04.18.22:57
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08.22.14:15
Fear.
※Skyrim二次創作小説第2チャプターです。その手のモノが苦手な方はブラウザバックをどうぞ。
これは第2チャプターです。1話から読みたい方は前回の日記「Taken.」からどうぞ。
同じ夢を繰り返し繰り返し見ることは、あるかい?
それが全く違う場所から始まったとしても、行き着く先は同じ場所、同じ光景、同じ“コトバ”──
でも夢から醒めれば、それは夢だったって胸を撫で下ろすだろう。
“起きた”場所も、夢の世界でなければ、ね──
「───ッ!」
目を開ければ、まっすぐ瞳孔を貫くように飛び込んでくる光。焼き尽くされるような痛みと共に俺は思わず手を目前へかざす。
かざした手によって目を焼き尽くされることは免れたが、その次には倦怠感が全身を包み、持ち上げていた腕すら支えているのもままならない。
「……はぁ、はぁ、はぁ……」
荒い呼吸音を整えつつ、薄ら目を開けたまま、ゆっくりと腕を下げると……そこには変わらず見慣れた天井。いつも眠る場所で、瞼を閉じる寸前まで見ているであろうもの。
……また、あの夢を見たのか……。
あの日から始まった、毎日繰り返す夢。繰り返し見る光景……思い出すだけで吐き気がする。枕の上で転がすようにして頭を数回振った。今はあのおぞましい思考を振り払いたかった。一体なんで、こんな悪夢を見るようになっちまったんだろう……
これか、と思う原因はあった。だから出てくるのだろう、ミラークが。復活を邪魔する俺を阻止しようと……。
眠気はすっかり失せてしまった。仕方なく俺はベッドから上半身だけ身を起こす。落ち着こうと思わず胸に手を当てたとき、また自分の身体が汗でじっとり濡れていることに気づき、思わず舌打ちを打った。またセラーナに訝しがられてしまう……
そう思ったところで、俺が起きた事を察して彼女が寝室に来たりしないかと思わず息を殺して気配を窺ってしまう。
……が、寝室に向かってくる足音は聞こえてこなかった。俺が寝ている間、セラーナは大抵、上にしつらえてある暖炉の辺りで身を温めている事が多い。眠らない彼女にとって俺が寝ている時間はさぞ退屈らしく、暖をとりながらそこで俺が起きる朝まで過ごしているのだ。
すっかり目が覚めてしまったため、ベッドから起き上がりしな、また汗でじっとり濡れてしまったチュニックを脱ぎ捨てた。
……ここ数日、満足に眠れていないのは自分が一番分かっていた。毎日毎日、同じ夢を繰り返し見るのだ……同じ場所で、同じ光景を。
悪夢を司るヴァーミルナのせいかと最初は思った、が、それは違うとすぐに思い至った。夢で見る場所はハルメアス・モラのアポクリファの中だけだったし、それに……
「………」
無言で自分の手のひらを見つめる。何も掴んでないし、何もない。やや汗ばんだ手のひらが視界に写るだけだ、何もおかしなところなど無い。
俺は重い腰を上げてベッドから立ち上がり、寝室を出る。上半身裸に素足という井出達でぺたぺたと室内を見て回るが、やはり地下にセラーナの姿は無かった。首を動かして辺りを見回したところで、やはり上か、と建物の真ん中にある幅広の階段を上っていく。
階段を上がろうとした時、何か上着を着てくればよかったかなと思ったが、家の中は寒いと感じない位の暖かさだったため、戻ろうとせずそのまま階段を上がる。
一階に着くと、玄関扉が正面に現れた。そして階段を中心にぐるりと開けたホール状の部屋。間仕切り等はされておらず、玄関扉と向かい合わせの壁に暖炉と鍋がしつらえてあるだけの簡素な部屋だ。
階段を上りきったところでくるり、と反対側を向くと、セラーナが暖炉の前に置かれた椅子に座ってぼんやり本を読んでいた。地下にある書架にあった一冊を持ってきたのだろう、目を左右に動かしている様子がないことから本を読んでいる様子はなく、ただ暇つぶしに持ってきた、という感じにしか見受けられなかった。
「セラーナ」
呼ぶとすぐ、彼女は本に向けてやや俯かせていた顔をあげ、声が聞こえてきた方──即ち俺──に視線を向けた。直後嫌なものでも見るかの如く眉を顰めてこちらを凝視してくる。奇異の目、というより怪訝そうなそれだった。
「……また深夜に徘徊ですの? いつからあなたは年寄りに成り下がったのかしら?」
勿論冗談で言っているのだろうが、やや刺々しい言い方に彼女なりの気遣いが出ているようで、ずきん、と胸が痛んだ。……毎晩見る夢の話を一切彼女にしていないからだ。毎晩夜中に起きている──眠れない理由がある事に気づかないほど彼女は愚かではない。
「失礼なこと言うなよ、……ちょっと眠れないだけさ」
ばつが悪そうに彼女の方へと近づいていく。セラーナははぁ、とため息を一つこぼし……手に持っていた本をぱたん、と閉じて手近なテーブルに置いた。
「何故突然眠れなくなったんですの? それまでは私が起こさない限り昼近くまで寝ることもあったのに?」
そういうことは前の晩に酩酊した時しかないぜ、と言いたかったが今は口論する気ではなかったし、喋りたい気分でもなかった。身体は休ませろと言っているのに頭が冴えて眠れない時のような倦怠感が全身を覆って、余計な事を喋るつもりにはなれなかったのだ。
「それは……その、寝るとまたミラークに操られてしまうんじゃないかって思うと、どうしても寝付けなくなっちまってさ、はは……」
口だけで笑ってみせたが、目は笑っていないのを自分自身も、そして目前に居るセラーナも分かっていた。怪訝そうな視線は先ほどから変わらず、何かを隠している、という事が分かっているのは明白で、
「こないだ、うなされてた時からですわ。……毎晩汗でじっとりベッドシーツが濡れているのを私が気づかない訳ありませんのよ。お分かりでして?」
牽制するかのようにぽつりと自分の意見を漏らす。言い分は最もだった。一人しか寝ていないベッドシーツが毎晩濡れているのだ、ソルスセイムはスカイリム程ではないにしろ、ヴァーデンフェルの北側に位置する島だ、雪がちらつく日こそあれ、汗ばむ陽気の日など殆ど、というより滅多に──無い。
ベッドの上で汗をかくような行為を一人で行う訳がないとしたら……セラーナが疑わない理由など無かった。
俺が黙っているのに痺れを切らしたのか、セラーナは食い下がらず、
「ジュリアン、話したくないならそれでも構いませんわ、けど私はあなたが毎晩眠れず憔悴しきっていくのを見ていくほど悠長な性格ではありませんでしてよ、毎晩何故眠れないのか話していただけませんの?」
珍しくストレートに聞いてきた彼女に俺は驚きを隠せなかった。普段なら俺が言うまで何も聞いてこないのに……それはつまり、彼女が焦るほど俺の身を案じているって事か? 心の中で葛藤する自分が居た。けど話したところで毎晩同じ夢を見る感覚をセラーナに分かってもらえるかと思えばそれも疑問だった。
そう、そうなのだ、俺は毎晩、アポクリファの中で───
『……これ以上……すれば、貴様………してやっても……』
『我は見つけたぞ…………がどうなって……貴様の……弱さを………』
『開放………ば、……女………し……』
『───ジュリアン!』
「……っぁあああっ!」 瞼の裏で、閃光と共に思い出す光景。
耐え切れず俺は頭を抱えてテーブルに突っ伏していた。思わずセラーナが駆け寄るも、俺は手で大丈夫のポーズを取る。彼女に心配をかけたくはなかった。……今となってはそれも無理な話だが。
深呼吸を何度かし、息を整える。大丈夫だ、大丈……
と心の中で言いながら彼女に向けた手をつと見ると──透けていた。輪郭を残して手のひら部分が半透明に透けていたのだ。半透明の先には──セラーナの心配そうな顔。
「……なっ!?」
ばっ、と両手のひらを先程寝室でやったように再度見つめるが、一瞬目にしたような手が透けて向こう側が見えるなんて事はなかった。浅黒く雪焼けした手のひらがそこにある。
──見間違いなのか? これじゃ……まるで、夢で見た光景……
「ジュリアン?」
セラーナが気遣うように小声で俺を呼んでくる。くそっ、と内心毒づいた。
話したっていいじゃないか、と思う自分も居る──けど話せば俺が彼女を巻き込むことになるのは明白だった。自分だけの問題なのだ。これは──俺とミラークとの。
……けど、もしさっきのようになったら?
もし“夢が夢じゃなくなったら?”
──ぞくり、と背中を這い上がるような恐怖。
よほど俺の顔が青ざめていたのか、セラーナが尚も俺の名前を呼んだ。しかし、その声は俺に届いていなかった。
フラッシュバックのように現れた夢の断片──毎晩見る悪夢。その時俺に叫びかける──ミラークは毎晩俺にこう言っていた。
『何故我が貴様の夢に現れているか分かるか? 自分が何をしているか分かっているだろう?
貴様は我の復活を邪魔しようとソルスセイム各地の岩を我の呪縛から解こうとしている。それが許せんのだ。
貴様がこれ以上岩の開放を続けようとするなら、貴様をの弱点──我は知っておるのだぞ? それを殺してもいい。貴様を消す事だって赤子の手を捻るも同然だ。
──中途半端なドラゴンボーン。貴様は弱い。我と同じ道を辿るなど笑止! それ以上岩の開放を続ければ──』
ミラークがこちらに手をかざす。旋風のような風が俺に襲ってきた直後。
身体が透けて消えていく自分と──俺の目前で、ハルメアス・モラの触手に絡められて悶え苦しむ、セラーナの姿が視界に飛び込んでくるのだった─────
---------------------------------------
当初の話を少し練り直して作ってみました。
え? 最後のシーンがエロいって? いよいよ速水(ジュリアンの中の人です)も触手MOD投入したかって?
いやーあれ入れたいんですけどね、エロMODは沢山入れてるけど(ぁ)、触手プレイにそこまで重きを置いてない人間なので入れてません。面白そうだなぁとは思うのですけど。
次で終わらせたいけど、多分無理だな(ぁ
次辺りで今回書いてる最中に思いついた要素を取り入れていきますけど・・まぁ、相変わらずの超展開及び自キャラどばきんとセラーナのキャッキャウフフマンセー全開になるので、そういう話がお嫌いな方はブラウザバックをお勧めします。
大体ここら辺で出てきますが、どばきんさんが内面から崩されています。ソルスセイム各地にある岩でしたっけ、あれを開放しようとしたら変なモンスター出てきますけど、あんなちゃちい奴だけでミラークが対策打つわけないだろうと勝手に考えて勝手に作ってみましたw
ミラークさん、せっかく初代DBならもうちょっと未知なる力を持っていたっておかしくないよね? だって岩で人を操っていたんだもんね? 寝ると人を操るんだもんね? なら寝てれば相手の意識をのっとることも・・・って考えて作ってみたんですが。
話を作るのは大好きなんで・・w
コミケが終わっても相変わらず創作だけは楽しんでやってますw
え? ゲームはどうしてるって? ぜんっぜんやってません(ぉ
久々にこの後ゲームをのんびりプレイしようかな。
次辺りはまたCTD関連の記事書きたいですね。まだまだCTDのことで飛んでくる方が続々いらっしゃるので。
ではまた、今週は木曜日にUPできなくてごめんなさいorz
また来週^^
これは第2チャプターです。1話から読みたい方は前回の日記「Taken.」からどうぞ。
同じ夢を繰り返し繰り返し見ることは、あるかい?
それが全く違う場所から始まったとしても、行き着く先は同じ場所、同じ光景、同じ“コトバ”──
でも夢から醒めれば、それは夢だったって胸を撫で下ろすだろう。
“起きた”場所も、夢の世界でなければ、ね──
「───ッ!」
目を開ければ、まっすぐ瞳孔を貫くように飛び込んでくる光。焼き尽くされるような痛みと共に俺は思わず手を目前へかざす。
かざした手によって目を焼き尽くされることは免れたが、その次には倦怠感が全身を包み、持ち上げていた腕すら支えているのもままならない。
「……はぁ、はぁ、はぁ……」
荒い呼吸音を整えつつ、薄ら目を開けたまま、ゆっくりと腕を下げると……そこには変わらず見慣れた天井。いつも眠る場所で、瞼を閉じる寸前まで見ているであろうもの。
……また、あの夢を見たのか……。
あの日から始まった、毎日繰り返す夢。繰り返し見る光景……思い出すだけで吐き気がする。枕の上で転がすようにして頭を数回振った。今はあのおぞましい思考を振り払いたかった。一体なんで、こんな悪夢を見るようになっちまったんだろう……
これか、と思う原因はあった。だから出てくるのだろう、ミラークが。復活を邪魔する俺を阻止しようと……。
眠気はすっかり失せてしまった。仕方なく俺はベッドから上半身だけ身を起こす。落ち着こうと思わず胸に手を当てたとき、また自分の身体が汗でじっとり濡れていることに気づき、思わず舌打ちを打った。またセラーナに訝しがられてしまう……
そう思ったところで、俺が起きた事を察して彼女が寝室に来たりしないかと思わず息を殺して気配を窺ってしまう。
……が、寝室に向かってくる足音は聞こえてこなかった。俺が寝ている間、セラーナは大抵、上にしつらえてある暖炉の辺りで身を温めている事が多い。眠らない彼女にとって俺が寝ている時間はさぞ退屈らしく、暖をとりながらそこで俺が起きる朝まで過ごしているのだ。
すっかり目が覚めてしまったため、ベッドから起き上がりしな、また汗でじっとり濡れてしまったチュニックを脱ぎ捨てた。
……ここ数日、満足に眠れていないのは自分が一番分かっていた。毎日毎日、同じ夢を繰り返し見るのだ……同じ場所で、同じ光景を。
悪夢を司るヴァーミルナのせいかと最初は思った、が、それは違うとすぐに思い至った。夢で見る場所はハルメアス・モラのアポクリファの中だけだったし、それに……
「………」
無言で自分の手のひらを見つめる。何も掴んでないし、何もない。やや汗ばんだ手のひらが視界に写るだけだ、何もおかしなところなど無い。
俺は重い腰を上げてベッドから立ち上がり、寝室を出る。上半身裸に素足という井出達でぺたぺたと室内を見て回るが、やはり地下にセラーナの姿は無かった。首を動かして辺りを見回したところで、やはり上か、と建物の真ん中にある幅広の階段を上っていく。
階段を上がろうとした時、何か上着を着てくればよかったかなと思ったが、家の中は寒いと感じない位の暖かさだったため、戻ろうとせずそのまま階段を上がる。
一階に着くと、玄関扉が正面に現れた。そして階段を中心にぐるりと開けたホール状の部屋。間仕切り等はされておらず、玄関扉と向かい合わせの壁に暖炉と鍋がしつらえてあるだけの簡素な部屋だ。
階段を上りきったところでくるり、と反対側を向くと、セラーナが暖炉の前に置かれた椅子に座ってぼんやり本を読んでいた。地下にある書架にあった一冊を持ってきたのだろう、目を左右に動かしている様子がないことから本を読んでいる様子はなく、ただ暇つぶしに持ってきた、という感じにしか見受けられなかった。
「セラーナ」
呼ぶとすぐ、彼女は本に向けてやや俯かせていた顔をあげ、声が聞こえてきた方──即ち俺──に視線を向けた。直後嫌なものでも見るかの如く眉を顰めてこちらを凝視してくる。奇異の目、というより怪訝そうなそれだった。
「……また深夜に徘徊ですの? いつからあなたは年寄りに成り下がったのかしら?」
勿論冗談で言っているのだろうが、やや刺々しい言い方に彼女なりの気遣いが出ているようで、ずきん、と胸が痛んだ。……毎晩見る夢の話を一切彼女にしていないからだ。毎晩夜中に起きている──眠れない理由がある事に気づかないほど彼女は愚かではない。
「失礼なこと言うなよ、……ちょっと眠れないだけさ」
ばつが悪そうに彼女の方へと近づいていく。セラーナははぁ、とため息を一つこぼし……手に持っていた本をぱたん、と閉じて手近なテーブルに置いた。
「何故突然眠れなくなったんですの? それまでは私が起こさない限り昼近くまで寝ることもあったのに?」
そういうことは前の晩に酩酊した時しかないぜ、と言いたかったが今は口論する気ではなかったし、喋りたい気分でもなかった。身体は休ませろと言っているのに頭が冴えて眠れない時のような倦怠感が全身を覆って、余計な事を喋るつもりにはなれなかったのだ。
「それは……その、寝るとまたミラークに操られてしまうんじゃないかって思うと、どうしても寝付けなくなっちまってさ、はは……」
口だけで笑ってみせたが、目は笑っていないのを自分自身も、そして目前に居るセラーナも分かっていた。怪訝そうな視線は先ほどから変わらず、何かを隠している、という事が分かっているのは明白で、
「こないだ、うなされてた時からですわ。……毎晩汗でじっとりベッドシーツが濡れているのを私が気づかない訳ありませんのよ。お分かりでして?」
牽制するかのようにぽつりと自分の意見を漏らす。言い分は最もだった。一人しか寝ていないベッドシーツが毎晩濡れているのだ、ソルスセイムはスカイリム程ではないにしろ、ヴァーデンフェルの北側に位置する島だ、雪がちらつく日こそあれ、汗ばむ陽気の日など殆ど、というより滅多に──無い。
ベッドの上で汗をかくような行為を一人で行う訳がないとしたら……セラーナが疑わない理由など無かった。
俺が黙っているのに痺れを切らしたのか、セラーナは食い下がらず、
「ジュリアン、話したくないならそれでも構いませんわ、けど私はあなたが毎晩眠れず憔悴しきっていくのを見ていくほど悠長な性格ではありませんでしてよ、毎晩何故眠れないのか話していただけませんの?」
珍しくストレートに聞いてきた彼女に俺は驚きを隠せなかった。普段なら俺が言うまで何も聞いてこないのに……それはつまり、彼女が焦るほど俺の身を案じているって事か? 心の中で葛藤する自分が居た。けど話したところで毎晩同じ夢を見る感覚をセラーナに分かってもらえるかと思えばそれも疑問だった。
そう、そうなのだ、俺は毎晩、アポクリファの中で───
『……これ以上……すれば、貴様………してやっても……』
『我は見つけたぞ…………がどうなって……貴様の……弱さを………』
『開放………ば、……女………し……』
『───ジュリアン!』
「……っぁあああっ!」 瞼の裏で、閃光と共に思い出す光景。
耐え切れず俺は頭を抱えてテーブルに突っ伏していた。思わずセラーナが駆け寄るも、俺は手で大丈夫のポーズを取る。彼女に心配をかけたくはなかった。……今となってはそれも無理な話だが。
深呼吸を何度かし、息を整える。大丈夫だ、大丈……
と心の中で言いながら彼女に向けた手をつと見ると──透けていた。輪郭を残して手のひら部分が半透明に透けていたのだ。半透明の先には──セラーナの心配そうな顔。
「……なっ!?」
ばっ、と両手のひらを先程寝室でやったように再度見つめるが、一瞬目にしたような手が透けて向こう側が見えるなんて事はなかった。浅黒く雪焼けした手のひらがそこにある。
──見間違いなのか? これじゃ……まるで、夢で見た光景……
「ジュリアン?」
セラーナが気遣うように小声で俺を呼んでくる。くそっ、と内心毒づいた。
話したっていいじゃないか、と思う自分も居る──けど話せば俺が彼女を巻き込むことになるのは明白だった。自分だけの問題なのだ。これは──俺とミラークとの。
……けど、もしさっきのようになったら?
もし“夢が夢じゃなくなったら?”
──ぞくり、と背中を這い上がるような恐怖。
よほど俺の顔が青ざめていたのか、セラーナが尚も俺の名前を呼んだ。しかし、その声は俺に届いていなかった。
フラッシュバックのように現れた夢の断片──毎晩見る悪夢。その時俺に叫びかける──ミラークは毎晩俺にこう言っていた。
『何故我が貴様の夢に現れているか分かるか? 自分が何をしているか分かっているだろう?
貴様は我の復活を邪魔しようとソルスセイム各地の岩を我の呪縛から解こうとしている。それが許せんのだ。
貴様がこれ以上岩の開放を続けようとするなら、貴様をの弱点──我は知っておるのだぞ? それを殺してもいい。貴様を消す事だって赤子の手を捻るも同然だ。
──中途半端なドラゴンボーン。貴様は弱い。我と同じ道を辿るなど笑止! それ以上岩の開放を続ければ──』
ミラークがこちらに手をかざす。旋風のような風が俺に襲ってきた直後。
身体が透けて消えていく自分と──俺の目前で、ハルメアス・モラの触手に絡められて悶え苦しむ、セラーナの姿が視界に飛び込んでくるのだった─────
---------------------------------------
当初の話を少し練り直して作ってみました。
え? 最後のシーンがエロいって? いよいよ速水(ジュリアンの中の人です)も触手MOD投入したかって?
いやーあれ入れたいんですけどね、エロMODは沢山入れてるけど(ぁ)、触手プレイにそこまで重きを置いてない人間なので入れてません。面白そうだなぁとは思うのですけど。
次で終わらせたいけど、多分無理だな(ぁ
次辺りで今回書いてる最中に思いついた要素を取り入れていきますけど・・まぁ、相変わらずの超展開及び自キャラどばきんとセラーナのキャッキャウフフマンセー全開になるので、そういう話がお嫌いな方はブラウザバックをお勧めします。
大体ここら辺で出てきますが、どばきんさんが内面から崩されています。ソルスセイム各地にある岩でしたっけ、あれを開放しようとしたら変なモンスター出てきますけど、あんなちゃちい奴だけでミラークが対策打つわけないだろうと勝手に考えて勝手に作ってみましたw
ミラークさん、せっかく初代DBならもうちょっと未知なる力を持っていたっておかしくないよね? だって岩で人を操っていたんだもんね? 寝ると人を操るんだもんね? なら寝てれば相手の意識をのっとることも・・・って考えて作ってみたんですが。
話を作るのは大好きなんで・・w
コミケが終わっても相変わらず創作だけは楽しんでやってますw
え? ゲームはどうしてるって? ぜんっぜんやってません(ぉ
久々にこの後ゲームをのんびりプレイしようかな。
次辺りはまたCTD関連の記事書きたいですね。まだまだCTDのことで飛んでくる方が続々いらっしゃるので。
ではまた、今週は木曜日にUPできなくてごめんなさいorz
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