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SkyrimとFallout4・76の二次創作メインブログです。 たまにMODの紹介も。
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04.26.09:16

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  • 04/26/09:16

01.27.00:10

After the Carnival

前回までのシリーズ二次創作小説の後日談です。
読んでない方はそっから読みましょう

最後のほうに今回の舞台となったSSがちらっとあったり。



「……ったく! あの馬鹿!」
  慌てて欄干に駆け寄り、下方を見る。──飛沫が上がった場所から、ごぼごぼと立つ泡。──気を失ったのか、上がってくる気配が無い。
 俺は毒づきながら欄干に脚を掛け、すぅ、と深く息を吸って──そのまま川へと飛び込んだ。

 こうなる発端のきっかけは、今から数時間前のこと──
 俺とマクレディがちょうど、Dr.アマリの検診に呼ばれてグッドネイバーに立ち寄った時だった。
 あの一件から早くも二週間が経ち、俺も彼も、特にいたって変なところも出なければ不調も訴えてないのだが、アマリが何かあったら困るから、という事で定期的に俺達は彼女の元を訪れるべく、グッドネイバーはメモリー・デンに足繁く通っていた……といっても、足繁くという言葉通りなのは最初の一週間だけで、二週間目入る前からは週一でいいと言われたので、今回はそれから一週間後と言うわけだが。
 アマリの所でやるのは、バイタルのチェックと──キャリントンが居なくても彼女だけで診れるようにどうやら指導してもらったらしい──問診位のもので、二人でもわずか30分もあればすぐ済んでしまうという、いたって簡素な検査だった。最初の数回こそ脳波のチェックとかさせられて時間も取られたが、これからもこの先も不調は表れないだろう、お互い。
 アマリもそれが分かっているのか、
「じゃ、次は半月後位でいいかしら」
 と言ってくれたのが助かった。何せ、グッドネイバーで泊まるといったらレクスフォードホテルしかないのもあるのと、わざわざキャップを払って泊まるのももったいない気もしていたので、半月後と言う提案は俺もマクレディも大いに賛成だった──来訪者が俺と彼を呼びに来るまでは。
「ジュリアン、マクレディ、いるか」
 ぶっきらぼうに呼び捨てでメモリー・デンにやってきたのはグッドネイバーを守る自警団の連中の一人だった。ちょうど俺とマクレディが検査を終えてそろそろ出ようと思った矢先に来たので、鉢合わせ状態になる。何か用でも、と話を向けると相手は旧州議事堂に来い、とだけ言ったのだった。
 ハンコック市長が待っている、と付け加えて。

「おぅ、来たか。あんた達の姿を見たって言う奴がいたから、呼びに出したんだ。……変に身構えなくたっていい、たいした用じゃないしな」
 俺とマクレディが旧州議事堂は二階にあるハンコック市長の私室に入ると、気づいた市長がこちらに手をひらひらとさせながら近づいてきた。私室、といっても元はキッチンだったのか、壁にはシステムキッチンの残骸が置かれたまま、現在は台の代わりになっているらしく、ラジオや救急箱、食料品が雑多に置かれたままになっている。キッチンの手前にはソファーと背の低いテーブルが鎮座してあり、その上にはジェットやサイコ等の薬物が散らかったまま放置されていた。使用後の状態のもあれば、未使用のもある。いかがわしい雰囲気だったが、俺は別段気にしない。ジェットもサイコも好きではないし好んで自ら口に含もうとはしないが、ハンコックが自らそれに溺れてフェラルになった経緯を知っているし、それを咎める立場じゃないのも知っているから、だ。
 しかし隣にいるマクレディは薬物が好きじゃないのと、俺みたいに流せる性格じゃない──即ち幼い──せいであからさまに顔をしかめていた。俺がジェットを手にするだけで「もし使うなら用法容量守って使えよ。……どの薬にも、箱の外側にはそう書いてあったからな」とまで言う位だから、薬で溺れ、堕落していく人を散々見てきたのだろう。
「たいした用じゃないのに俺達を探してたような口ぶりだな、……で、用件は?」
 探るように相手の言う事を鸚鵡返しで問い返すと、ハンコック市長は目を細めて口を歪ませる。笑っているのだ。表皮はおろか、皮膚のあちこちが剥がれ落ちぼろぼろの肌となっても表情は分かる。彼らフェラルを人非ず、と声高に叫ぶ者も知っているが、俺はハンコック市長の気さくな人格とおおらかな性格の方が好きだった。だから、彼からの直々の依頼にも苦言を言わず遂行した事だってある。
「いやなに、……とある伝手から聞いたのさ、二週間ほど前にここの下……サード・レールで起きたガンナーの揉め事。どうやらその発端があんたとそこにいるマクレディ、二人だと聞いてな。……待て待て、別にあんた達を糾弾しようとか、そういうんじゃない。むしろ謝らなければいけないのはこちらの方だ。
 何があったのかは知らないが、あんたたちは被害者だ。元々はガンナー連中をグッドネイバーに引き入れた我々に責任があるようなもんだ。だから、あんた達を罰するとか、そういうつもりで呼び出した訳じゃないって事さ。……そのお詫びを受け取ってもらいたく、呼び出したって訳だ」
「お詫び? ……俺達は迷惑こそしたかもしれないが、あんたにお詫びを貰う側に回ったなんて思っちゃいないが」
 ウマい話には裏があると言うしな。ハンコックを信用してない訳じゃないが、今の話からして俺らにお詫びをする理由があるとは思えない。
 勿論それはハンコックも分かっていたのか、両手でこちらを抑える仕草を見せながら分かっている、と言い、
「そう疑うなよ、せっかくそれっぽい言い訳を探して言ったのに……まぁ、確かに俺がお詫びをする理由も謂れもないのは分かってる。けど俺はあんた達に一つイイモノを上げたいのは確かだ──これ、なんだがな」
 そう言いながら、ハンコックが懐から出したのは──一つの鍵だった。何処の鍵なのか、と問う前にハンコックの方が口を開く。
「メモリー・デンの上に、空き部屋があるのは知ってるか? ……知らないだろうな。これはその部屋の鍵だ。部屋にはメモリー・デン右脇の扉からエレベーターで行けるようになっている。これをあんた達にやろうと思って、呼び出したって事さ」
「へぇ、さっきのお詫びってのが部屋一つときたか。さすが市長、スケールが違うな」
 マクレディが皮肉めいた言い方で返す。ハンコックはそれには無視して、差し出してきた鍵を俺は無意識に受け取ってしまった。
「……後から見返りを求めてきたりするのか?」
 鎌を掛けてみると、はははと口を開けてハンコックが笑う。そういうこともあるかもしれないが今はないだろうな、とぽつりと言ってから、
「こっちとしても空き部屋を放置するのは色々面倒なんだ。維持とか何かとキャップがかさむんでな。だからあんた達が管理してくれるならそれでいい。家賃も取らないから、好きなだけ改造すりゃいいさ。……おっと、火事とかは起こさないでくれよ。町を灰にさせたくはないからな」
 どうやら本音はそっちの方だった。そういうことなら、と俺は了承する。
 辞する前、ハンコックはにたりと笑って、二人で住むのはちょっと狭いかもしれないぞ、と付け足すように言った。

「……なるほど、確かにこりゃ狭いな」
 部屋に入った途端、口から漏れたのはそれだった。
 広さは大体、10坪ちょいだろうか。こぢんまりとしたワンルームと、その脇にキッチンとワークベンチが置かれてある。家具といえるものは、やや埃を纏っているセミダブルのベッドが一つ。二人がけのソファー一脚とそれにあわせた木製のテーブルが一台だけという有様。そのいずれにも埃が被っていた。
「どうみても一人用だよな、これ」
 マクレディがベッドを見ながらぽつりと漏らす。……まぁ、二人で眠れなくもないだろうが、やや窮屈になるのは否めないだろう。
「ベッドが一つなのはな……マクレディが俺と一緒のベッドでも良いと言うなら話は別だが」
 からかうつもりで言ってみると、案の定マクレディは「男二人が同じベッドで寝て何が楽しいんだか」と妙に照れた様子でぷいと顔をこちらから見えない位置に逸らす。そういう態度が面白くて、俺は事あるごとに彼をからかっていた。度を過ぎると大体怒るのだが、そんな状態になろうと彼は俺の傍から前より心持ち近い位置でついてくるようになった……気がする。
「……仕方が無い、ベッドを作る材料を仕入れてこなくちゃ駄目かもな。グッドネイバーの店じゃたかが知れてるから、もうちょっと流通が通る店に行かないと」
 それならバンカーヒルはどうか、とマクレディが提案する。隊商が立ち寄る場所だから確かにあそこならベッドを作る材料も楽に手に入るだろう。グッドネイバーからは然程遠くないし、往復二時間もあれば戻ってこられる筈だ。
「ついでにさ、安酒も買い込んでここで飲まないか、ジュリアン」
 マクレディが付け足すように言ってくる。まぁ、安酒ならここグッドネイバーでも買えるのだが、品数はあちらのが上だろう。今日は可及的速やかに行う依頼もなければ用事も無い。新しい部屋で景気づけしても誰も文句は言わない筈だ……多分。
 そうと決まれば、と俺とマクレディは一旦、グッドネイバーを出てバンカーヒルに向かう事にした。

 その道中にあんな事が起きたのだ。

 珍しくマクレディが俺の前を歩いている。なんだかよくわからんが彼は上機嫌の様子だった。さっきからかわれた事なぞすっかり忘れたらしいその態度に、俺は怪訝さを通り越してこちらまで不思議と楽しい気分になっていた。つられる、というのはこういうことなのだろうか。
「なんかご機嫌だな、マクレディ」
 そう言うと、彼はそうかな、と言いながらふっとこちらを振り向いて、後ろ足で前に進み始めた。ゆっくりと。
「多分、嬉しいんだ……と思う。ほら、居住地はいくらでもあるけどさ、その……ああいう、他の誰も侵害されない部屋みたいなのは俺、持った事ないから」
 ホームプレートがあるじゃないか、と言ってみるも、彼は黙って首を横に振った。「ダイヤモンドシティは……俺には眩しすぎて。というか、ジュリアンだってあまりあそこには戻らないじゃないか。だから、あんたも俺と同じなんだろうなって思ってたんだけど……違うか?」
 ご明察の通り。俺は確かにホームプレートという、ダイヤモンドシティの一等地に家を持っているが、どうにも馴染めず放置したままだった。後ろめたい理由があったりとか、そういう訳じゃない。ただなんとなく……あの喧騒と、人々の輪の中に入るのが馴染めなかった。戦前、軍隊に所属してたときからも若干浮いた存在だったからかもしれない。一匹狼だよね、といわれた事だって何度もある。……それが今はマクレディと行動を共にしているのだから、おかしな話だ。
 そう伝えると、彼はやっぱり、と言って「だから、あそこに住める場所が持てるってのは俺も嬉しいのかもしれないな。……長く居るのは嫌な場所だけど、立ち寄ったり、戻る場所としてなら、グッドネイバーの方がずっと居心地がいいのは確かだから」
 ゆっくり歩いていると、チャールズ川を渡る橋の中腹までやってきた。これを渡ればバンカーヒルはすぐそこだった。コンクリート製の橋はあちこちが剥がれ落ち、鉄筋や橋の下──即ち川面──がむき出しで見える箇所も多く見受けられる。そのため、足元を掬われると川にまっさかさま──なんて事もありえるのだ。最も、地面をちゃんと見ながら歩けばそんな事は起きない。……筈だった。
「バンカーヒルは目の前だぞ、マクレディ。……お前にも荷物運ぶの手伝ってもらうからな」
 そう言って、走り出す。大分陽が傾いている。あまりゆっくりしていると帰りが遅くなるかもしれない。
 走り出した俺に合わせるように、分かってるよと言って彼は後ろ向きに歩いていた足を正面に向きなおした時だった。
「あ、」
 素っ頓狂な彼の声に、ん? と俺が足を止めて後方を振り向くと、──一瞬自分の目の前で何が起きたのか分からなかった。
 マクレディが俺の視界から消えたのだ。……正確には、消えたのではなく下に落ちていった、と表現したほうが正解だったかもしれない。
「………マクレディ?!」
 僅か数秒後、ざぱーん、という水飛沫の音で全てを察した。落ちたのだ。コンクリートの剥がれた一部の穴から。
 大慌てで欄干に駆け寄り、下方を見ると飛沫が上がった場所に空気の泡がごぼごぼと立てているものの、マクレディ自身が浮き上がってくる様子が見受けられない。俺は欄干に脚を掛け、深呼吸をして息を止め──次の瞬間、空中に身を躍らせていた。
 僅かな間の後、激しく叩きつける水音と同時に冷たい感触が全身を覆った。身体を浮き上がらせ、手で水を掻き分けるように進むも、マクレディの身体は水面に浮かんできていない。
「くそっ」
 再度息を深く吸い込み、俺は水面に潜った。濁っていて僅かな先でも見通しが利かない水中を目を凝らしながら進むと──黒い影が見えた。近づくと、水の中故に視界がぼやけているが、間違いなくマクレディだった。彼の両肩を掴み、足のみを動かしてようやく水面に顔を出す。
 ぷはっ、と息を吐き出し深呼吸。……マクレディは気を失っているのか、ぐったりしていた。世話かけさせやがって、と毒づきたい所を抑えて、俺は彼の身体を引っ張るようにして川縁に近づく。マクレディを先に浅瀬に上げてから、水面から身を出すと、体中からぼたぼたと水滴が滴り落ちた。この格好のままでいると風邪をひいちまいそうだ。
「マクレディ、おい、大丈夫か」
 彼の頬を叩くも、水を吸い込んだのかぐったりしていて意識が無い。不意を突かれた状態で水面に落ちたのだ、身構える余裕もなかったのだろう。このまま放置していると命に関わるのは間違いなさそうだった。
 身体を仰向けにさせ、顎を上げるようにして気道を確保させてから、彼の鼻をきゅっとつまみ。息を吸って──彼の口に自らのそれを当てた。
 すぅ、と息をふきかけるようにして数秒の後、つまんでいた鼻を離す。再度息を吸い、鼻をつまんで口を重ね、息を吹きかけると、げほっ、げほっ、と咳き込むようにしてマクレディが水を吐き出し始めた。
 身体を横に寝かせるような姿勢にさせ、吐き出すままにさせてやると、相変わらず目を閉じたまま何度も咳き込みながら水を吐く。おかげで呼吸は回復したのか、胸は上下に動いている。ほっとした。全く、世話のかかる奴だ。
 衣服を緩めるためにダスターコートのボタンを外しながら、何かあたためるものを、と思ったが生憎手持ちは何もなく(買出しするために全ておいてきたせいだ)、ここにいては互いに身体を冷やすだけだった。仕方なく、彼を担いで一旦グッドネイバーに戻ろうと思った矢先……マクレディが俺の腕をぎゅっと掴みしな、
「……行くな」
 とだけ言ってきたので「は?」と思わず返してしまう。……が、寝言(?)だったのか、それ以上は何も言ってこなかった。
「寝言は寝てから言え、っての……くそ、二度手間じゃねぇか」
 彼の身体を担ぎ、川縁から街道に戻ってから、俺はバンカーヒル手前で泣く泣くグッドネイバーへ戻る道を歩いていった。

「……ん、ん」
 鼻をくすぐるいい匂いに、マクレディは閉じていた瞼を開いた。……見慣れない天井だった。
 四方を見てすぐ、先程ハンコックから貰ったばかりの部屋だと気づく。いつの間にここに戻ってきたんだっけ? 俺? と思うと同時に、隣からトントンと小気味良い規則正しい音が聞こえてくる。
 身を起こしてから、自分の衣服がいつものと違うのと、あのセミダブルのベッドで寝ていた事に気づかされた。あれ? と思うのと隣室からジュリアンが手に何かを持ちながら出てきたのはほぼ同時だった。

 いつの間に起きていたのか、マクレディがベッド脇で座りながらぽかんとした表情で、キッチンから出てきた俺を見ている。……何が起きたか気づいていないのかこいつは。
「やっと起きたか、寝ぼすけ野郎。……ったく、どんだけ俺が手間食ったと思ってるんだ」
 そう言っても、全く何が起きたのか分かっていない様子だったものの、段々と何かを思い出しかけてきたらしく、
「……確かジュリアンとバンカーヒルに向かってたんだよな? 俺……夢じゃないよな」
「ああ、夢じゃない。お前が変な歩き方してるから足元掬われてチャールズ川にまっさかさま、なんて事にならなけりゃな」
 しかめ面で答えてやると、マクレディは何かを思い出したのか、顔から瞬時にさっと血の気が引いた。
「……そうだ、俺、確かジュリアンのほうに向き直って、そして……」
 言いながらマクレディの顔がどんどん青ざめていく。濡れるのが大嫌い、としょっちゅう言ってるだけあって、川に落ちたのがよほど堪えたらしい。
「俺が助けてやらなかったらお前今頃土左衛門だな。……ったく、なんでこうもお前は命を無駄にしがちなんだか。助ける方の俺の身にもなってくれよな」
 責めてるつもりではなかったが、そう言われてさすがに責任を感じたのか、マクレディがごめん、と素直に謝ってきたのでそれ以上言うのをやめた。……まぁ、助かってよかったと思っているのは事実だし。
「……多分身構える余裕もなかったのか、かなり水を吸ってたみたいだからな、人工呼吸したらすぐに吸い込んでた水を吐いてくれたんでよかった。その後一旦こっちに戻ってきて、お前と自分の濡れた衣服を替えてから、再度バンカーヒルに向かって買出しして帰ってきたんだ。調理してたらお前が目覚めたって訳……って、おい、どうした、マクレディ?」
 話してる最中、さっきまで青ざめていたマクレディの顔がどんどん赤くなっていったので、熱でも出たんじゃないかと不安になる。……が、彼の反応は俺の予想とは全く違っていた。
「……俺の服を脱がせたのか?」
 やたら深刻そうな言い方だった。「……別に、男女ならまだしも男同士だし、別に服を脱がせる事がおかしな話じゃないだろ。……嫌だったのか?」
 マクレディは顔から火が出るくらい真っ赤になっていた。視線を逸らし、妙にそわそわしながら、口に手を当てる仕草までしているのが変だった。ちら、と窓側を見ると、自分の衣服がベランダに干してあるのに気づいたのか、ぼんやり眺めている。……まぁ隣には俺のジャンプスーツも干してある訳だが。
 ベランダには洗濯するために使ったアブラクシオ・クリーナーと洗面器が置かれてある。相当汚くて洗うのに手間取ったのは……この際目を瞑ろう。
「そんなに服を脱がされるのが嫌だったのか? ……というか、その服だって着せたの俺なんだけど」
 バンカーヒルでマクレディに合う衣服を適当に見繕ってきただけだが、まぁ、思った以上に彼が痩せっぽちだったので買ってきた服の方が大きい有様だったのは秘密だ。
「べ、べ、べつに………あんたならいい」
 俺ならいい? その意味が分からず首を傾げてしまうも、まぁ、大した意味はないんだろうな。さっきの寝言同様。
 ……頼むから、次からはこういう事を起こさないで貰いたいものだ。何度も何度も命の危険に晒されて、こっちの寿命が持たないからな。
「……おかげでベッドは暫く二人兼用だな。寝相悪くするなよ。さ、晩御飯にしようぜ、腹減ったろ?」
 言いながら、さっきから手に持ったままの皿をテーブルに置いた。マクレディは立ち上がってソファーに座る。俺は給仕係かよ、と思ったがまあ、いいだろう。全く俺もマクレディにだけは相好を崩すようになっちまったな。
 グインネットやワインなどの酒類、バラモンや犬の肉のソテーなど、テーブルに並べてからめいめい瓶ごと手にして乾杯する。マクレディは相変わらず顔を赤らめたまま黙って口を運んでいた。おいしいか、と聞くと彼は黙ったまま頷くだけ。……酒宴をしようといった奴が黙っているのはどうかと思うが、まぁ、今日のところは多めに見てやろう。
 新しく手に入れた部屋から見える外の景色はすっかり夜の帳が落ちて何も見えないが、旧州議事堂の明かりだけが、ぼんやりとグッドネイバーの町を照らしていた。


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後日談ということで書いてみましたが、なんかどんどんおかしな方向へ。
ふぉーぎぶみー。

今回の舞台となったグッドネイバーの部屋はこんなとこでし。(なんかマックとパパが抱き合ってますが無視してください(笑)


狭いけどなかなかいいお部屋。気に入ったのでとりあえずマックと同棲中(笑)
MODはこちら。
Goodneighbor Apartment


二次方面もどんどんパパマク方面にいってますが相変わらずうちのパパさんは全く何にも考えておりません。
それでいいです。たぶん。

ではまた次回更新日に!


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