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スカイリムの攻略とかあまり役に立たない日々のプレイ日記をだらだらかいていくつもりです。

雪と氷とドラゴンと。

   

誘う者、誘われる者(承前)



「……ふぅ、いい湯だった」
 既に夜半を過ぎている。そろそろ寝ないと明日がきついのは分かっていたが、ちびちび酒の入ったジョッキを口に向けていたせいで、気づけば夜も更けていた、という訳だ。
 いつものレッチング・ネッチで飲んでた訳だが、その日はちょっと違っていた。場所は変わらない。しかし──つと、俺はベッドサイドに置いてあるナイトテーブルの上に無造作に置かれた箱に目を移した。
 ──ほら! お前に相応しいと思ってな、船から来た商人にそれらしいのがあったら仕入れてくれって頼んでおいたんだ、どうだジュリアン、買わないか……っていうか買ってくれよな、結婚申し込む際には必要だろ?
 カウンターでちびちび飲んでいる俺の隣に座りしな、レイブンロックで雑貨店を営むファシス・アロールが声を掛けてきたのは、俺にとある物を買ってくれと言う、相談──こっちの意思を無視して勝手に仕入れたんだ、相談といってもいいだろう──だった。
 無造作な小箱の中に押し込められていたのは、細工を施された青い石を光らせる金色の指輪だった。勿論只の指輪ではない。婚約用のそれであるのは見て一発で分かった。普通、身を守る用途としての魔力を込めた石を嵌め込んだ指輪より細やかな細工がされていたためだ。
 余計なお世話だと内心毒づいたが、ファシスの話術は巧みだった。交渉術に関しては俺より長けているかもしれない。結局それを、何とか値切って二千セプティム金貨で支払い、半ば強引に押し付けられた──そしてその二千枚の金貨の対価として受け取った指輪は、箱から出さずにナイトテーブルの上に鎮座している。
 ……まだどう言ったらいいのかすら考えあぐねているというのに、周りだけが囃し立てているのは正直苛々させられたが、彼らはからかってる訳ではないのは分かっていたから、尚更苛立ちをどこにぶつけたらいいのか分からず途方にくれていた。セラーナには極力普段どおりに接してはいるのだが、苛立ちに気づいていてもおかしくはない筈だ。
 雫が垂れる髪を無造作に布で拭いつつ、どうやったらこれを渡すきっかけが得られるかと思案していた時だった。
「あら、そんな格好で湯冷めしますわよ?」
 ノックもせずいきなり扉を開けて入ってきたセラーナが、開口一番突いて出た言葉はそれだった。思わずびくっと身を震わせながら背後を見ると、セラーナが訝しげにこちらを凝視しながら突っ立っていた。
「なっ、なんでノックしないんだ。いきなり入ってくるなよ」
 後ずさりしながら、俺は半裸の格好で立ったままの自分が恥ずかしくなった。以前まではセラーナが寝室に入ってくるのは別段、気にもしなかったのに今こうして彼女が目前に居るとどきどきしている自分が居る。上半身裸のまま、下はやや擦り切れた皮製のズボンを穿いてはいるが、こんな格好を第三者に見られたら確実に変な想像をするに違いない。
「……今までもこうしていたじゃありませんの。今更じゃありませんでして?」
「そうかもしれないが……」後ずさりしながら、ナイトテーブルの上に置いたままの箱を素早く手に取り、背後に隠す。「で? 何の用だ」
 彼女は肩をすくめて見せ、「ジュリアンが居なくならないように見張っているだけですわ。どうぞおやすみなさいませ」
「は? 俺が居なくならないように……?」
 一瞬、何の事を言ってるのか分からなかった。俺が居なくなる訳ないじゃないか……セラーナにあんな大々的に告白したのに?
「ええ。……またミラークの影響でジュリアンが何処か勝手にフラフラと出て行かないように見張っているんですわ。出て行こうとでもしたらどんな手段を使っても阻止してみせますわよ」
 ぽかんとしてしまったが、次の瞬間には笑いに変わっていた。あははと声を上げて笑うと、セラーナは何がおかしいのかと目を細めてこちらをにらみつけてくる。
「……何がおかしいんですの?」聞いてくるセラーナの声のトーンがやや低い。
「いや、だってさ……岩は全て浄化したんだし、あれからミラークの悪夢も見ないし大丈夫さ。気にしすぎだぜセラーナ」
 気遣ってくれるのは嬉しいけどな、と心の中で付け足す。セラーナは鼻白むような表情を見せながら、「……どうだか。まだ岩が一つ残っているのをお忘れじゃありませんですわよね? 聖堂にある岩を。だから聖堂でまだミラークによって操られている人が居るんですのよ? 聖堂だけでもと思ってまた人を操らないとも限りませんわ」
「そうかもしれないが、俺は大丈夫さ……って、毎晩それを続けてたのか? 今晩は何故俺の寝室まで来たんだ?」
「当たり前じゃありませんの。別に今夜が初めてって訳じゃありませんわよ。毎晩ここでジュリアンを見てましたわ。急に起きたりしないか、と」
 耳を疑うような言葉がセラーナの口から突いて出た事に俺は驚きよりも先立って恥ずかしくなった。何だって? 毎晩ここで俺を見ていただって?
 寝言で変な事言ってやしないか不安になった。セラーナの名前を呼んでやしないだろうか……と思うと気が気でない。
「俺の部屋で監視しなくてもいいから、セラーナも身体休ませておけよ。仮にも女性なんだから」
「ご心配には及びませんわ。……私に気にせず寝てもよろしくてよ」
 目の前に異性が居るのにベッドで寝ろと言われても簡単に眠れるわけないじゃないか……
 内心どきどきしながら心の中でごちた時だった。
「……ん?」
 あらぬ方向を見た俺に「何かありましたの?」とセラーナがすかさず声を出す。ミラークの気配でも感じたとでも思っているのだろうか。
「いや、何か今聞こえたような……岸の方から……」
 言ってからしまった、と気づく。ここはセヴェリン邸の地下、ソルスセイムの家屋は殆どが地下に穴倉のような構造で作られているため、俺が今居る室内は地上ではなく地下だ。それなのに何かが聞こえた、なんて言えばセラーナがますます訝しむに違いないと思ったのだ。
「……私は何も聞こえませんでしたわ。やはりミラークがまた何か……」
「いやいや、それはないぜセラーナ。ミラークの声じゃなかったし」と、そこまで言った時また再び何かが耳に入ってきた。
 か細い、呻くような……音。でもその音は何かを訴えるように、同じ音を繰り返しだしている。
「まただ……何か聞こえないか? セラーナ」
 振ってみるも、セラーナは黙って首を横に振った。俺だけしか聞こえないってことか? やはりミラークかなにか……?
 風が地上を滑らせて灰を振り散らす音か何かだろうか、そう思えば合点がいく。セラーナの耳に届かないのは……気のせいだ、きっと。
 そう思い込もうとした矢先だった。

“たすけて”

  ──さっきから同じ音が微かに聞こえていたのが、はっきりと言葉となって伝わった。微かに途切れ途切れだったため聞き取りにくかったのかもしれない。
 たすけて? 何かが助けを求めているようだった。それが何なのかは分からないが──勿論聞いてしまった以上、見逃すわけにはいかない。
 俺はベッドの脇に置いといたチュニックを素早く被り、腕部分を紐で括る。鎧等は身に着けなくても大丈夫だろう。何かあれば逃げてくればいい。
 素早く身支度を整え、最後に両手剣が括りつけられているベルトごと背負ったところで、何をしでかすのかと黙ってみていたセラーナに言った。
「寝るのはお預けだ。……誰かが助けを求めてる。行くぞ」




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 承前とうたってますが、実を言うと次で終わるかどうかはなぞw
 こんばんわ。先週はブログをオヤスミしてすいませんでした。なぜかというと、当ブログの通算20,000Hitアクセス記念のリクエスト絵を描いていたためですw
 それがなんとか昨日無事に完成できたので今日なんとかブログを書いてます(文章的には結構ひどいものですいませんorz)
 完成したリク絵がこちら。

 リクエストして下さった方が
「ジェイ・ザルゴが沢山いて仲良くご飯を食べてる図を」とのご希望だったので、それに沿った感じで(?)描いてみました。
 ちなみにリクエストいただいた(つまり2万ヒットした)のは7月辺りだったのに、完成したのは三ヵ月後とか申し訳ございませんでしたorz
 しかも明日(今日)は冬コミ当落発表日だし!!

 まぁそんななので、一生懸命コミケ当落前まで頑張って完成させた次第でありました。
 リク下さった方も気に入って頂けたようでほっとしております。変じゃないかと内心あせっておりました(ぉ
 とても楽しく描かせていただきました。
 で、勿論次もやりますよ。3万ヒット記念リク絵。
 まだまだ3万は遠いですが、もし次は私(俺)がリクしたい!! という奇特な方がいらっしゃいましたら、毎日ご覧になっていってくださいませ。

 で、さっきも言ったように明日(今日)コミケ当落発表日。
 受かれば勿論Skyrimの新刊は出します。今回はシセロとどばきん(ジュリアン)+ちょろっと最初だけセラーナが出てくるかな? な1枚ネタのみの本。
 冬コミは着手から当日まで短いので今回も相当うっすぅぅい本になりますが、受かる事を願っていて下さい。受かればこの場でまた発表いたします。

 それではまた、定期更新日に。

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プロフィール

HN:
ジュリアン
性別:
男性
職業:
傭兵
自己紹介:
スカイリムはホワイトラン在住のドヴァキン。
現在のところ引越しする予定はなし。
中の人はヘタレですが一応同人誌作家。マイナーゲームの絵を描いてたり。
文章も多いですが一応絵の方専門。
スカイリムの絵とか描いたりフォトショでSSをレタッチしたりするのが好き。
スカイリムに影響されて2012年から英語の勉強を始め現在進行形で勉強中。
ラジオ英語を聴いているのだが、英会話教室に通いたいのに時間と金が無くて嘆いているとかいないとか。

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