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SkyrimとFallout4・76の二次創作メインブログです。 たまにMODの紹介も。
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04.19.20:29

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  • 04/19/20:29

08.26.22:30

蔓延る者と、弾かれ者

 静かな夜だった。
 遠くに見えるレッドマウンテンから吹き上げる噴煙が静かに吹き上がる光景すら遠く離れた海上にあるソルスセイムには響いてこない。
 そう、ソルスセイムだ。灰と雪に覆われた、静かな、しかし凍てついた島。人々が僅かに集落を作り身を寄せている場所以外は、レッドマウンテンから落ちる灰と雪だけしか残らない──ソルスセイムの住人、特にダンマー達はこぞってそう言う。自虐と共にそこから逃れる術を知らない者達が零す、諦めとも絶望とも取れるそれは聞こえのいいモノでは決してなかったが、それはまた彼らがそうせざるを得ない事情を醸し出しているようで、聞く者にとっては慰めか黙っているしか手段のないものだったが。
 話を戻そう。そんな静かなソルスセイムの夜……集落から外れた山間の一角に、ぽつんと建てられた建造物があった。
 その建造物の付近にあるものといえばそこそこの大きさの湖が湛えてあるだけで、しかしながら年中凍てついた季節にあるソルスセイムなので表面には氷が張り、飲用水として利用する事は無理だった。他に建造物は見当たらず、湖が凍っているせいもあって山裾の間にある一角が広くぽっかり間が出来て、自然物が多い景色の中に人の手が加えられた建物が一つだけある様は奇妙に思うこそすれ、近寄る者は殆ど居ない。
 そんな建物周辺に、人の目のような光がいくつも闇に浮かんでいた。その目の位置は成人した人間の半分以下、子供とほぼ上背が同じくらいの位置からそれを光らせていた。静かな夜に、時折金属や木々のぶつかる音を立てては、奇妙な唸り声を響かせて──

「……さて、どうすればいいものか……誰か、天が我らを味方してくれれば──」
 建物周辺に光る目を木々の合間から顔を覗かせた何者かが、白い息を吐きつつぽつりと漏らす。
 近づこうにも、我々だけでは近づいても返り討ちに遭うだけだ。
 誰かがあれらを退治……いや、あの場所から追い出してくれないものか。

「──見えた! 数ヶ月ぶりのソルスセイムだな」
 海面から僅かに顔を覗かせた灰色の島を見て思わず声を上げる。もっと近づいてみようと足を上げるも、そのタイミングに船がぐらり、と波に持ち上げられてバランスを崩した俺は、
「うわわっ?!」
 成す術なくどたっ、と音を立てて派手に腰を甲板に打ち付けてしまった。その音で、海原を見ていたセラーナが何事かと振り返る。
「……何やってるんですの? ジュリアン」
 呆れたように目を細めて、こちらに近づいてから黙って手を差し伸べてきた。ばつが悪い顔を浮かべながら俺はその手をぎゅっと握り、膝を立てて蹴るようにしてとん、と立ち上がった。──打ち付けた腰が若干、ぎくっと痛む。骨折熱でも起こしてなければいいのだが。
「ありがとう、セラーナ。……いや何、ちょっと船に揺られて……」
「はっはっは! はしゃぐのはいいんだがね、海に落っこちないでくれよ、引き上げるのが面倒だからな」
 俺とセラーナの掛け合いを見てたのか、俺達の乗っているこのノーザン・メイデン号の船長であるグジャランド・ソルトセイジが笑いながら野次を飛ばす。この船に乗ってからずっとこの調子だ。
 その原因は船に乗った直後に知った。グジャランド船長はどっからか俺とセラーナがリフテン聖堂で挙式を挙げた事を知っていて、船に乗り込んだ矢先に俺達に気づいて擦り寄ってきたのだ。……まぁ思えばソルスセイムの埠頭での一件からこの船とは何度か係わり合いになってきたせいもあるし、俺も幾度となく世話になってる以上邪険にも扱えず……。
「島まではあと2時間、ってところかな。今夜はベッドに眠れそうだぞ。あんた達も夫婦水入らずで過ごしたくなってきた頃だろう? な?」
 それが何を意味しているかは……想像にお任せする。が、俺は元からの性格が災いし、顔をかっと赤らめてしまった。それがまた船長のからかうネタになっているのは自明の理であって──
「……いい加減にしてくれないか、船長。セラーナが困っているだろ?」
 と、セラーナに振ってみるものの彼女は平然としていて、俺が赤面しているのが逆に恥ずかしく思えてきた。ああ、情けねぇ。
 そんな様子を見て船長は再びはははと笑い、操舵に戻っていった。船に揺られて二日、ずっとこんな調子なせいで俺の忍耐力がどんどん削られている気がする。
「ジュリアンが赤面するのは今に始まった事じゃありませんでしてよ。気にする必要などありませんわ」
 赤い瞳をこちらに向け、静かにぽつりと呟く彼女はそれなりに俺をフォローして言っているんだろう。しかしなぁ。
「けどさ、セラーナ。俺達結婚してもう一ヶ月は経ってるんだぜ、それなのに未だにこうして話題に出されたり、行く先々で言われたりしてきただろ?」
 挙式を上げて一ヶ月はスカイリムを回っていた。戻ってきてからヴォルキハル城へ行き、その直後にリフテン聖堂へ向かった事もあって、数ヶ月ぶりのスカイリムを満足に回る時間を取って見ようと思い、彼女とあちこち出向いていたのだ。……その出向いた先で、何度と無く同じ事を言われた。結婚おめでとう、はまだいい。他にも下世話な話を振ってきたり、俺の性格を知る奴らがわざとそう鎌を掛けてきたりした。ブリニョルフやヴェックスなどはこちらをもうボウズとか言ったり子ども扱いできない等と笑いながら言う始末。
 逆にセラーナの正体を知っているドーンガードの連中は、俺に対してあからさまに彼女は大丈夫なのかとか、お前は奴らに心を奪われたんじゃなかろうななどと要らぬ心配の目を向けてきたり、まぁそんな一ヶ月だったのだ。
「……恐らくまだ続くんじゃありませんでして? ソルスセイムにまで噂が及んでたらどうするつもりですの?」
 セラーナがぽつりと呟いた言葉に、俺は思わず悪寒を覚える。──そういえば、彼らに話を──セラーナにプロポーズをしたが彼女の態度がひどかったあの頃だ──振るだけ振って、その直後黙って島から出ていってしまったのだ。もし彼らが、俺達が結婚したと予め知っていたら──いや、逆に既に俺はセラーナと別れているとか思われていたらそれはそれで嫌だな。
「セラーナは、嫌じゃないのか?」
 海風でふわりとなびく彼女の髪を、そっと手を伸ばして落ち着かせるようにおさえると、彼女はその髪を受け取るように自分の手で押さえた。俺は黙って手を戻す。
「嫌だというようなら、最初から結婚なんてしてませんわ」
 そりゃそうだ。……しかしそれで話は終わりじゃなかった。
「結婚する前も、してからも、ジュリアンは毎日目まぐるしく、けれど楽しくて飽きない毎日を私に与えてくれているんですのよ。……でも、してからの方が多い気がしますわね。だから嫌だなんて思いませんでしてよ。それを手放してくれなんて言われる方が嫌ですわ」
 といって、ぷいと彼女は海原の方を向いてしまう。照れ隠しなのか、それとも……
 俺は嬉しくて、彼女の肩をぽん、と優しく叩いてから隣に立ち、同じ風景を見る。──毎日が目まぐるしく、か。恐らく島に戻ればそれが更に加速度的に増すだろう。ミラークの事もそうだが、島で起こる様々な問題にも関わってくるかもしれないしな。

 そう、その問題はもう目前にあった。
 しかしこの時それを知る由もない俺は、セラーナと共に徐々に近づいてくるソルスセイムの島を眺めながら、島でどういう歓迎をされるか、そればかり考えていたのだった……


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夏コミ終わってようやくの二次創作再開です。
長い間放置してましたが、ようやくソルスセイム編再開の運びですねw まぁ~編なんて形に一絡げして作ってるわけじゃないのですが。
冒頭が長すぎて本当はもう少し書くつもりでしたが次回に持ち越し(爆死
今回の話は大体の予想はつくと思いますが、某広間のクエの話ですな。
若干アレンジしますけど。

コミケも終わったのでSkyrimしまくり・・のハズだと思うでしょうがごめんなさい、
相変わらずFO3ばかりやってますw でも先日久々にスカイリムのセラーナたん衣装を新しくMOD入れたのでSS一枚だけUPしときますね(1枚だけか・・

 後ろに居るのがジュリさんですな。・・・にしてもセラーナたんエロい! エロすぎるよ!!
 このおっぱいの乳首を僅かに隠す覆いが邪魔なくらいですね(おい
 肌色が多くてジュリさんはそっぽむかせてます(違う

 ちまちまプレイ日記も上げていきたいなあ。
 まぁ暫くそんな二次創作とプレイ日記を交互に上げていこうと思います宜しく。

 ではまた。次は木曜更新にします(今回は先週上げてなかったので早めに更新しましたw

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