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SkyrimとFallout4・76の二次創作メインブログです。 たまにMODの紹介も。
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04.19.19:59

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  • 04/19/19:59

05.22.21:31

Blood feud

 嵌められたと知ったときは既に遅かった。
 ……いや、いつから俺たちは罠にかかっていたのだろう、始めからか? それとも──思い出そうにも、痛みで頭がくらくらする状況ではまともに思いつかない。
 既に手持ちにある必需品の殆どは使い果たしてしまった。残っているのは最後の一つとなったスティムパックと、体力は癒えても傷を治すことが出来ない僅かな携行食糧のみ。銃火器や弾薬の類は普段と変わらないほど持ち合わせているから、反撃使用と思えばいくらでも出来る──いや、出来た、か。この足では最早動くことも適わない。
 自分の右足を見る。左足の脛には銃弾に貫かれた跡がはっきりと残っており、そこから絶えず血が流れ、青いジャンプスーツを赤黒く染めていた。──迂闊だった、と言わざるを得ない。まさかこんな事になるなんて。
 それでも握り締めているスティムパックを使えば、足の怪我も緩和して再び動くことは出来る。──けど、癒したとしてどうする? 周り中敵だらけの中で、また銃弾を浴び再び動けなくなる可能性がないなんて有り得ないのに。
 それならいっその事……俺は傍らで辺りを警戒しつつ目を配っているマクレディに声をかけた。
「──逃げるんだ、マクレディ」

 事の始まりは……恐らく、マクレディとダイヤモンド・シティの飲み屋、ダグアウト・インで寛いでいた時だろう、──つい半日前の事なのに。
「なぁ、……あんた、ミニッツメンだろう?」
 酒場にしつらえてある三人掛けソファーに、俺と隣に座っているマクレディは互いにビールを飲み喉を潤しながら、今日は何をしようかと考えあぐねていたのを邪魔するように、背の低いテーブルを挟んだソファーに男が座りしな、声をかけてきたもんだから、
「……そうだが、見ての通り、今は休憩中なもんでね。何かあるなら終わった後にしてくれないか?」
 やや不機嫌そうに言ってしまったが、隣に座っているマクレディは表情一つ変えず、ビール瓶を口に傾けながら話しかけてきた男をじっと見ていた。見たところ、あちこち擦り切れたシャツを羽織ってスラックスを穿いただけの井出達で、そこらに居る居住者となんら変わらない。顔は日に焼けて浅黒く、こちらを見る青い目は眉を顰めているせいか、曇って見える気がしなくもない。
「話だけでも聞いてくれないか。……本当に困っているんだ」
 困っている、ね。ちらりと隣のマクレディを見ると思ったとおり、目前に居る男同様に表情を曇らせていた。俺は声を掛ける代わりに、彼の肩をぽんぽんと叩いてやると、彼はこっちを振り向き、“俺またそういう顔してたか?”と言いたそうに見つめてくる。
 そのギャップが面白くて、思わずふふっと微かに笑ってしまった。……おっと、今は目の前の男と話してるのに。
「……ああ、いいぜ。何が起きたんだ?」
 水を向けてやると、男はぽつぽつ話し始めた。……が、至って簡単な内容だった。レイダーが自分の身内を誘拐した、助けてほしい、それだけ。
 場所はモールデンにある中等学校だった。ダイヤモンド・シティから北東部に位置する中学校の廃墟。……の地下にはVault75がある。
 その時点で俺はおや、と思った。レイダーがVaultを占拠しているという情報を聞いた覚えがないからだ。連邦中には俺がいたVault111を含め、あちこちに古いVaultの遺跡や今も稼動しているのも存在するが、大体扉が開かれて荒らされまくったVaultを占拠するのはレイダーではなく、ガンナー集団の方が多い。レイダーとて、ガンナーの武力には太刀打ちできないから彼らは古い廃墟しかせいぜい居座る事が出来ないのだろうと思っていたのだが……。
 そしてもう一つ。レイダーが人質を取った、というのも聞いた覚えがない。スーパー・ミュータントやガンナーは人質を取って交渉しなければ殺すという暴挙に出ることはあれど、レイダーが人質を取るという、言ってみれば高尚な手段を持ち合わせるような集団だっただろうか?
 腑に落ちない点がいくつかあるが……助けない訳にはいかないしな。俺は手に持ったビール瓶に入っている液体を一気に飲み干し、
「──分かった。そのレイダーを倒してきてやる」
 そう言うと男は喜び、宜しく頼むと言いながら何度も頭を下げつつ、自分はここで待っていると言いながらダグアウト・インを辞していった。──直後、マクレディが機嫌悪そうに、
「おちおち休んでもいられないんだな、将軍様は」
 俺の気持ちを代弁してくれた。──ま、しょうがないさ。
「そんな言い方するって事は、まさか、ついてこないつもりか?」
 多少からかうつもりでそう言うと、マクレディは顔を動かさず、目だけじろり、と動かしてこちらを見据え、
「──俺が居ないと困るって言うくせに」
 ああ、その通りさ。「困るに決まってるだろ、誰が俺の背後からスナイパーライフルで仕留めてくれるんだ?」
  褒めたつもりではないが、マクレディは褒められたと勘違いしたのか、照れくさそうに目を逸らした。……そういう所がまだ幼さを感じさせる。
「じゃ、早速モールデンに向かおう。三時間位あれば着くかな」
 今は昼前の11時過ぎ。午後3時前には着くだろう。普段、夜に行動するのが俺のモットーだが今回は室内、しかも廃墟のVaultとなれば外が明るかろうが暗かろうが関係ない。さっさと済ませてさっさと誘拐された人を戻したほうが気分がいいのは確かだ。

 案の定、というか、予定通りというか──Vault75の入り口に着いたのは昼の3時前。
 モールデン中等学校の廃墟にある入り口から中に入り、そこから薄暗い廊下の通った先に現れたのは開かれっぱなしのVault75の扉だった。電力は未だ稼動しており、あちこちからウィィ……と機械の動く静かな動作音が耳に入ってくる。
 歯車の形に切り取られた、重厚な扉の先にはエレベーターのボタンが明滅しながら主を待つかのように佇んでいる。
「このVaultが開かれたのはかなり前みたいだな。開かれる前からこんなんだったんだろうが」
 マクレディが誰とはなしにそこら中に散乱している、今となっては骨だけしか残らない骸を蹴っ飛ばしながらごちている。今のところ、レイダーの姿は見受けられない。居るとしたらVaultの内部か。手にしたコンバットライフルの弾倉を確かめていると、音もなくエレベーターの扉がすっと開いた。開いたエレベーターの室内は一般的なそれと同じで、唯一違う点はここがVaultの内部だと現すに相応しいVault-tecのロゴが真ん中にでかでかと描かれてあるだけだった。
「来た。……行くぞ」
「了解」
 短い挨拶を交わし、互いに狭いエレベーターに乗り込み、降下ボタンを押すと『下に参ります』と合成音声が扉を閉めながら一気に鋼鉄の箱を降ろしていく。地下何メートルの位置にVault居住地区はあるのだろうか、と思っていると『下層階』合成音と共に扉が開いた。
 静かだった。……誰の姿も見えないし声もしない。明りは煌々と灯されており眩しい位だが、ここが廃墟なのだと現すように辺り一面物が散乱し、床は黴と汚れが浮いていて、人が住むのに適した環境ではないと訴えているかのようだった。
「人の気配が感じられないな……」
 背後で歩くマクレディがぽつりと言う。俺は背を低くし、足音を極力立てないように屈みながらゆっくりと歩き出した。明りの前に立つ訳には行かない。矢面に立つのと同じ事だからだ。
 じりじりと、ゆっくりとした足取りで気配を察知しつつ歩いていくと──進む廊下の右側──恐らくラウンジ辺りだろう──から微かに物音が聞こえてくる。人の歩く足音だ。……レイダーだろうか。
 マクレディに静かに歩けと手で合図しながら、俺はゆっくりと廊下の角から頭を突き出し、その先──開けたホールのようなラウンジを見た。
 ……テーブルやがらくたが散乱していてあまりよくは見えないが……部屋の奥に二人ほど動いている姿が見える。ここからだと他に誰かが居る感じではなさそうだ。もう少し進んだ先で確認し、誰も居なければ一撃で倒せばいい。
「マクレディ、先の部屋に居る奴らを仕留めるぞ」
 彼は目視していたらしく、小声で再び了解とだけ言ってきた。にじり寄るように歩いてラウンジの手前までくると、はっきりその姿を確認することが出来た。……が。
「──あれは、ガンナーじゃないか」
 思わず口に出さずにはいられなかった。歩いている奴らは全員四肢と胴体を守るコンバットアーマーを身につけ、頭にはヘルメット等を被った全身防備を備えている奴らばかりだったのだ。辺りをせわしなく警戒している姿も、レイダー達のような無能(失礼)の集団とは違い、手練れの傭兵さながらのやり方をしている。敵が何処に隠れ、どこから狙撃してくるかを分かっているような動き。
 確かレイダーに誘拐された、とあの男は言ってた筈だ。──なのにどうして、ここにガンナーが居るんだ? 俺らが来る前にガンナーがレイダーを襲撃したのか、と思ったがそれはおかしい。ここに来るまでに死体を一つも──Vault居住者の骸骨は無視して──見ていないのだ。
 即ち、ここには最初からガンナーの集団が棲みついているという事。……しかしこの開けた場所には二人しか居なさそうだ。正確に倒していけば、然程苦労する相手でもあるまい。
「どうする、ジュリアン」マクレディが言ってくる。
「俺は左を撃つ。お前は右だ」
 短くそう答え、コンバットライフルの照準に目を当てた。円状に作られた照準の真ん中に敵を当てると、躊躇いもせず引き金を引く。サイレンサー付きのため、ぱしゅ、と短くくぐもった音が響くと同時に薬室に送り込まれた銃弾が勢いよく弾き飛ばされ──
「ぐぉっ」「うぁっ」
 ほぼ同時に、俺とマクレディの放った弾が狙い済ました奴に当たり、その二人が身を捩じらせながら床に倒れた──直後。

 ばっ、ばっ、と天井──いや、二階だ──から俺たちめがけて一斉に光が注がれたのだ。サーチライトの光──ばれたか?
「マクレディ、一旦引──」
 目を焼かないように片目を閉じながら傍らに居るマクレディに声をかけたのと、上の階から野太い声が響いたのはほぼ同時だった。
「はははっ、馬鹿め。引っかかったな!」
 引っかかった? 何に? 
 疑問に応えるよりもここから一旦退いた方が懸命だと思い、ラウンジから出ようとしたものの──しゅっ、という微かな電子音が扉を閉めた事を俺に伝えてくれた。誰が閉めたんだ?
「おっと、逃がさないぜ、マクレディ。──俺を知ってるだろう?」
 再びあの野太い声。……強烈な光に目がだいぶ慣れてきたのか、はたまた何故か相手が光量を下げたのか、姿を見ることが出来た。ラウンジの先、反対側の扉の上に廊下が左右を繋ぐ橋渡しのように架かっている。
 そこに──パワーアーマーを着ている男が突っ立っていた。左肩と左足が欠落しており、フレームが顔を覗かせている。──ああ、あと顔もだ。年は俺と似たり寄ったり。無精髭を蓄えており、眉毛は長年剃っていないのか太く濃いのが遠くからでも見えた。
 こちらが見つかっている以上、屈んでいる意味も無いので俺は立ち上がった。──が、傍らのマクレディは屈んだまま微動だにしない。それどころか、愕然とした表情さえ浮かべている。
「………え? なんで……」
 どうした、と声をかける前に、階上の廊下に居る男が声をかけてきた。
「久しぶりだな、マクレディ。──お前がウィンロックとバーンズを倒した事は薄々気付いていた。だからお礼参りに来たって訳だ。……俺のことを忘れちゃいないだろう?」
 何のことかさっぱり話を掴めない俺を他所に、マクレディは身を震わせ、上に突っ立っている男を凝視していた。
 時々「嘘だろ……?」とか細い声を上げながら。



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 ども、ご無沙汰してました。
 やっと書けました……というかこの話前から書いてみたかったんです。
 といってもまだ冒頭の逃げるくだりの話が出てないから、経緯しかなくって話が見えないかもしれません、すいません・・・・

 前についったで独白してましたけど、
「マクレディを雇ってた人たち、ウィンロックとバーンズが死んだからって、ガンナーがマクレディの報復を忘れることはないんじゃないの?」 
 的なことを考えて書いた話がこれです。後半読まないとさっぱりですね><

 とりあえず後半で終わらせるつもりですが、ちょっと長くなりすぎたので今回は前編という形でとめました。
 後編も書きますので気長にお待ちを。

 であ最後に、とあるついったのコラ用で作った自キャラ111さんのカラー絵をはぢめて描いたので載せておきますw
 オレンジ頭なのはSkyrimのジュリアンと(つまりモトネタのSFIIIのジュリアンと)同じですけど、若干顔は変えてます。一応FO4のキャラクターに似せたつもりですが・・・どうかなぁ。



 マクレディもまともな絵を近々描きたいですね、。。。
 ではまた。後編をお楽しみ(?)に。

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