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SkyrimとFallout4・76の二次創作メインブログです。 たまにMODの紹介も。
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05.01.15:09

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  • 05/01/15:09

09.19.20:03

Cherish

「……なぁ、ネイト」
 とある日の昼下がり。
 それは何気なく、何もやる事がない二人が同じソファに座り(片方は寝そべりながら)、話始めた事がきっかけだった。


「ん? なんだ、マクレディ」
 言いながら、ネイトは自分の左腕から目を逸らし──自分の太腿を枕代わりにしてソファに寝そべるマクレディにそれを移す。先程からずっと、彼の左腕に備え付けられている──と言っても差し支えはないだろう─刑せPip-boyを見ては何かを確認する仕草をしては、頭を何度か傾げたりうなずいたりしていたので、何か情報とか見返していたりしてたのかもしれない。
 そして彼を呼んだマクレディはというと、ネイトの右大腿を枕にして、リラックスした様子でソファの大部分を占領するかのように寝そべりながら、何処からか引っ張り出してきたコミック誌をぺらぺらめくって、時折ふふっ、と笑ったりしていた。そんな恰好のため、ネイトはソファの端に追いやられた感じになっていたが、彼は一向に気にするそぶりも見せず、マクレディが時々、漫画を読みながら笑う事で頭が揺れるのが妙にくすぐったく感じていた。
「これ。……あんたは食べた事あるか?」
 言いながらマクレディはコミック誌の一ページに指をあてる。どうやら漫画内のそれではなく、合間に挟まれた広告ページのようだった。薄汚れ、所々色が日光と年数によってはげ落ちてはいるものの、一瞥しただけでそれが何かは容易に想像できた。
「ああ、ドーナツか。そりゃ戦前は何度かあるが……」
「やっぱそうか。どんな感じの食べ物なんだ?」
 マクレディは声のトーンを少し上げて言った。好奇心と興味が沸いた時出る口調。彼よりやや年を帯びたネイトにとっては、その態度を見ては子供っぽさが残る、と都度思ったものだが、それを指摘すると彼はむくれて自分は子供じゃない、と反抗してくるため、口に出すのは極力控えていた。
「どんなって……甘いお菓子だ。子供や女性が好んで食べてる印象が強いな。俺はあまり甘いものは好きじゃないから食べた事はそんなにないが。
 ……スローカムズ・ジョーの広告か。ほら、レキシントンとかに店舗があっただろう。今となっては廃墟となってるけど」
 指さしたページをよくよく見るネイト。どうやら新商品か何かの広告らしい。ピンク色で描かれた社名のロゴに、ドーナツ形に目と口、片手にコーヒーカップを持ったキャラクターが描かれてある。
 この世界がアメリカという国の、この場所がマサチューセッツ州と呼ばれていた頃、この州の都市部や駅には必ずと言っていいほどこの店舗があった。それはこの店がマサチューセッツ州が発祥だったという意味もあったし、片手間で気軽に食べられるドーナツは子供は勿論、大人でも人気があったため、飛躍的に国内中に広まった。今となっては過去の話で、店舗や移動販売などの簡易販売所の残骸が町中に転がっているだけだが……
「ああ、あれ。そういえば同じロゴだったな。ここにかいてある『ボストン・クリームドーナツ』ってドーナツ。すごい美味そうだな。新商品とか書いてあるけど、今となっては新商品どころか、食べるチャンスもなさそうだな」
 嬉しそうだったマクレディの声が半音下がったように思えた。彼の表情は変わらないものの、物足りない、といった感じに思えた。思わず、
「食べてみたいのか?」
 とネイトが口にすると、彼はははっ、と笑った。無理に決まってるだろ、と決めつけたような、半ば諦めたような感じで。
「食べられる訳ないだろ。チョコレートなんて俺は生まれてこの方見た事がないし、このドーナツの説明にある生クリームとか、サクサクの生地とか、そんな食べ物こんな世界で作れる筈ないだろ。文明が衰退して何世紀経ってると思ってるんだ? ……そりゃネイトは食べた事あるだろうから味とかは分かるかもしれないけどさ。……聞いてみたかっただけだよ」
 そう言って、彼は雑誌に再び目を戻し、ぺらぺらとページをめくった。
 ネイトはそんな彼と、Pip-boyの画面に移っている文字を見比べた。画面に移っているドット絵で描かれた文字には、やらなければならないタスクが列を成して書かれてあった。居住地の防衛、居住者の満足度上昇、等々。
 けど、とネイトは思う。
 マクレディは俺にそのページを見せて、言った。「食べた事はあるか」と。
 新商品のページを見て、すごい美味そうだと口にしていた。
 ボストンクリームドーナツというのがどういうものかは分からないが、広告の画像を見る限り、チョコレートがかかったドーナツ記事の間に生クリームを挟んだものだというのは想像できる。
 チョコレートはこの世界では手に入りそうにはないが──それでも。
「食べてみたいのか?」
 再度同じことを聞くと、さすがに口調に何かを感じ取ったのか、マクレディがくい、と再び目線をこちらに向けた。
「……どうしたんだよ、ネイト。さっき無理だと──」
「確かに再現は出来ない。が──それに近いものは作れるかもしれない。お前が食べてみたいというなら俺はそれを再現するよう努力してみようと思う。どうだ?」
 ネイトが言う言葉は有言不実行ではない。彼は成し遂げると言うなら必ずそれを遂行する。それを間近で見ていたマクレディが、ネイトが不可能な事を口にする筈がない──
 マクレディは目を丸くしていた。そして次には口元を少し歪めて、照れくさそうに、けど抑えきれない好奇心を期待してか、頬を赤らめて、言った。
「……食べてみたい」




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 どうも、突然何かが始まってびっくりする間もなかったでしょうが、お久しぶりです。
 ↑に書いてた文章力も語彙力も低下している文は、次回冬コミ(受かったら+コミケが実現したら)で出そうと思っている新刊の冒頭部分(おそらく2~3ページ分)です。
 因みにボストン・クリームドーナツは現実世界に実在し、中の人は単身渡米した際、そのドーナツの発祥地である古式豊かなホテルのレストランで現物を戴きました。
 甘すぎて暫くケーキもドーナツも受け付けなくなりました(笑)ただものすご~~~~~~く美味しかった。
 
 次回のネタが決まったとは8月下旬に呟いてましたが、その後新刊タイトルまで決まってしまって(今回のブログタイトルと同じ)、あーこれは出さないとだめだ。と思い至って今回告知がてら書いてみました。まぁまだネームきってないけど。
 恐らく今回の本はオンデマンドではないです。表紙は印刷所に頼むかもしれないけど。折角数年前に購入したA3プリンターもあるので、それを活用した本になる予定なので、最悪締め切りはコミケ開催一日前でも大丈夫だ! と息巻いてます(汗

 ネームは10月くらいから切ってそっから原稿として描いていこうかなと。こんなコロナ禍で本当にコミケが開催されるか分かりませんが、コミケが開催されなかったら翌年2月に開催されると聞いた洋ゲーオンリーのCityイベント(アンリミ)で出そうと思います。
 早く全員にコロナワクチン届け。中の人は二回打ったけど副作用ひどかったんで三度目はやりたくないっす。

 前回の記事から大分たってしまいました。洋ゲーフェスの新刊が出来て、発送してから届いた感想などすべて大事に保管してます。
 前作は大作だとかすごいとかとても嬉しい感想を数多くいただけて、本当に嬉しい上に感謝感激雨フスロダです。自分の中では大作だとは思ってませんが(おい)。

 思えば四半世紀同人やってきて、人から大作だ、すごい話だ、と言われたことは何度かありましたしそういう話も数多く出してきましたが、元々話を考えるのが好きな奴だ、というのはここやHPに書いてきてるので知ってる人は多いと思います。書いてないけど一次創作のネタも何作かあったりします。出せる機会いつになるか分かりませんが、一次は漫画は無理なので小説になりそうですけどね。ラノベ方面か。
 今流行のなろうとかは興味ないですが、それに近いネタとかもあったり、そうじゃないミステリ方面なのもあったりと、物語の引き出しは結構多く持ってるので、ネタを考える時は多方面から視野角を変えて描いてる感じです。今回のネタもCCにあるスローカムズ・ジョーの奴がバニラであったらな、という感じでできたネタだし。
 前回は成人向け(といっても全然成人向けレベルには程遠かったようですが)で出してましたが、次回新刊は一切そういうのないです。多分キスもないです。ほのぼのラブコメって感じで描くつもりです。こっちの方が居心地満点。
 
 最後に近況。
 ここ3か月くらいアパラチア戻ってます。いやーE3で来年出るDLCにThe Pittが出ると聞いてからこりゃ出戻りしなきゃいけない! と思って戻ってみたら色々追加されて楽しくてしょうがない日々(笑)
 レベルが一気に200↑上がりました。昔のフレは殆どおらず、フレ登録した人の9割はログインしてませんが(涙)、今は結構面白くなってきてるから戻ってきてほしいなあ。
 そして俺と遊んでくれませんかー(笑)

 そんな近況と次回新刊の告知でした。
 コロナワクチンの接種率が50%を到達した中、冬コミが無事に開催されることと、そして誰も犠牲者が増えない事を願うばかりです。中の人も今は元気ですが、いつコロナになるかわからんので・・・
 皆様に早くワクチンと、そして世界からコロナウイルスの概念が消える事を願って。

 また次回の記事でお会いしましょうー

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