ。地面に落ちる事もなく、な。不思議な光景だった。本の中は文字が躍ってるし、それなのに開くと頭の中に光景がばって浮かんでくるんだから」
 過去と未来、ありとあらゆる知識をたくわえておく無尽蔵の書庫──それがアポクリファ。探せばどんな事も調べられるだろう。無限の知識、金銀財宝の在り処、そして未来──星霜の書、エルダースクロールも同じ要素を持っていた筈だが、あれは読むのと同時に目をやられたり何らかの代償を伴う。その点、アポクリファは誰でも知識を得る事が出来るだろう。探す気力があれば、だが。
「そこでさ、記憶の中の親父に会ったんだ。俺がまだガキの頃……」
 父親は得体の知れない化け物に殺され、養父が俺の手を引いて、俺をいっぱしの傭兵に育て、そして──死んでいった所まで鮮明に。
「一人でシロディールを回ってた頃のことも、スカイリムに来たときのことも、冤罪で俺が斬首されかけた時のことも、しっかり見せてくれたぜ……なんたってそんなの見せるのかね、ハルメアス・モラは」
 さあ、と言う風にセラーナが肩をすくめて見せ、
「……で? 記憶の中の父に会えてどうでしたの?」
 予想外の事を聞いてきた。どうって言われてもな、と返答に逡巡するが、一つだけ思い出したことがあった。さっきも見ていた夢の事──
「親父よりも、養父との付き合いのが長かったからかな、養父が死ぬ数日前に話してくれたことを思い出したよ、親父が何故死んだのか、そして俺にどう生きて欲しいか、って」
「どう生きる?」鸚鵡返しに問いかける。
「親父の仇を討とうとするな、無駄死にするな。ってさ。でも……養父のアランはそう言って数日後に戦死しちまったけどさ。
 俺はその遺言を守らなかった。守らないで、仇を探し続けていた。それがスカイリムに居るんじゃないかって話を聞きつけてやってきたら、ストームクロークを一網打尽にしようとすべく待ち構えていた帝国軍に捕らわれちまったけど」
「何故守らなかったんですの? 遺言なら尚更守るべきではありません?」
 当然の質問だ。彼女が聞き返すのは無理もなかった。勿論俺はその答えを持っている。
「仇を討つのが俺の人生だと思ってたから」
 今は違うがな。と心の中で付け加えておく。
 レイブンロックを出て、そのままあてどなく海沿いを歩いていた。黙ってセラーナも後に続いてくる。
「……じゃあ仮に仇を討ったら、ジュリアンは死んでしまうつもりでしたの?」
 声のトーンをやや下げて問いかけてくるセラーナ。今もそう考えているのか、というニュアンスが込められた感じだった。それは違う、と俺は首を横に数回振ってみせる。
「それはない。今となっては俺が定命の者に関わらず龍脈を持つ者、ドヴァーキンとしての力を覚醒させてしまったけど、それがあろうと無かろうと、俺は仇を討ったら死ぬなんて考えはなかったよ。まあその後の事は考えてなかったし今も考えちゃいないけどさ。
 養父は後ろを向くな、って言ったけど、俺は後ろを向いて生きていたおかげでスカイリムに着いたんだし、そうじゃなかったらアルドゥインに遭う事も、ドヴァーキンとしての力を得る事も無かったんだ。勿論セラーナ、君を目覚めさせる役にもなれなかっただろう。
 ──そう思うとさ、養父は親父の仇を討とうとなんて考えるなって言ったけど、あれは多分、自分が死ねば俺がそうするだろうと踏んで念を押してきたんだと思う。その時から……親父が得体の知れない何かに殺された時から、俺が傭兵として生きる道を選んだ時から、全てにおいてスカイリムに、アルドゥインと対峙する道が敷かれたような気がするな。──ミラークと出会う事も」
 風がざあっ、と凪ぐ。灰を混じらせた風は風上に顔を向けるだけで灰の細かい粒子が飛んでくる。俺もセラーナも海側へ顔を向けて、混濁した海のせせらぎを見ていた。
「……俺の宿命なんだ、って気づいたよ。過去を見せる事は、原因を思い出させる為じゃない、目的を再び思い出させる為じゃないか、と」
「あら、そんな事も気づかなかったんですの? ジュリアンはドヴァーキンとしての自覚が随分足りないんですのね」
 痛い所を突いてくる……、所在なく頭をがりがり掻くしか出来なかった。
「ウルフリックが、別れる間際にあなたに言った事を覚えていまして?
『どこかであなたの力を欲している場所があるはずだ、そこへ向かうがいい』とか言いましたわよね。
 ジュリアンの力は一人の力じゃないんですのよ。今この時で、あなただけしか持っていない大きな力。ウルフリックもシャウトを得た人でしたけど、彼はあなたのようにドラゴンの魂を力に変える能力もないし、瞬時にシャウトを放てる力もない。
 一人だけでは押し潰される位の力をジュリアンは持っているんですのよ。忘れないでいただきたいですわ」
「忘れてなんかいないさ」再びざあっと風が凪いだ。声を掻き消そうとデモするかの如く。
「忘れちゃいけないんだ。だから俺は力を得た。ミラークに抗する力を得る段階に来れたんだ。セラーナ、見ていてくれよ」
 え、と彼女がこちらを見る。俺は静かに息を吸い込み、吐くようにして“叫んだ”──Mul Quh Diiv.
 叫びと同時に見えない力がぶわっ、と俺の身体に纏わりつき、それはやがてドラゴンソウルを吸収するときのように輝くと、赤く、青く光は収束し形を形成していった。頭にはドラゴンの角のような突起物が二本ついて、身体の部分は鎧のような形へと変わったところで輝きは収まったが、なお身体に纏わりつく光は動きを変えて守ろうとするように動いている。
 セラーナは目を丸くして俺の容貌が変わるのを見ていた。やがて変化が止まった所でようやく口を開き、
「……てっきりドラゴンにでも変身するのかと思いましたわ」
 と、にべもない返事。相変わらずだな、と俺は苦笑を浮かべながら、
「でもミラークもまた、コレと同じものを使ってた。俺は彼を見たんだ。アポクリファの中で……まあ、見失っちまったけど」
 そう、見失った。ドラゴンに乗ってどこかへ飛んでいったのだ。俺を相変わらず中途半端な奴と言い捨てて──
「けど、もう中途半端なんかじゃないさ。そして俺の宿命からも逃げたりはしないよ。もしここで逃げたりしたら、ハルメアス・モラに何言われるか分からんしな」
 ははっ、と笑うと、目の前に居る彼女は安心したように口元だけを歪ませて笑った。
 忘れてはいけない事はたくさんある。親父の仇を討つ事だってそうだし、養父に言われた事を破って今ここにいるという事も忘れちゃいない。
 けど、俺には戦わなければならない宿命が出来た。守るものを守らなければならない運命が掛かっている。俺の双肩に。
 逃げる事も出来た、けどこの力は俺だけのものじゃないんだ。セラーナも居る。スカイリムに住む人も居る。ソルスセイムに住む者達も。
 ミラークは言っていた。いずれソルスセイムを支配し、タムリエルをも、と。そんな事を許してはいけない。ドヴァーキンの力は強大だ。セラーナが言ったようにヒト一人の力では有り余る強大な力をコントロールするのは並大抵の事じゃないし、強大さ故に押し潰されてしまう。
 ミラークが何故、ドヴァーキンとしての力を支配に使おうとなったのかは分からない。けどそれが如何なる理由であれ、支配する側にさせてはいけない。持つ者と持たざる者の溝が深くなれば、世界は混沌に陥るだろう。
 ならどうすればいいか。──持つ者が止めればいい。それが俺の宿命。導くものとしてあれ、決して支配しようと考えるな──
「……見ててくれ、父さん」
 常に腰にさしている、小ぶりのダガーの柄を指で擦りながら、俺はぽつりと風に乗せてその言葉を送った。
「何か言いました? ジュリアン」
 聞こえたのか、と内心舌打ちしながら俺はにやっと笑って、
「いいや。……そろそろ行こうぜセラーナ。スコール村へ」
 促して先に歩き出すと彼女は黙ってついてくる。そんな姿を見ながら、俺は心の中でセラーナに呟いていた。
「君と会えたことは、宿命だとか運命だとか陳腐な言い方で形式ぶるより、必然だったと思いたい」と。

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 はいはいはいはい。長かったですね。軽く書くつもりが割かし長かったです。毎回毎回×100変な二次創作書いてすいませんorz
 タイトルは最後のジュリアンの台詞に全て集約されてます。ちなみに某音楽のタイトルです。でもそのタイトルを知ってる人は読む人の中に居るかどうかはものすごく難しいですが。

 なんとかこないだの埋め合わせブログがかけました。勿論こないだの話の続きです。本から戻ってきた形ですね。創作部分がそこかしこに出てます(過去が見えるとか)。二次創作なのでユルい感じで読んでいただければ幸いです。

 何気に小説仕立てのプレイ日記ばっかり書いてますが、まあこれも個性をアピールするにはいいんじゃないかなあ、と勝手に決めて勝手に書いてます(笑)
 ただ単にこういうのがあってああいうのを見たとかじゃつまらんので、右脳だけが発達してる俺にはこうやって小説仕立てプレイ日記のほうが楽しいです。色々詰め込めるし(ただその分、自キャラと好きなキャラが全面的に押し出しててそれ以外好きな人には全くウケないってのもありますが)。
 他にないモノを作ってるつもりですw読み手も書き手も楽しんでくれればいいなあ、と。

 ではがらりと変えまして。
 こないだのブログで言ってた「アミュレット云々」をご紹介。

 作っちゃいました、マーラのアミュレット(笑)。
 作っちゃいましたといってますが、海外の業者が作ってくれてるのを知って、そこで頼んで形部分(石とかチェーンとか以外)を作って届いたのに石を嵌めたりして完成したものです。
 すごいですよねえこういうの作れるって。まあ今色々賑している3Dプリンターで作ってるみたいですが。
 来週のイベント(ゲームレジェンド20)でも身に着けて売り子ってるんで、探してみてくださ・・ってスカイリムサークル一つしかなかった(涙

 イベント用のラミカ絵はまだ現在も製作中(遅いよ
 これ無事に完成するのかな・・とりあえずセラーナたんまでは完成したので載せておきますw

 え? どばきんはって? どばきんも完成してますけど載せるのもアレだったのでセラーナたんだけで(笑)
 俺のタンブラーとかツイッターでも載せてるので興味ある方はぜひ。

 この後もスカイリムる時間を忘れて続き(後残りはムアイクとシセロ)塗らなければ・・・あと一週間後ですが、埼玉県や近場に住んでる方、ぜひ遊びにきてやってください。ノベルティチョコも用意してお待ちしております。

 では今回も長くなったのでこれまで。また木曜日に。

※5/19 若干加筆・訂正を加えてあります。

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