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スカイリムの攻略とかあまり役に立たない日々のプレイ日記をだらだらかいていくつもりです。

雪と氷とドラゴンと。

   

Outstretched Hands

はっ、と目が覚める。
 刹那、視界に飛び込んでくる見慣れた天井に、今まで自分が夢を見ていたことに気付かされた。
 夢か……と、一人ごちて、俺はベッドから立ち上がり、どんな軽装でもはずすことのないPip-boyの明りをつけた。かちっ、と音を立てるとともに画面がぼぅ……と自分の周囲を照らし始める。Pip-boyの光量を最大限まで上げると自分の周囲をぼんやり照らす程度まで画面が照らしてくれるので、わざわざ懐中電灯を用意しなくてもいいのが幸いだった。もっとも、それに対してどんな電源を使用しているかは未だ分かっていないのだが。
 寝ていたため身なりは軽装にしてある。上半身は薄手のシャツと、下半身は擦り切れたジーンズのみだった。ベッド脇にいつも身につけているコンバットアーマーの上下一式と、銃火器がいくつか並べておいてあるのだがそちらには行かず、俺は黙って寝室を出た。
 ぼんやりと室内──といっても殆ど隙間風が入るあばら屋だが──を照らす豆電球が煌々と照らす以外は、人気の無い家だった。元は自分と妻、そして息子が暮らしていた家だが、今はもうその時の様相を呈してはいない。
 廊下に明りがあるため、Pip-boyの明りを消してからキッチンまで進み、この世界に降り立ってから新しく取り付けた冷蔵庫に入れておいたグイネット・ブルーを手にすると裸足のまま外に出た。……室内には居たくなかったのだ、なんとなく。
 しかし外に出て外気に触れてみて始めて、自分の身体が予想以上に汗で濡れている事に気付いた。着替えてからくればよかったな、と思いながら、じっとりと濡れたシャツを着たままだと身体が冷えてしまいかねない。とりあえず上半身だけでもと腕をまくって脱ぎかけたその時、
「何やってるんだ? ジュリアン」
 声を飛ばしてきたのはマクレディだった。同じ家の、別室で寝ていたところを起こしてしまったのだろうが、脱ぎかけたポーズのままで居るわけにもいかず、ややばつが悪い顔をしながら俺は上半身をあらわにした。……と同時にくしゃみを一発。ほら、やっぱり冷えてしまった。
「……起こしちまったか」
 脱いだシャツを腕に持ちながら彼の声が飛んできた方へ向くと、マクレディは変な顔を浮かべていた。……変な顔って言い方がおかしいな、怪訝そうな、か。
「……まさか下半身まで脱ぐとか言わないよな」
 その表情のまま言うものだから、俺はぷっ、と吹き出してしまった。俺が露出狂とでも思っているのだろうか?
「裸になって一人で何をしようって言うんだ? ……寝てて汗かいちまったから上半身だけ脱いだだけさ。それ以上何もしやしない。……それより」
 一旦言葉を切ってから「……起こしてしまったなら悪かった、ちょっと夜風に当たりたくなっただけだから。構わないで寝ててくれていい」
 やんわりと寝室に戻れ、と促してみたものの、マクレディは立ち去ろうとはせず、何かを言いたそうに逡巡した挙句、「……てたものだから」とだけ言った。
「え?」よく聞こえない。
「だから、……ジュリアンがうなされてて、その後起きた様子だったから、大丈夫かとしんぱ……いや、気になっただけだ」
 何故か訂正して言い直すマクレディ。……参ったな。うなされているのを第三者に気付かれていたとは。
「気になる……ね」
 とだけ言って、俺は玄関口で突っ立ったままのマクレディに手にしたグインネット・ブルーの瓶を投げて寄越す。突然瓶を投げられて、マクレディは驚いた表情で手をあわあわさせ──それでも落とすことなく抱えるようにして瓶を受け取った。俺はその彼の横をすぃ、と通り過ぎて玄関からキッチンに向かい、冷蔵庫からもう一つ冷えた同じものを取り出す。
「うなされてた理由が知りたいのか? ……お前にはあまりいい話じゃないかもしれないぜ」
 そう言ったものの、じゃなきゃわざわざ起きて俺の後を追って外まで出てくる事はないよなと思い直す。
 彼は何も言わず、瓶の蓋を指で弾き、ぐいっと口にそれを含んだ。それが彼なりの返事の仕方なのだろう。しょうがない、と俺は肩をすくめ、再び玄関を通って外に出た。
 りー、りー、と虫の奏でる音だけが響く。外にはいくつか民家の残骸があるが、その各家の室内を照らす僅かな明りが見えるだけで、屋外は誰の姿も見えない。居住者は皆寝静まっているようだった。
 俺はマクレディの方を敢えて向かず、暗い夜空の先、はるか遠くにぼんやりと明りが灯っているダイヤモンド・シティの方向を見ながらぽつりと言った。
「何度か同じ夢を見るんだ。一定の期間でな。……妻が殺される瞬間を、繰り返し、繰り返し」
 マクレディは黙っていたが、口からグインネットの瓶を離したのは分かった。
「……妻を殺した、ケロッグに向かって何度か『止めろ!!』 というと、瞬時に場面が切り替わるんだ。今度は戦場のど真ん中で、今度は俺の目の前で親しい人が銃で撃たれて……真っ赤に身体を染めて死んでしまう場面だ。かつて軍隊に所属していた時の場面なんだけど、その死んでしまう相手が、こっちの世界で目覚めてから知り合った人達ばかりなんだよな。ニックだったり、ハンコックだったり、
 ……あんただったり」
 言い切ってから、俺はマクレディの方を振り返り、努めて明るい口調で、
「……な、聞いてもつまらん話だっただろう?」
 変に気を遣わたくないと思って言ったものだったが、マクレディはそんな俺の内情とは裏腹に、ふっとこちらに笑みを浮かべて見せ、
「いや、……俺もそういう夢は見るから、ジュリアンがうなされるのも分からなくないよ。前に話した、妻のルーシーがフェラル共に殺される場面、何度も繰り返し見てるから……その度にベッドから飛び起きた事も何度もある。
 けど、今は殆ど見ない。……多分、あんたと一緒に居るからだろうな」
 俺と居るから? 何で俺と居ると夢を見ないのだろう?
 そんな俺の様子を知ってか知らずか、マクレディは自分で言った事に自分で照れた様子で、俺から視線を逸らし、
「ジュ、……ジュリアンは気付いてないかもしれないけどさ、俺は、そのぅ……楽しいんだ。あんたとこうして旅が出来ることが。……言っておくが、俺の主観から見て、だからな。ジュリアンが俺と旅をしていてどう思ってるかは関係ないからな」
 自分自身に言い訳するように言いながら、彼は何か手に握り締めてぎゅっと拳を閉じていた。何を持っているかは分からないが、小さいものなのだろう、気にはなったがそれについて問うのは止めておいた、その代わり、
「俺も楽しいよ」
 と自然と言葉が出た。自分でも驚くほどさらりと言葉が口から出たことが不思議だった。……でもまぁ、そうなのだろう。俺はマクレディと一緒に居て楽しくないと思ったことなぞ一度も無い。
 ──その時、ふと気付いた。何でマクレディが夢の中に出てくるのか、が。
「あぁ……そうか」
「えっ、何がそうか、なんだ?」
 ぼそっと独白をしただけなのに、マクレディは耳ざとく聞こえた事に対して問い返してくる。自分の事を指摘されるのかと思っているのだろうか。どことなく落ち着きがない。
「いや、お前の夢の話じゃないよ。……なんでマクレディが俺の夢の中に出てくるのかが分かった。お前の事が放っておけないからだ。だから夢の中まで出てきてしまうんだろうな。
 ニックやハンコックはほら、世話になったし頼りにしてる分、そういう相手を失う恐怖を植えつける意味だろうけど、お前の場合はほら、俺がお前を放っておけないって決めてるから……マクレディ?」
 マクレディは顔を真っ赤に染めてこちらを睨み付け、わなわなと口を震わせていた。手にしたグインネットの瓶も震えている。怒っているのか? 怒らせるような事を言っただろうか?
「……何か気に障る事でも言ったか?」
 恐る恐る聞いてみると、マクレディは言い捨てるように、
「ばっ……馬鹿だろ、あんた。放っておけない俺が死ぬ夢を見てあんたは何を感じるんだ? それは恐怖か? 俺が死んでも一向に構わないって事だろ、それ」
「……は? 構わない訳がないだろう」やはり何か勘違いしている。「以前お前に言ったよな、俺の傍に居ろって。その相手が夢の中とはいえ、俺の目の前で死んだらどう思う? ……ついさっきだってそれで目が覚めたというのに」
 言ってからしまった、と思った。こればかりは相手の気分を害する可能性があると思っていわないでおこうと思ったのに。……しかしマクレディは気分を害した様子はなく、むしろ睨み付けていた視線を再び逸らしてしまった。つい半月ほど前起きたあの一件の顛末を思い出していたのかもしれない。
「照れてるのか?」とからかうように言うと、マクレディは「照れてなんかねぇし……」と最後聞き取れずはぼそぼそといった返事を返しただけだった。とりあえず誤解は解けたようでほっとする。
 ちん、と音を立てて、俺は手にしたグインネットの瓶をマクレディのそれとかち合わせた。ぐいっと煽って口の中に酒精を含ませる。一息ついてから、いい加減黙ったままのマクレディにこう言った。
「俺はマクレディを殺させるつもりもないし、失いたくもない。お前を裏切るつもりもないし、今後も別れるつもりはない。お前がそれで悪夢を見ないならよかった。それでよければ俺はずっとお前と一緒に居るさ。お前が俺の手を握ってくれたからな」
 再び瓶を口に含んで一気に飲み干す。……その様子をじっと見ていたマクレディがぽつりと、
「なら、あんたも夢を見なくなるようにしないとな。いくら自分の夢じゃなくても、他人の夢で殺されるなんて寝覚めが悪いし……って、ちょっと待ってくれよ、ジュリアン」
 言いながら何かに気付いたのか、マクレディが問いかけてくる。「さっき、それで目が覚めたって言ったよな。……つまり、俺が?」
 最早隠し立てする意味もないのでそうだと答えると、彼はなおも食い下がるように、「目覚めた時、何で俺の様子を見たりしなかったのかって……そんな事する必要もないか、夢だって気付いていたんだしな」と自分で結論まで言ってしまった。
「そんな事はないぜ、お前は知らないだろうけどな、何度か寝てるのを確認しに行ったりしてるんだからな。あの時だってそうだ、お前が倒れるようにして眠っちまった夜、俺と一緒に──」
「あああ、それ以上は言うな、言わないでくれ!」
 と、突然マクレディが両手──ビール瓶は持ったままだ──を上げて制止するようなポーズを見せる。再び頬を染めており、そう言う風に素直に感情がオモテに出るマクレディを俺は素直にうらやましいとさえ感じた。
「何故だ? あの時は目覚めたらお前が目の前で寝ていてくれたからほっとしたんだよ、ああそうだ、俺達はVaultから出ることが出来たんだよな、マクレディは殺されたりしなかったんだって──」
「あれは、その、不可抗力というか、最早限界だったというか……目覚めたらジュリアンが横で寝てるなんて思ってなくて、俺すごく驚いて──じゃなくて、俺は……そういうつもりじゃ」
 最早しどろもどろで言うことしか出来ないマクレディだった。そんな態度を取られるとつい、からかってしまいたくなる。……十分おかしいな、俺も。
「何ぶつぶつ言ってるかわからねぇが、俺は──」
「も、もう寝るから、ジュリアンもさっさと寝ろよ、じゃ、おやすみ」
 などと一人で勝手に話を終わらせてしまい、マクレディは逃げるようにしてその場を去った。……やれやれ。
 からかうのも程ほどにしないとな、と内心笑いながら俺も部屋へ戻っていく。寝室に戻りしな、マクレディのベッドが置かれている部屋──かつてショーンが寝ていた部屋──をちらと見ると、横にはなってるものの寝たフリをしているのが嫌でも分かった。さっさと俺が床につくのを待っているようだった。
「おやすみ、マクレディ」
 声を投げかけると、ぴくり、と神経質に肩が動いたのが目についた。内心どんな気持ちで聞いているのやら、と俺は変ににやにやしながら再び床について目を閉じた時には、東の空がやや白んできた頃合だった。




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 コミケ前日の深夜に久々にブログ小説書いてる中の人です、こんばんわ。
 コミケ準備オールアップ記念に、久々にマクレディのお話を書いてみましたよ。

 作中マクレディが奥さんの話をしてますが、彼はまだジュリアン(パパさん)に例のアレを渡してません。渡そうか渡すまいか、悩んでる状態で話が進んでる感じで書いてます。というか終えの中でのパパさんマクレディのカップリングを書くならそんくらいの状態が一番いいだろうなという偏見です(笑)
 
 で、コミケ前日にですがオールアップしたのでブログも今後まちまち書いていきます。
 今回のタイトル「Outstretched Hands」ですが、今後も多分これにちなんだ話を書いていくので今回はそのフラグ立てみたいなもんですね。日本語に訳せば「伸ばした(両)手」という意味ですな。

 にしても今回の夏コミ新刊はとりあえず2冊出せますけど、大変でした。色々ありすぎてもう禿げそうレベル(笑)でした。なんとかFO4も自ジャンルのSFIIIも出せてよかったです。いろんな人に応援されて出来た本ですので、ぜひとも見に来てやってください。お話だけでもOKですよんw

 それでは、今回はこの辺で。
 8/13日に会えるのを楽しみにしてまっす!
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プロフィール

HN:
ジュリアン
性別:
男性
職業:
傭兵
自己紹介:
スカイリムはホワイトラン在住のドヴァキン。
現在のところ引越しする予定はなし。
中の人はヘタレですが一応同人誌作家。マイナーゲームの絵を描いてたり。
文章も多いですが一応絵の方専門。
スカイリムの絵とか描いたりフォトショでSSをレタッチしたりするのが好き。
スカイリムに影響されて2012年から英語の勉強を始め現在進行形で勉強中。
ラジオ英語を聴いているのだが、英会話教室に通いたいのに時間と金が無くて嘆いているとかいないとか。

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