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SkyrimとFallout4・76の二次創作メインブログです。 たまにMODの紹介も。
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05.02.16:51

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  • 05/02/16:51

03.18.01:34

躊躇うか、勝利か

※スカイリムの二次創作小説です。
その手のものが苦手な方はバックキーを押すか、ブラウザを閉じてください。
自分じゃMODは作れないので、あくまで派生クエというかんじのストーリィにしてます。
MODが作れればたぶんこんな面倒なことはしてないと思われ(汗

 ──闇。
 何も見ることができない闇。
 ……いや、違う。何かが蠢いている。
 闇が動くわけがない。
 何かいる。
 俺は両手を突き出した。その蠢くものが何なのか確かめようと。
 しかし俺の両手は俺の視界には入ってこなかった。腕を突き出している感覚はある。筋肉や神経は腕を伸ばした状態であると、俺の脳にしっかり信号として入ってきている。
 けれどその両手すら見えないのだ。まるで自分の両目に真っ黒いカーテンを覆ったかのように。
 それより俺は今どこにいるのだろう? 一寸先すら見ることのできない真っ暗闇の中に俺はいつ入り込んだのだろうか?
 首を振ってあたりを見回そうにも、やはり何も見えない。真っ黒いキャンバスの中に一人だけ放り込まれたかのようだ。
 その時再び闇が蠢いた。
 間違いなく何かがいる。しかし自分の目は相変わらず役に立たないまま。腕は突き出したままで何に触れることなく、虚空をさまようばかり。
 この状況を打開できるには最早ひとつしか方法がなかった。
「そこにいるのは誰だ?」
 俺は蠢く闇に向かって話しかける。
 ごく普通に話しかけた感覚で言ったつもりだった。
 その直後──

 真っ暗闇だった視界に、突如爆発したかのような閃光。そして白。まばゆいばかりの白。
 暗闇に慣れていた両目に襲い掛かったそれは、今度は白く塗りつぶすように再び視界を奪った。
 急激な光に突き出していた両手で視界を遮ろうともしても最早手遅れで、焼け焦げたように両目が痛い。
「……っ!」
 瞼から涙が溢れる。感情からくるものではなく、痛みからくるものだ。両手で襲う閃光から目を守りつつ、俺は薄目を開けた状態で目の前を見ようとした。
 白い世界の中で、何かが見える。さっきまで蠢いていたものだろうか。
 その時、声が聞こえた。微かではあるが間違いない。一度聞いたら忘れられない声。ノルドのような人間、カジートのような獣人から発せられる声ではない。
「……ーン……が、……」
 その時俺は見た。閃光の瞬く中、巨大な銀色の──ドラゴンの姿を。
「アルドゥイン……!」
 俺は左側の脇にに帯びている剣を鞘から抜き取ろうとした──が。 
 剣がない。武器を何も持ってない。
 何故、と思うがいなや、強烈な熱風──炎だったかもしれない──に襲われた。
 全身が焼け焦げるように痛い。ドラゴンブレスをまともに食らったようだった。
 丸腰の俺が敵う相手じゃない。逃げたほうがいいに決まってる。そう思って踵を返したときだった。
「逃げるのか、ドラゴンボーン。逃げればお前がもっとも嫌うものと世界は変わるであろうぞ。汝はそれを望むのか? 我は……」
 再び閃光。
 その声が耳朶に張り付いたまま、俺は意識を失った。

 はっ、と目が覚める。
 飛び跳ねるような感じで寝台から起き上がり、自分が今まで夢を見ていたこと、今いる場所は寝室だということに気づく。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
 息が荒い。
 体全体が汗ばんでおり、夜着代わりに使っている薄いチュニックが汗でじっとりと濡れていた。
 垂れ下がった前髪を掻き分けながら、俺は深呼吸を数回した。大丈夫だ。夢だったのだと自分に言い聞かせる。
 ずいぶん中途半端な時間に起きてしまった。まだ夜明け前のようだ。寝室のあるロフトには窓はないが、街中にある一軒家なため周りが静か過ぎれば自ずとまだ夜明け前なのだと察しがつく。
 もう一眠りするか、と思い、とりあえず汗で濡れてるチュニックを脱いでから別の服に袖を通したときだった。
「従士様! 大丈夫ですか!!」
 ばん、と扉を派手に開けて入ってきたのは自分を従士と呼び、このブリーズホーム──ホワイトランという町にある俺の家の名称だ──に居候している兵士、リディア。
 女性だが、兵士として訓練されているせいか女性らしさはあまり感じられない。……とはいえ、どうこういおうが女性であることに変わりはない。しかし他意を感じたことはない。同じ屋根の下で過ごしていても。
「……俺は大丈夫だ。お前もいいから寝室に戻れ、リディア」
 着替えようとしてチュニックを脱いだばかりだからばつが悪い。しかし彼女は平然と、
「従士様がうなされているのが聞こえたので、心配で飛んできたんです。……汗まみれですね、体拭きましょうか?」
 とまで言ってきたので、俺はNo、と言う代わりに手を振ってサインを示した。
「俺は大丈夫だ。もう一眠りする。お前も寝るんだ。俺のせいで起こして悪かったな」
 寝ると言われれば引き下がるしかないと思ったのか、リディアは納得しかねない様子だったが会釈をして部屋を出て行った。
 ほっ、と一息吐いて、俺は着ようとしていた別の服に袖を通す。
 ボタンをかけながらふと、夢で見たアルドゥインの言葉を思い返した。
 逃げればお前が最も嫌うものと世界は変わる──
 それが何を示しているのか……俺にはわかっている。だからこんな夢を見たのか。俺は……
 着替えが済み、俺は再び寝台に横たわったが、眠れそうになかった。
 おそらく、何故こんな悪夢を見たのか、俺には該当がついている。
 それはちょうど、数日前のことだった。
 マルカルスで一仕事を終えた直後、ドラゴンがマルカルスの町に襲い掛かってきたことから始まる───

 つづく!

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