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SkyrimとFallout4・76の二次創作メインブログです。 たまにMODの紹介も。
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04.26.01:34

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  • 04/26/01:34

09.24.23:08

迷いし者と、招かれる者

※スカイリム二次創作小説チャプター2です。その手の部類が苦手な方はブラウザバックでお帰りを。
これは第二章です。一章から読みたい方は前々回の日記「蔓延る者と、弾かれ者」からお読みくださいませ。


 そう、その問題はもう目前にあった。
 しかしこの時それを知る由もない俺は、セラーナと共に徐々に近づいてくるソルスセイムの島を眺めながら、島でどういう歓迎をされるか、そればかり考えていたのだった……

“……ぉい、この人大丈夫か?”
“…………。酷く………してるみたい。評議員を連れてくる……”
 朦朧としてる意識の中、聞こえたのは男女の声。
 起き上がることも、目を開けることも適わず──再び男は、意識を閉じた。

 ごぅん、と木々がぶつかる音を立てて、約三日、動き続けていた船の動きが止まり、あとはただ波の緩慢な動きに合わせて揺られるのみだった。船員が慌しく甲板を駆け回り、ばっ、と太いロープを桟橋に飛ばし、桟橋と船を掛ける板を渡ったもう一人がそれをタイミングよく掴むと、係留柱にロープを括り付け、しっかりと結んだ。
「よぅし、着いたぞ。お二人とも。長らくの船旅お疲れ様でした」
 仰々しい挨拶を述べ、ソルトセイジ船長が恭しく頭を下げると、思わずこちらもぺこりと会釈を返してしまう。
「また何かあったら利用させてもらうよ、船長。ありがと……う……」
 俺の言葉が不自然なところで止まったので、船長はおや、と首を傾げながら頭を上げて俺の見る視線の先を一瞥し──にやりといやらしい笑みを浮かべた。
「……ああ、島の人たちに言ってなかったのか? あんた達が結婚したという事を? 
 ああそうだったよな、今まで帰ってなかったんだよな? だから……私がちょっと吹き込んでおいた。いずれ彼らが戻ってきたとき手厚い歓迎をしてくれとな」
 わざとらしく言ってのける船長。
 余計な事を……と内心恨みをこめつつ毒づきながら俺が見つめる視線の先には、桟橋に群がるレイブンロックの人々が居た。俺とセラーナの姿を船が係留する前から見ていたのだろうか、と思う位人だかりが出来ていたのだ。
「おぉーい! ジュリアーン!!」
 高らかと──しかしながらだみ声交じりの声を張り上げてきたのは、レイブン・ロックの鉱山の持ち主であり何かと俺達の世話を焼いてくれた──半ば邪魔してきただけかもしれないが──クレシウス・カエレリウス。一月ぶりだから別段見た目に変化はないものの、相手の視線はまるで旧友を久方ぶりに見たとでもいうようなそれで、俺の心を半ばうんざりさせるに十分たるものだった。
 降りたくねぇな、と思いながらもそうはいかず……渋々と桟橋に降り立つと、わっ、とばかりに人だかりが溢れた。俺もセラーナも前にリフテンで挙式を挙げた時のように人ごみにまみれてしまう。
「ジュリアン聞いたぞ! 結婚したんだってな!」だの「セラーナさんと結婚したんだって? なんで黙って島出てっちまったんだよ!」だの「お前の結婚式での姿見たかったなあ!」だの、とにかくうるさい。セラーナに対しては女性陣がここぞとばかりに何かきゃあきゃあはしゃいでいる。……当の本人は相変わらずきょとんとしたままだったが。
「わ、悪いな……長旅で疲れてるんだ。出迎えは有難いけどさ、ちょっと通してくれないか。荷物もあるし」
 と、愛想笑いを浮かべながら辞そうと思ったが、そうは問屋が卸さないとばかりにグローヴァーやヴェレス隊長までもががしっ、と俺の腕を掴むではないか。
「ちょ……」
「悪いなジュリアン。俺達はお前さんに一杯食わされたんだからな。これ位の事はしてもらわにゃな」
 一杯食わされた──その意味は恐らく、セラーナにプロポーズした後の一件の事だとは察しがついた。やきもきさせた挙句にいつの間にか島を去ってその後結婚してるなんて、確かにまぁ彼らの腹の虫が収まらない──それは分かるが、しかし……
「──分かったよ。好きにしろ。その時の借りもあるからレイブンロックの住人全員に酒は奢ったっていい」
 などと気前がいい事を言った途端、わっと周りがどよめいた。タダ酒よりウマい物はないってか。──ちょっと大見得切りすぎただろうか。

 丁度夕闇の帳が下りる少し前に船が着いたのもあって、それから俺とセラーナはレイブンロック唯一の酒場にして人々が交流する場所、レッチング・ネッチ・コーナークラブで結婚のお祝いを兼ねた歓迎──というより半ば冷やかしに近いが──を受けていた。最初は普通に乾杯をしたりして談笑を交わしていたものだったが、一、二時間ともすると評議員やヴェレス隊長は仕事があるからとそそくさと席を立ったものを除けば、残っているのはいつもの面々ばかりだった。
 テーブルを囲んで、俺の隣にはセラーナ、セラーナの隣にはクレシウスの妻であるエイフィアとフェシスの娘ドレイラが座っており、俺の隣にはクレシウス、グローヴァーやフェシスにエイドリルまで居る。そして残った客が俺達しか居ないため、コーナークラブのマスターであるサドリまでもが輪に加わっていた。輪の中心に置かれた大テーブルには飲み干したスジャンマの酒瓶が転がっており、その合間を縫うようにして小さな皿がいくつか並べてあったがその上に置かれてあったであろう食べ物はほぼ駆逐されていた。
 俺はというと半ば酔っており、意識が朦朧としていたが隣に居るセラーナは相変わらず表情一つ変えないまま酒をちびちび啜っている。──そういや前にもセラーナと晩酌した時彼女は酔わなかったんだっけな。その時俺が……
「何考えているんだ、ジュリアン?」
 と言いながら、隣に座っているクレシウスが下卑た笑いを浮かべこちらを覗き込んで来るので、思わず距離を取ろうと自然と身体をセラーナの方へ向けた。
「いや、別に……何も」
 しかし、セラーナのほうに身体を向けたのがなにやら勘違いしたらしく、更ににやにや笑いを浮かべながらぼそっと──俺だけに聞こえるように。
「やる事はやったんだろ? どうだった? 気持ちよかったか?」
 などととんでもない事を言ってきたので、一瞬、僅かではあるが最初は理解できなかった、やった? 何を? ──といった具合に。
「な、何を言ってるんだじいさん。酔ってるなら家に帰った方が──」
 半ばうろたえた態度で他の男連中もぴんと来たようで、「ジュリアン、何楽しい事じいさんとだけ話してるんだよ」といった具合に聞いてこようとするからこれがまたたちが悪い。
「ジュリアン、何を照れてるんですの? 顔が赤いですわよ」
 エイフィア達と話していたセラーナが俺が顔を赤らめている事に気づいて話しかけてくるもんだから、ますますもってどうにもならず、顔はどんどん赤くなるばかりだった。エイフィアやドレイラもそんな俺を見て笑っている。──この場はとりあえず撤退した方がよさそうだ。
「ちょ、ちょっと夜風に当たってくる」
 がたっ、と椅子を引いて立ち上がろうとした時だった。後ろの部屋──客室だ──からきぃ、と扉が開く木々の撓った音が耳に届いた。
 誰か泊まっているのか? だとしたらこんなに騒がしくて嫌気が差してしまったのかも──などと思いながらふ、と何気に後方を見ると、一人の男が部屋から出てくるところだった。
「──すまない、騒々しかった、か……」
 口から出ていた声が不自然な所で止まってしまったのは、その男の風貌がそうさせていた。
 腕や頭に包帯を巻き、うめき声を上げている彼は──レイブンロックに居るダンマーとは違う、褐色の肌ではなく──俺と同じだった。
 スコールの民か? と思ったが、見た事ない顔をした男は俺の姿を見るや否や、これまた俺と同じようにじっとこちらを見据えていた──後にそれが俺を品定めしていたなどとは、この時の俺には知る由もなかった。



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随分ご無沙汰してしまいすいません。やっとの第二チャプターです。
いやー話の大筋は分かってるんだけどなかなか書く気にならず以下略。

というか最近はあまりゲームやってません。やりたいんですがなかなか暇が取れないといいますか。
その代わりゲームのプレイ実況動画とかばかり見てますwあとは絵を描いたりと。
そういう日々ばかりやってます。スカイリムやりたいんだけどなぁ・・

あっという間に9月が終わろうかというところですね。また冬が近づくと原稿だなんだとなりそうですが。それまでは何とかブログも細々更新していく所存です!
FO4の発売が日々近づいてくるのが楽しみですね。・・・俺のグラボで遊べるか分からないんだけど。

そんな近況でしたw
ではまた次の更新日で!

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